癒しの T-Garden 赤い海の旅人

赤い華 63

赤い華51〜





”上手くいけば 
明日の午前中で撮影も終わり
少しゆっくりして月曜に帰るよ”


ユノさんは打ち上げを終え 
新曲のPV撮影も順調みたいだ


沖縄は かなり熱いみたいで
少し焼けたみたい・・・


送られてきたセルカは
ギラギラの太陽に目を細めるユノさん


ドアップの顔写真じゃ
何処にいるのか全くわからないよ


ただ天気が良くて
眩しいんだなって ことだけわかる


少し焼けたユノさんを見るときも
やはり頬が緩む


眩しいのは俺も同じ





平日は仕事をしている俺に
気を遣っているのか
それとも我慢しているのか


電話は ただの一度もかかってきたことはなく
ラインも全部で3度だけ


別に仲のいい友達でもないし
付き合っているわけでもないのだから


当たり前なのに
どこか寂しく感じる自分の心境の変化に驚いた





いつの間にか
ユノさんからの連絡を心待ちにして
ソワソワしている夕方5時


診察が終われば
早くスマホを確認したいなんて
今までになかった自分の変化に
戸惑ってしまう・・・





今日は金曜か・・・


すぐに帰る気にもなれず
俺は おばちゃんの店に行き
ご飯を食べることにした


1人の時はカウンターに座る


家族みたいなものだからと
食べたいものを作ってくれる気遣いが
本当に ありがたい


ビールを いい勢いで飲み干して
お気に入りの銘柄のマッコリへと進む


ここではワインじゃないんだよな・・・





”今日は一人なの?”


おばちゃんは 
お気に入りの ”イケメンユノ君” がいないことが残念そう


俺だって
たまには一人でご飯食べるよ?って
言ってみるものの
何か空しいことに自分でビックリする





俺仕様の辛い豆もやしとキムチのスープを
何も言わずに目の前に置いてくれる


”チャンミン 最近 家に帰ってないでしょ?
伯父さん 心配してたわよ?”


あ・・・


しばらく伯父の家に行っていなかった





ここ日本では
本当の親みたいに
たまには顔を見に行っていた


歩いても10分足らずの距離なのに
ここのところ 御無沙汰だった


とはいえ
実はクリニックの経理関係は
伯母の知り合いの税理士に任せているので
伯母は ときどきクリニックに来るのだった


伯母から俺の様子は聞いているはずなんだけどな・・・


俺の気持ちを見透かすように
”伯母さんも チャンミンが少し元気がないのよって
言ってたわよ”


悩んでいるようにでも見えたのかもしれない
なんて思ったら


”恋煩いじゃない? って言っておいたから大丈夫よ”


えーーーーーっ!!!


ゲホッ!


思わずスープを吐き出しそうになった





おばちゃん・・・





困った俺を嘲笑うかのように
目くばせをして厨房へ逃げて行く丸い背中


完全に茶化されている・・・


でも おばちゃんの鋭さに 
思わず姿勢を正してしまうほどの
緊張感が走った


俺 そんなにわかりやすいのかな?


プレイボーイが聞いて呆れるな・・・





妙に火照る顔を手で仰ぎながら
帰ろうとする俺に 


”チャンミン・・・
余計なお世話かもしれないけど
ユノ君なら大丈夫だと思うわよ
きっと わかりあえる関係に 
なれるんじゃないかな?”


おばちゃんがトドメを刺した





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