癒しの T-Garden 赤い海の旅人

HOTEL T の秘め事 69階

Hotel T 61〜





チョン様との突然の再会に胸を躍らせた僕は
仕事終了まで ずっと
顔面管理が上手くできなかった

”チャンミンさん
何かいいことでもあったの?”

なんて聞かれたりして・・・

「はい」なんて答える単純な僕





定時で仕事を終えると
光の速さで着替えて約束の裏口に回る

本当に車なんて
用意されているのだろうかという
少しばかりの疑問は
すぐさま吹き飛ばされた

なんと裏口にチョン様本人が立っていたのだ

車のドアに凭れて佇む姿さえ美しいと思う

本当に あなたは罪な人だ





ああ このまま走り出したい

思い切り抱きついて そのままキスしたい



だけど・・・



僕は ぐっと堪えて
何食わぬ顔でチョン様に近づいた

「お待たせいたしました」

『ちょうど今来たところだよ 乗って?』

「はい・・・お邪魔します」

運転手はいない

見覚えのある黒い高級車

まさか これに乗ってきたの?

東京で乗った車と一緒だ

僕は覚えていた

チョン様の車のナンバーが
“0206“ だったことを・・・

しかも品川ナンバーだ

フェリーで来たのだろうか?

たかだか数日の北海道への出張に
いや旅行かもしれないけれど
車まで持って来るのか
不思議に思って立ち止まっていると

『どうした?』

「あ いえ これ 
チョン様の車ですよね?」

『そうだよ 覚えていたのか?』

「はい」

『早く行こう』

僕が何を思ったのか
きっとチョン様だって気づいているはず

でも チョン様が何も言わなかったから
僕もそれ以上は聞かなかった





今宵 2人でディナーなんだから
そのことだけを考えよう

チョン様が どういう意図で僕の前に現れたのか
わからないけれど
食事に誘われたということは その後
いつものように僕は ”仕事” をするのだろう

あなたに抱かれるという特殊な仕事を・・・





ホテルの外のレストランに行くものだとばかり思っていた

独身寮とホテルの往復だけだからと
かなりラフな格好の自分に
少し不安もあったけれど

チョン様が僕を降ろしたのは
昼間 イトゥク社長に呼ばれたあのコテージだった
既に冬の装いの北海道は夕方5時なんて 
もう真夜中みたいに暗い

外観もよくわからないけれど
案内された場所は確かに昼間と同じ場所だった

車寄せになっている広いアプローチの奥

重厚なドアを開けると
磨かれた大理石でできた
僕の部屋よりも広そうな玄関内部

『どうぞ』

「お邪魔します」

昼間 通されたリビング
その奥にはダイニングルームがあった

良く見るとキッチンまでついていて
ここは いわゆるコンドミニアムなの?

ホテルのサイトに載っているものと
少し違うような気がした

まるで別荘のように
ここで暮らせるじゃないか・・・

全貌が見えず
その広さも間取りもわからない

ただ かなり広いということだけは
誰が見てもわかるような
セレブ感が満載のコテージの内部だった





ダイニングテーブルには
2人用の食器がセッティングされていた

羽織っていたコートを脱ぎ
さっと手を洗ったチョン様は
キッチンの鍋を火にかける

『温かいものを用意した
少しあったまろう』

「あの・・・これ チョン様が?」

『全部お手製だよ』

「わぁ 凄い!」

『ハハハ
そんなに目をキラキラさせて喜ばれたら 
嘘なんてつけないな・・・
俺は料理はできないよ』

照れくさそうに少し下を向いて
頭に手を当てるチョン様

その仕草も カッコいい・・・

「ああ 良かった」

『なんでだ?』

「チョン様は非の打ちどころもないのに
その上料理までこなすと思ったら
僕が何をどう逆立ちしても敵うはずないな・・・って思いました」

『そんなに褒められたら調子に乗るぞ』

「乗ってください 
たくさんたくさん調子に乗って・・・
僕に カッコいいチョン様を たくさん見せてください」

『チャンミン・・・』

どんなあなたも覚えておきたいという気持ちに 
今も変わりはない

僕の気持ちは少しも変わっていないんだ





押し黙ったチョン様と僕

何か言いたそうだけど 言いにくそうなチョン様

「あ お鍋」

ぐつぐつと煮えたぎった音に気づいて 
僕は慌ててキッチンの火を止めた

『ああ 悪い・・・』

「良かった~ 噴いてしまうそうでした」

『慣れないことは するもんじゃないな・・・ははは』

「僕がしますよ
この料理はルームサービスではなくて
チョン様が どなたかに頼んで用意してもらったものでしょう?
美味しくいただきましょう」

せっかく僕のために用意してくれたディナー

残さず食べなきゃ勿体ないじゃないか

「ああ あったかくて美味しそう!」

『ん・・・いい匂いだな』

「クラムチャウダーですね
食べたかったんです 嬉しいな」

お鍋の中で かなり熱くなったスープを
そばに置いてあったスプーンで 一口掬い味見をする

「んんー美味しい 
チョン様 どうですか?」

僕は 自分が口をつけたスプーンだということも気にせず
クラムチャウダーをスプーンに掬って
チョン様の口に差し出した

2人でキッチンに立ったまま
いわゆるつまみ食いってやつだ

『ん アチッ 熱いよっ』

「大丈夫ですか? ふーふー
これなら平気でしょう?」

『ん・・・美味い これ美味いな』

唇に残った白いスープを
舌でペロッと舐めるチョン様の仕草に 
僕の胸は また高鳴る

僕を散々愛撫した その唇が今は恨めしい

今夜は 一体どうなるの?





     

【XV】のDVDがもう届いた方も
いらっしゃるようですね♪
楽しみですね❤️
お話にたくさんの拍手をありがとうございます🙇‍♀️



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