癒しの T-Garden 赤い海の旅人

紫色の誘惑 28

紫色の誘惑8





また 紫色のカクテル・・・?


4人で楽しく話しているところに
現れた ユノさん


『ミノさん チャンミンさん
良かったら これ飲んでみてください』


ユノさんは 相変わらず爽やかに微笑んで
4種類の 全く違うお酒を運んできた


アッコさんとか 
他にも お店の人はたくさんいるのに
どうして わざわざユノさんが?
店内には 従業員は何人もいた


”わぁ いいんですか?
いつも 悪いなあ・・・
俺 あまりカクテルとか詳しくなくて”


ミノが ハイテンションになる


『いいんですよ
こんな綺麗な女性をお2人も連れてきてくださって
お店も華やぎますから
ほんの 気持ちです』


すると 今日はやけに饒舌なサリーが言う

 
”これは ユノさんがお作りになったんですか?”


『はい 新しいカクテルを考案するのが
今の私のもっぱらの楽しみなんですよ』


メグちゃんまで


”ユノさんみたいな素敵な方が直々に作ってくださったお酒なら
きっと 美味しいですね
私たち みんなお酒が大好きなんです”


『それは 良かった
是非 また皆さんでいらしていただきたいので
今日は えっと・・・
サリーさんと メグさんでしたよね?
お2人のイメージで作ってみたんです
甘いのは お嫌いですか?』


”いいえ 私は 大好きです”


メグちゃんは あまいフルーツ系のお酒が好きなんだ


”ユノさん ちょっとここに座ってくださいよ
少しなら 大丈夫でしょう? どうぞ”


お調子者のミノが余計なことを言う


『では 少しだけ・・・』


え?


座るの?


さりげなく 俺の隣りに腰を下ろしたユノさんの
肩が 触れる
俺の表情が 強張っていることが
皆にバレてしまわないか 急に不安になる


『サリーさんは 甘くない方が良かったかな?”


俺の右隣りに座ったユノさんが
俺の左隣りの サリーに話しかける


俺の目の前で 
顔を 覗き込むようにして・・・


勘弁してほしい


一気に身体が熱くなる


”本当は 甘くない方が好きです
でも 今日はユノさんが作ってくださった記念のお酒ですから
美味しくいただきますね”


サリーまで にっこにこだよ
メグちゃんのカクテルは ほんのり黄色


サリーのは グリーン系


ミノは この間と同じくピンク色


そして 俺のは 紫・・・


”お酒の説明をしてくれませんか?”


ミノの言葉に頷いて
ユノさんが 説明を始める


俺は 全く耳に入らない


”どうして 俺のはいつもピンクなんですか?”


『ミノさんは 初めていらした時から 
男性にしては可愛らしいというか 
あ 気を悪くなさったらすみません
イメージが ピンクなんですよ』


”やっぱりぃ?
私もそう思うんですよ~”


メグちゃんも上機嫌


”そうかなあ?
俺 そんな可愛いイメージ?
結構身体も鍛えてるから ムキムキしてるんだけどな
なぁ? メグ”


その生々しい会話 やめろよ


『それはそれは失礼しました
脱いだら凄いんですってタイプなんですね』


”結構 自信あるんです”


『羨ましいな 
じゃあ今度は 違うイメージで作りますね』


”我儘言ってすみません
ユノさんに作ってもらえるのが嬉しくて
あ じゃあ チャンミンの紫はやっぱりイメージですか?”


『あ・・・チャンミンさんは 何処か影があって
掴みどころがないというか
あくまでも 第一印象ですけれど
何か怪しげで高貴な感じがしますね
それで 紫かなあと』


”紫 俺も チャンミンに似合ってると思います”


「そうかなあ?」


”愛想ないなあ
ユノさん いつもはこんなに無愛想じゃないんですよ”


”チャンミン どうしたの?”


サリーにまで 心配される


「いや  別に なんでもないよ」


そう言って 顔を上げれば


『すみません
お客様のことを よく知りもしないのに
勝手なイメージ 作り上げてしまって』


また恥ずかしそうに頭に手をやるユノさん
だから その表情がダメなんだって・・・


その瞬間 ギューっと胸が締め付けられるような感覚


”チャンミンは 少し 人見知りなところがあるんです”


サリーが 助け舟を出す


『そうなのかな?って思っってました
すみません ずうずうしくお邪魔しちゃって
どうぞ ごゆっくり!』


”あの・・・”


立ち上がったユノさんに サリーが話しかける


”イメージが変わったら また 違う色のカクテル
作ってくださいますか?”


『勿論ですよ
いつもお酒のことを考えていますから
すぐに 新作をお作りします』


”ユノさんは お酒が恋人?
あ そんなわけ ないですよね?
女性が放っておくわけ ないですよね
きっと 素敵な彼女がいらっしゃるんでしょうね”


『どうでしょうか?』


恋人の存在を誤魔化すように
曖昧な返事をして 
サリーの問いには答えなかった


『チャンミンさんとサリーさんはお似合いです』


俺とサリーを交互に見て
わけわからないことを言って
ユノさんは カウンターに戻って行った





”お前さ ユノさんのこと気に入らないの?
ユノさんが来ると いつもむすっとしてさ
笑わないなんて いくら気に入らなくても失礼だろ?”


ミノの言葉に まともに答える気になれず


「ごめん 少し フラフラするから 
先に帰るよ
みんな ゆっくりして行って」


”またか・・・”


サリーにも 大丈夫だからと声をかけ
俺は 席を立ち
一足先に店を後にした





俺は どうしたらいい?


歩きながら思い出したのは
隣りに座ったユノさんの
ブルーのシャツから ほんのり漂った煙草の匂い


あれが ユノさんの匂い・・・
なかなか治まらない胸の動悸に気づかないフリをして
駅への道を急いだ


随分と 風が生温かい夜だった







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