癒しの T-Garden 赤い海の旅人

HOTEL T の秘め事 113階

HOTEL T 61-扉絵





新しいパンフレットやサイト用写真の撮影は
順調に進んだ

急遽モデルに抜擢されたミノが白いタキシードを着て
モデルさんと見つめあったり
指輪の交換をしたり 腕を組んで歩いたり

それはそれは色々なシーンの撮影が行われた

チャペルはガラス張りで
燦々と陽が降り注ぎ とても明るい

チャペルが売りということもあってか
今日は洋装だけだったけれど
衣装も何度か着替えて
プロのヘアメイクさんに髪をセットしてもらうミノを見ていると
本当のモデルさんみたいだ

いや その辺のモデルなんかより
ずっとずっと カッコ良くて目立つ





ユノも僕も その撮影には最初から最後まで立ち会った

そして ユノは社長として様々な意見も出し
パンフレットの片隅の小さな写真1枚でさえも
モデルの向きやポーズに口を出した

なるほど そういうこだわりが やっぱりユノだと思った

自分でこうした方がいいとわかれば
真剣なまなざしで
カメラマンやスタイリストたちと話をした

そんな打ち合わせをするユノが
溜息が出るほどカッコよくて・・・





『ミノ そこで 
新婦のおでこにキスするシーンを撮らせてくれ』

”えっ・・・僕が? おでこにキスするんですか?”

『お前以外に誰がいる?』

”はぁ・・・でも僕 俳優じゃないしモデルでもないし
相手の方に申し訳なくて”

”私なら大丈夫です お仕事ですから・・・
それに おでこですし”

モデルの女性がにっこりと笑う

”本当ですか? では よろしくお願いします”

ミノが緊張している

僕はミノがリラックスして撮影に望めるよう
できるだけ明るい話を探した

ミノが結婚するとしたら
本当にこんな感じが似合うだろうな

勿論 ここで式を挙げてほしい





指環の交換を始め モデルさんと絡むシーンは
ミノの手が震えたりして 何度かやり直しもあったけれど
お目目くりくりの可愛い顔をしているミノは
立っているだけで絵になった

「ミノ 凄くカッコ良かったよ
きっといいパンフになる」

”ありがとうございます 
あー緊張したー”

『ミノ よく頑張ったな
急な頼みを引き受けてくれて感謝してる
お疲れ』

ミノの肩をポンと叩き

『また 撮影があったら頼むよ』

ユノも気に入ったようだ

無事に撮影が終わったことに安堵し
僕も広報担当者と一緒に
関係者たちにねぎらいの言葉をかけた

今夜はビールが美味しく飲めそうだと嬉しそうに言うミノも
ユノに何度もお礼を言い
自分の持ち場に帰って行った





バタバタと慌ただしい撮影も何とか終わり
気づけば チャペルには
僕とユノ ・・・





「お疲れ様でした 
出来上がりが楽しみですね」

『おう 絶対に綺麗な写真が撮れてるはずだ
ミノには これからもホテルのモデルとして協力してもらおう
モデルに頼むよりずっといい
イメージに合っている』

「そうですね 自前のモデルなら 
外の事務所に話を通す必要もないですしね
ミノなら とても素敵な写真がいっぱい撮れそうです」

『結婚式を前にして
緊張してる初々しい感じが撮れて良かったよ
本当に助かった
特別手当も考えないとな』

「そうですね
スカウトされちゃうかも」

『それに・・・
チャンミナをパンフで人前に晒すことにならなくて良かった』

「ユノ? 大げさ過ぎですよ」

『そうか? いやいやホントのことだ』

「もう・・・」





僕たちは色々な話をしながら
外の景色を眺めた

ドレスを着た幸せそうな女性と
緊張しながらも女性をエスコートする男性

主役の2人が織りなす幸せな世界は
きっと そばにいる人間までも幸せにするんだろうな





撮影とはいえ
初めて式の真似事のようなものを見た僕は
密かに感動していた

『チャンミナ・・・』

ユノに呼ばれて 海が見えるチャペルの祭壇へ進む

「ユノ・・・」

『俺たちも 指環 作るか?』

「え・・・ぺ・・・ペアの?」

『当たり前だ
バラバラの指輪にしてどうする』

ですよねー?





不思議そうな僕の顔を見て
ユノは何故か嬉しそう

僕の左手を取り
薬指の根元に唇をつけた





『チャンミナ・・・愛してるよ』

「ユノ・・・」





北海道にしては暖かい
うららかな日差しが差し込むチャペルで
僕たちは ゆっくりと唇を重ね合わせた

僕も ユノを愛してる・・・





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