癒しの T-Garden 赤い海の旅人

CHICKEN HEART 34

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『ちょっと ぶらぶら歩こうか?』

「そうですね」



ユンホさんの顔がまともに見れない


映画館のトイレを出て どうしていいかわからないときに
ユンホさんが声をかけてくれた


『まだ 時間は大丈夫?』

「はい 僕は一人暮らしですし
お弁当屋さんも終わったので 予定もないです
だから 大丈夫です」

『良かった
俺も一人暮らしだから・・・』


出口から出ようとしたとき
僕はいつも お尻のポケットに突っ込んでいるスマホがないことに気づいた


「あ・・・あれ? どこ行ったんだろ?」

『ん?どうした?』

「あ いえ スマホが」

『ないの?』

「はい・・・」

『トイレかな?』


まさか 落としてしまった?


いやさすがにわかるはずだ


もしかして 客席に置いてきちゃったかな?
そう言えば トイレでは触っていない


「あ ユンホさん ちょっと待っててください
多分 席に忘れて来たと思うんで」

『じゃあ 鳴らしてみるよ
今なら 客の入れ替え時間だから 
その方がわかりやすいかも』

「ありがとうございます」


一緒に さっきまで座っていた場所をめがけて歩き出した


『今 かけてるから
暗い部屋でも 光るから見つけやすいと思うよ』

「ありがとうございます」





スクリーンのある部屋の前は
清掃の係員さんが 忙しそうに出入りしていたので
若い男性のスタッフに声をかけた


「すみません
さっき映画を観たんですけど スマホを席に忘れて来たかもしれなくて
中で探してもいいでしょうか?」


男性スタッフは 中にいるスタッフに声をかけて
スマホを探すように言ってくれた


”ここで ちょっとお待ちください”


すると 1分もしないうちに 
中から 若い女性スタッフが 
忘れ物と思われる荷物をいくつも持って出て来た


なんか手に持ってる


”あ こちらでしょうか?”


「はい あ・・・」


若い女性スタッフが 手のひらに乗せて
僕に差し出したのは
確かに 僕のスマホだった





ユンホさんが かけてくれていたおかげで
見事に着信中


映画鑑賞ということで 音こそ消していたものの
目の前の僕のスマホには
堂々と
”愛しのユンホさん” の文字が・・・


『良かったな あ・・・』


どうしよう・・・


ユンホさんに 見られた


心なしか スタッフの女性も
見てはいけないものを見てしまったような
何となく バツが悪いといった雰囲気になっていた


スタッフの手の平の上で燦然と輝く ”愛しのユンホさん”


僕は 顔から火が噴き出そうになり
慌てて 画面をタップして 着信を切った


ホッとしたのも束の間で


着信はなくなったものの
待ち受け画面には
僕のプレゼントしたいちごのブラマンジェを持ち
嬉しそうに笑っている
”愛しのユンホさん” が現れた・・・


あ・・・


僕は・・・


もう・・・


おしまいだ・・・





「あ ありがとうございました」


スタッフにお礼を言い
顔も見ずに スマホをひったくるようにして受け取り
出口に向かって走り出した


どうしよう 


ユンホさんに見られてしまった


『チャンミン 待って』


後ろから 追いかけてくるユンホさんの声


僕は どういう顔で振り向けばいいの?


どんな顔で 話せばいいの?


言い訳は どうしよう・・・





今まで生きてきた20数年間
ここまで 恥ずかしい思いをしたことはただの一度もなかった


間違いなく 
今 この瞬間が 
僕の人生で一番恥ずかしい時だ


『チャンミン 待てよ』


ユンホさんにすぐに追いつかれ
腕を掴まれた


『さっさと 1人で行くなよ
今日はデートだろ?
俺を置いて行くなよ』

「・・・」


僕は 掴まれた手首でさえ 熱を持っているようで
熱くて堪らない


きっと ユンホさんに呆れられる・・・





僕は このままでいいと思っていた
告白もしないつもりだった


たまに逢えるなら それでいいと思っていたのに・・・


告白もしてないのにフラれるなんて
僕は 何て不運な男なんだろう・・・?


掴まれた手首を見て 僕は項垂れた





『チャンミン どうして走り出すの?
俺 嬉しかったよ?』

「えっ?」


思わず顔を上げた僕の目に
優しいユンホさんの笑顔が映った





💓 💓 💓 💓 💓

お話の世界は平和でございます😝
心穏やかに保ちたいと願います😌
あの件に関してはまた後日・・・



いつも応援ありがとうございます♪
コメ返また滞り気味ですみません💦



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