癒しの T-Garden 赤い海の旅人

HOTEL T の秘め事 47階

HOTEL T 31





『朝飯 食ってないのか?』

「はい・・・まだです」

『食べたいものはあるか?』

「ONION のパンです・・・」

『じゃあ それを食べてまずは腹ごしらえだな』

「・・・ありがとうございます」







チョン様の運転する車は
僕が行きたかった複合ビルの駐車場に
静かに入り込んだ

まるで 僕の気持ちを全て 
読み取っていたみたいに・・・



『好きなのを買ってきて
俺にも一つ
それと飲み物はアメリカーノな?』

そう言って チョン様は僕にお札を1枚差し出した

「・・・」

『言ったろ? 今日はデートだ
俺が全部払うから』

「・・・ありがとうございます」

今日は チョン様の言う通りにしよう

この場面では すんなりと言うことを聞いた方がいいよね

レジに並びながら 
これじゃあまるで 
チョン様が男で僕が女みたいじゃないかと
さっきから感じていた疑問を自分自身に投げかけた

でも 裸になると やっぱり僕が挿れられちゃうんだから
そういう図式になるのかな なんて考えていた



”お飲み物はいかがなさいますか?”

「最後の・・・」

”えっ?”

「あ・・・何でもないです
アメリカーノとオリジナルブレンドください」

いけない いけない

思っていることが口に出てしまうところだった・・・



チョン様の方をチラッと見ると
小さいテーブルに肘をついて 僕を凝視していた

あ・・・!

妙に恥ずかしくなる

そんなに僕のことを見ないでよ







「お待たせしました」

『美味そうだな』

「はい ここのパンは どれもオシャレなんですよ」

『チャンミンの次に美味そうだ』

かぁーっ! 

本当に外でそんなこと言うの止めてほしい・・・

「チョン様・・・そういうこと言わないでください」

『はっ? 何でだ? 
本当のことを言っただけだ
俺にとっては 
チャンミンが世界一美味しいと本気で思っているんだから
何か おかしいか?』

「はい オカシイです・・・」

『どこが?』

「だって これはパンで・・・僕は人間で・・・」

『そうか? パンと一緒にされるのが嫌なのか?
可愛いな~ いや マジでチャンミンは世界一可愛いよ』

傍にいた別の客が チラリと僕たちに視線を向ける

ああ きっと デキテルと思われたなぁ・・・

下を向いて赤くなった僕を 
チョン様は嬉しそうに眺めてパンを頬張る

『チャンミンを見ながら食べるなんて 朝から幸せだ』

「あ・・・ついてますよ」

『お サンキュー 奥さんみたいだ』

ぐぅ~っ!

本当に止めてほしい・・・



僕は ついついクセで 
チョン様がこぼしたものを拾ったり
口の脇についた粉砂糖を指で取ってしまったりした

チョン様は嬉しそうに
僕の指についた粉砂糖を見て
パクリと咥えた

「あの・・・ここ 外なんで・・・
部屋の中じゃないんで こういうのは・・・」

ペロッと舐めて 

『ん・・・ごめんな』

「・・・」

『さっき レジのお姉さんがチャンミンのこと 
目をハートにして見てたからさ
釘を刺しておかないとって思ってね』

「見ているとしたら チョン様のことだと思いますけど」

『まぁどっちでもいい
コイツは俺のモンだって アピールだけはしておかないと
何処でチャンミンに変な虫がつくか わからないからな』

チョン様の不思議な理屈に 
パンの味がわからなくなって
僕はただ恥ずかしいだけの朝食を終えた







『ご馳走さま 美味しかったよ』

”あ ありがとうございます
また お越しくださいませ 是非!”

レジのお姉さんに にっこりと微笑みかけて
片手をあげて 店を出るチョン様



ああ まただ 

あなたはそうやってどんどん堕としていくんだ



車に戻る途中 
僕の腰に手を回すチョン様に一瞬身体を固くした僕

お店の店員さんにまで嫉妬する僕は 
やっぱりチョン様のことが好きなんだ

今日は チョン様が満足するように甘えてみようかな

その方が喜びそうだし・・・

最初で最後のデートなんだから・・・



腰を抱く手に力が入っても 
僕は手を払いのけずに 
腰からじんじん伝わってくるチョン様の手の熱さに 
人知れず酔いしれた

この手が 後で僕を天国に連れて行ってくれるんだ・・・







車まで 無言だった

『ん? どうした?』

「え・・・?」

『なんか 大人しいな・・・』

「・・・」

ふと 見つめあってしまった



『そんな目で 見るな』

「・・・」

『すぐに抱きたくなるじゃないか・・・』

「・・・」



実は 僕はもう すっかりその気で・・・

チョン様のアーモンドアイから視線を逸らさずに
そっと首の近くに顔を寄せた



『チャンミン・・・』

「あっ・・・」

あっという間に 僕は車に乗せられ
チョン様の黒いセダンは 
かなりスピードを上げて駐車場から出て行った







🥐 🥯 🍞 🥖 🥨 🥐 🥯 🍞 🥖 🥨

ファンクラブの会報が昨日届きました😍
いつも遅い方なんですけど何故か今回は早かったです😘
行き来ができない今だから韓国での撮影ですが
Bigeast のための撮り下ろしだと思うと
嬉しかったです🥰
いつもの2人と変わりなかったから😭
ネタバレはしませんよ🤐



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