癒しの T-Garden 赤い海の旅人

赤い華 90

赤い華51〜





身体が さっぱりとしたところで
喉が渇いた俺たちは ビールを飲んだ


冷蔵庫に入っていたもので軽いつまみを用意し
ソファーに移動して ワインを開けた





部屋の明かりは少し暗めに設定して
ワインバーのような空間を作り出す


ここに住もうと決めたとき
拘ったのが照明だ


別に インテリアに興味があるわけでも
特にお洒落なわけでもないけれど
自分だけの城として落ち着ける空間が欲しかった


男1人の生活感のあまりない部屋


お酒が美味しく飲めるように
照明の明るさが細かく設定できるようにしたのだ


「俺は この人を愛している」と
悟ったときの戸惑い・・・


お互いの気持ちが通じ合い
一つになれた今の充実感


それでも
まだ少し こっ恥ずかしかったりする・・・



そんな気持ちを誤魔化すには
このくらいの薄暗い照明が丁度いい





「ユノさん・・・身体は大丈夫ですか?」


『ん 平気』


「良かった・・・
俺 初めてだし
これで良かったのかなって ちょっと気になって・・・」


『チャンミナ・・・』


ユノさんが
静かに話し出した


顔を見ると とても真剣な表情で
俺をまっすぐに見ている





『俺さ・・・初めてじゃあ ないんだ』


「・・・?」


言っている意味が よく分からなくて
ワイングラスを置く


『チャンミナ 聞いて?
俺 男同士で こういうことするの
初めてじゃないんだよ』


ユノさん・・・どういうこと?


『前に 年上の人と あ 男・・・なんだけどさ
ちょっと そういう関係になったことがあって・・・』


思いもよらない告白に 胸の動悸が激しくなる


「その人と付き合っていた・・・って ことですか?」


『うん まあ そんな感じ・・・
ごめん 驚いただろ?』


「はい・・・」


『でも 俺はゲイじゃないって ずっと思ってた』


「・・・」


『小学生の頃は女の子が好きだったし
まあ 小さいから何もなかったけど・・・
中学以降は結構モテたりして 女の子とつきあったりもしてさ
それなりに そういう関係もあったんだけど・・・
あまり執着がないというか
俺 そういうことに淡白みたいで
高校時代もその後も 何人かの女の子とつきあったけど
長続きしなくて・・・
毎回つまらないってフラれちゃうんだ
それの繰り返しだった』


「ユノさんがフラれるの?!」


そっちの方がびっくりだよ


『俺もさ フラれるたびに
まあ そっかって
何の感情も湧かなくて・・・
普通フラれたら悲しいだろ?
なのに ショックもなくて
俺 オカシイのかな?って思い始めた』


「・・・」


話の内容は よくわかった


でも 俺は言葉がかけられなかった





『今思えば 事務所でチャンミナを見かけて
ずっと気になってたってこと自体 変だよな?
その時は わかんなくて
ただ気になってただけだったんだけど
結局 ずっと お前のこと忘れられなかった』


「ユノさん・・・」


『お前の姿を見なくなってからも 
女の子を可愛いとは思うんだけど
付き合ってはフラれる の繰り返しでさ
そんなとき 俺のダンスを
たまたまオーディションで見たっていう
今の事務所の社長に声をかけられたんだ
少し小さい事務所だけど
デビューへの道は近いって確信して』


「で 事務所を移ったの?」


『そう・・・』


「だから事務所名を聞いても わからなかったんだ」


ユノさんの主治医の話がきたとき
事務所の名前を言われたけれど
知らない事務所だったから
まさか あの時のユノさんだとは思わなかったんだ・・・


やっとパズルのピースがハマったような
スッキリとした感覚が
俺に安心感をもたらした





『まあ 前の事務所とも色々あってさ
移るのもいい機会かなって思って決めたの
だってデビューしちゃったら 
もう動けないだろ?』


「そうだったんですね・・・
ヒチョルさんとドンへさんは残ったんだ?」


『そう アイツらはもう
スーパーシニアっていうグループ名も決まってたからな』


「でも 今も仲良くしてるんですね」


『ああ 気の合う仲間って感じ?』


ヒチョルさんとドンへさんの
賑やかな雰囲気を思い出す


『俺は 手さぐりだけど優しいお兄さんみたいな 
今の若い社長に可愛がられて・・・
すぐに そういう関係になった』


「今は・・・?」


少し震えながら聞いた俺の手を
ぎゅっと握ったユノさんの力強い眼差し


『チャンミナ お前だけ・・・』


ホッとした


こんな抜き差しならない関係になってからの
トラブルは ごめんだ


『デビューまでの数か月間だけの関係だったけど
今も 社長は俺には一目置いてくれているんだ
で 社長と別れてから もう何年も経つんだけど
その間 女性とは付き合ってない・・・』


ちょっと待って ユノさん・・・


予想だにしなかった ユノさんの話に
頭がついて行かない


俺は この10年間
数えきれないほどの女を抱いてきたというのに
ユノさんは全くしてなかったというの?





『ごめん こんな話して・・・
だけどチャンミナ お前には どうしても言っておきたくて』


「ありがとうございます
話してくれて・・・
人間30年近く生きていれば
恋愛に関して何もない方がおかしいですよ
ユノさんが男の人とつきあっていたことや
女性に淡白だってことは少しびっくりしたけど・・・」


『だよな・・・俺 カッコ悪いな・・・』


「でも ずっと俺のことを思ってくれていたっていうのが
今 凄く嬉しいですよ・・・」


俺はユノさんを そっと抱き包み
背中をさすった


耳元に顔をうずめて
「ありがとう・・・」と
素直に嬉しい気持ちを伝えた





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