癒しの T-Garden 赤い海の旅人

俺はさすらいのカメラマン (イギリス編)

イギリス編

〜 LONDON にて 8





男同士なんて
終わったあとは そっけないもんだ


少し違和感の残る身体をシャワーで綺麗にし
MAX が差し出したギネスを飲む


ボトルのまま飲むビールは少し苦目





一晩限りの関係


少なくとも俺はそう割り切っている


多分 MAX も・・・


あまりにチャンミンに似ているこの男は
知り過ぎない方がいい気がした


お互い すっきりしたところで
少しだけ 聞いてみる


『なぁ MAX ・・・お前 慣れてるだろ?
もともとゲイなわけ?』


俺がどっちだろうが棚に上げて
この男と身体を合わせた後では
ズバリ聞いても大丈夫だと思った


頭を掻きながら渋々答える MAX


ロンドン ⑯_convert_20160330092304


「僕はゲイじゃないよ
しいて言えば バイ・・・になるのかな?
学生時代は女のコとつき合ってたし
普通に SEX もしてた
その後 たまたま好きになった人が
男だっただけ・・・」


『そうなんだ・・・
で? 今は?』


「ん・・・先月 別れたから
今は完全なるフリー
ユノ・・・は?」


俺の名前を口にするとき
少し躊躇うような仕草をみせる


『俺も もともとゲイではない
たまたま好きになった奴が 
男だったってだけ・・・
一緒だな?』


「そう・・・」


ふっと笑う


『たばこ 吸ってもいいか?』


「ごめん 母さんが嫌がるから・・・」


『了解』


「チャンミン・・・て言うんだろ?
ユノの恋人」


『ああ 恋人なのかどうか わからないけどな・・・』


「なんで?」


『逢えないんだ アイツはオランダにいるから・・・』


「遠距離恋愛か・・・辛いね」


『ああ・・・』


「僕とチャンミンて そんなに似てるの?」


『うり二つだよ・・・
正直 驚いたし今もまだ 
信じられないくらいだ』


MAX は2本目の瓶ビールを開けた


ごくごくと早いペースで飲んでいく
口についた泡を手の甲で拭う仕草もセクシーだな・・・





「僕の別れた恋人
ユノって言うんだ・・・」


『マジか・・・?』


「うん ユノ 顔も似てるんだよ
そっくりというわけじゃないけどね
色白で 小顔 すーっとした鼻筋に
アーモンドアイは同じだよ」


『ほとんど俺じゃないか?』


「ふふふ ユノ・・・面白いね
声が違うんだ あと体型も」


『どう違うの?』


「ユノ あ 今ここにいるユノね
ユノの方がスタイルいいよ?」


『じゃあ お互い驚いたってわけだ・・・』


そうだったんだ・・・


だからなのか?


俺がユンホじゃなくて ユノって言ったときに
少し様子が変だったんだ・・・


ベッドの上での MAX の様子に納得がいく





『思い出させちゃったな・・・』


「まぁ お互いさまでしょ」


『あのさ
MAX は その・・・
どっちだったの?』


「どっちって?」


『恋人と その・・・するときだよ・・・』


俺 何てことを聞いてるんだ?


「知りたい?」


その上目遣いは計算か・・・?


心臓がドキリと音を立てる


ここは俺らしくストレートに・・・


『ああ すげー知りたい
教えて? どっち?』


「両方だよ・・・
男は基本決まってる人が多いみたいだけど
僕たちは その時の気分でしてたから・・・」


『じゃあ 俺がお前を抱くのもアリってことだよな?』


「初めはそのつもりだったくせに・・・」


『まあな・・・』


「チャンミンのこと 抱いてたんでしょ?
だから いつものように僕を抱こうとしたんだよね?
でも 途中でユノが止まっちゃうから」


『ごめん・・・』


少しバツが悪い・・・


そんな雰囲気を一蹴するように
MAX からの突然の誘い


「明日さ サッカー観に行かない?
チケット あるんだけど」


明日は 昼間はアレックスと撮影の打ち合わせがあるな・・・


時間を聞くと夜だという


夜なら行けそうだけど・・・


再び MAX と会うことに少しの躊躇いがあった


そんな俺の様子を感じ取ったのか
MAX が言葉をかけてくる


「バイトも休みなんだ
しつこいお客さんが置いて行ったチケット
貴重らしいよ?
ユノとなら・・・行きたいなと思ったの」


『俺とで  いいの?』


「ありがとう 嬉しいよ」


俺に向ける静かな微笑みには
包み込むような優しさがあった





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