癒しの T-Garden 赤い海の旅人

くせ 33

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”あら~ ユンホ君?
少し見ないうちに こんなに背が伸びて”

施設の馴染みの先生方は
皆 声を揃えてユノの成長に目を見張った

”チャンミンさんに どんどん追いついてきますね”

「そうなんです
気づいたらもう僕の肩より上まで身長が伸びていて
そのうち抜かされそうです」

『春の健康診断では170cmだったんだよ
でも もうそろそろ1年経つからね
新学期の健康診断では175は超えてるかもね』

”あら そんなに?
ここに居た小さい頃が夢のようですね”

『チャンミン186cmって言ってたよな?
俺 絶対に抜かすから』

「僕を抜かして 頼もしくなってくれよ」

『任せとけって
俺 強い男になって チャンミンを守るって決めてるんだ』

”そうね ユンホ君をこれまでずっと守ってくれたチャンミンさんに
恩返ししなくちゃね”





先生方は特に気にも止めず
ユノの言った言葉の意味を
親孝行の息子の言葉として受け止めているようだった

でも 僕は
ユノの言う ”守る” の意味が
少しだけ違う意味も含んでいるような気がして
怖かった

今はまだ 中学生だから
そんなに恐れることもないだろうけれど
高校生になり大学生になったとき
どうなるのだろうかという一抹の心配も
頭をよぎった

高校生になって
新しい彼女でもできてくれれば言うことはないのだけど・・・





ユノと僕が 大きなバッグとリュックに
ぎゅうぎゅうに詰め込んだ衣類や学習道具などを
取り出して 職員室で広げると
先生方は とても喜んでくれた

”こんなにいただいちゃっていいのかしら?”

「ご迷惑でなければ 是非
子供たちに着せてあげてほしいです
あ ちゃんと洗濯もしてありますので
このままでも着られます」

”洗濯だなんて・・・そんな意味で言ったんじゃないんですよ
チャンミンさんのお人柄は ここの人間は全員
よーく存じ上げておりますから
チャンミンさんへの信頼はとても厚いんです
ですから いただきものも喜んで使わせていただきます”

『俺 どんどん着られない服が増えちゃってさ
せっかくチャンミンが買ってくれたものなのに勿体ないけどさ
俺も ここに居た時は 先生が用意してくれたものを着てたんでしょ?
だから 俺の服を先生からみんなへあげてよ』

”そうね そうしましょう”

『良かった これでも綺麗なのばかり持ってきたんだよ
チャンミンはさ 料理だけじゃなくて洗濯も上手なんだよ』

「ユノ そんなこと言わなくても
僕 恥ずかしいじゃないか」

”もう ユンホ君はチャンミンさんのことが大好きなんですねぇ
チャンミンさんと一緒に暮らせて本当に良かったですね”

『うん 先生ありがとう』

”何がですか?”

『僕をチャンミンに出逢わせてくれて』

”チャンミンさんがとても お優しいから叶ったんですよ
ここにボランティアでピアノを弾きに来てくれていましたからね
ユンホ君は最初からチャンミンさんにとても懐いてましたしね”

「優しいとか やめてくださいよ」

”いうなれば ユンホ君とチャンミンさんは
出逢うべくして出逢った
運命共同体みたいなものですね”

「運命共同体・・・」

『そっか 運命だね』

”そうですね 2人は一緒に暮らす運命だったとしか思えませんね”





運命という重みのある言葉を
僕は頭の中で何度も反芻した

僕とユノが出逢うことが運命だとしたら
一緒に暮らすことも運命だったのか?!

願わくば 
ずっと一緒に暮らせることも運命だと嬉しいな・・・

ああ 僕は運命という言葉に痺れている

ユノには 女性と家庭を持ってほしいと
頭では願っていながら
その実 心の奥底では
いつまでも2人でいられたらいいのにという
最近 富に強く思う 口に出せない想いを
認めざるを得なかった





”わー チャンミン
クッキーある?”

職員室の静寂を破ったのは
朝 熱があって幼稚園を休んだ男の子だった

「ありますよ あとで先生からもらってね」

”今 食べたい”

『こらっ あげるって言われたらありがとうって言うんだぞ?』

”・・・”

いきなりユノに言われて
シュンとしてしまった男の子

「ユノ 大丈夫だよ
じゃあ 先生からもらったら 
先生にありがとうって言おうね」

”うん”

”すみませんねぇ”

先生は その子に
“おやつはチャンミンのクッキーを食べられるから
熱がある子はお部屋で寝てましょうね“ と言って
その子を部屋へ連れて行った

ユノは 2人の背中を
じっと見つめていた





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