癒しの T-Garden 赤い海の旅人

俺はさすらいのカメラマン (オランダ編)

オランダ編1〜

~ AMSTERDAM にて 10 最終回 ~





次の日も その次の日も
俺はチャンミンの元へ通った


そして


チャンミンを抱いた・・・





まるで青天の霹靂


つい数日前までの自分と今日の自分が
あまりに違い過ぎて
チャンミンと出逢ってしまったことが
夢なのではないかとすら思える





人生って不思議だ


幾重にも重なる偶然や必然
タイミングや運で どんどん変わっていく





ここ アムステルダムでの出来事も
本当に偶然なのか 
それとも仕組まれた運命なのか?


俺に わかるのは
この出逢いが 2度とないくらいに
貴重なものだということ・・・





初めて男を抱いた


チャンミンのリードによるところが大きかったけれど
感じたことのない類の悦びは衝撃的で
多分 もう やめられない





俺は チャンミンを愛してしまったのだ





明日には韓国に帰らなけれはならないという日
俺はチャンミンをデートに誘った


ここなら2人で一緒にいても
誰にも後ろ指を指されることもないし
知り合いに会う確率もゼロに近い


何と言っても オランダという国は
性的マイノリティに対して寛大だ


いわば LGBT先進国と言えよう


世界で初めて
同性婚が認められたという話も聞く


チャンミンが
この地を選んだのも納得がいくというものだ





昼間 外で見るチャンミンは
薄暗いところでの様子とは打って変わって
健康なはつらつとした青年だった


『オランダって綺麗だな・・・』


「ヨーロッパの景色は美しいよね
僕も好きだな・・・
ユノが撮った写真たくさん見たい」


見せてやりたい


叶うものならば・・・





公園を散歩して 
観光名所で まだ廻ってないところを
チャンミンに案内してもらった


「ユノが嫌じゃないなら
ハイネケンビールの博物館に行きたい
僕もまだ行ったことないんだ」


『いいよ
一緒に行こう』


チャンミンと一緒なら何処でもいい


ビールが大好きだというチャンミンの目が
キラキラとして楽しそうに輝く


カメラに興味があるというチャンミンに
ファインダ-をのぞかせ
俺の写真も撮ってもらう


自分の写真は殆どないから


アムステルダムに来た いい記念になると思った


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俺も今日1日で
たくさんのチャンミンをカメラに収めた


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けど
現像しても一緒に見ることはできない・・・





夜が近づくにつれ
段々胸が苦しくなってきた


「最後の夜だから
ユノの食べたいものを食べに行こう
僕は いつでも行けるから
何がいい?」


言葉に詰まる・・・


明日 帰国することは伝えてあったが
チャンミンは ”わかった” と言っただけで
何か気持ちを飲み込んでいるに違いなかった





きっと 言葉にしてはいけないと思っているのだろう


それは 俺も同じ・・・


このままチャンミンを連れて帰ることができたら・・・





せっかく明るく振る舞ってくれている
チャンミンの優しさに報いようと
俺も 精一杯 初めてのデートを楽しんだ





日暮れは 韓国よりも少し遅いんだな・・・


今日のデートを 
俺は一生忘れることはないだろう





その晩は また 
チャンミンが借りた部屋で愛し合った


宿泊しているホテルの部屋に
敢えて呼ぶのをやめたのは
帰してやれなくなりそうだからだ


別れられなくなるから・・・





何度も何度も抱き合い
キスして
お互いの肌を温めあった





最後に抱いたとき
チャンミンはイク寸前に
「ユノ・・・ありがとう・・・」 と言った


その目が涙で光っていた・・・


俺もまた・・・





チャンミン・・・


次に会える保証もないまま
俺たちは別れなければならない


『写真 送るよ・・・』


「見送りには行かないよ
飛行機の時間も聞かない」


『2人で撮った写真も送るから』


「うん 待ってる」





俺たちにあるのは 気持ち・・・


ないのは 約束・・・





いつか また お前を抱ける日まで
しばしの別れだ・・・


『チャンミン・・・元気でな?』


「さよなら・・・ユノ」


静かに交わす口づけ


この唇は俺だけのもの





翌朝
俺はアムステルダムを離れた


発つなら早い方がいいと
帰国便の時間を早めたのだ


空から見たオランダの景色は
ガイドブックに負けないくらい美しかった





〜 FIN 〜





【俺はさすらいのカメラマン (オランダ編) 】
終了です
まさかのお別れ・・・
でも2人の気持ちは繋がっています
このままではお互い可哀相なので
まだ逢える日を書く予定でいます♪



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