癒しの T-Garden 赤い海の旅人

CHICKEN HEART 23

Chicken Heart タイトル画





僕は泣いた


声を上げて 泣いた


誰もいない店内で 一人


自分の部屋にいるみたいに 何も気にせず泣いた





「ユンホさん・・・もう・・・ユンホさんに逢えなくなっちゃうよ」


一人呟いて 連絡先を聞かなかったことを悔やんだ


でもなぁ 聞いたところで僕とユンホさんの関係が
ただの知り合い以上の何になるわけでもないし・・・


この辺りに住んでいるって言っていたから
偶然会うなんてこともあるかもしれないし
その時に自信を持って
「僕は料理人目指して頑張ってます!」って言えるようにしないと・・・


そろそろオーナーに挨拶に行かないと
そう思って顔を上げた時
お店のドアが勢いよく開いた





『あー良かった 
チャンミンがまだいてくれて!』


息を切らして 駆け込んできたのは
僕の愛するユンホさん


「ユンホさん・・・」

『チャンミン どうしたんだ?
まさか 泣いてたのか?』


僕が見ているのは幻なのか?
僕を心配してくれているあなたはユンホさんだよね・・・


「いえ・・・」

『こんなに泣き腫らして
どうしたんだ?』

「ユンホさん 逢えて良かった」


僕は ユンホさんに抱きついた


『ちょっ チャンミン?』

「もう 逢えないかと思って・・・」

『まさか それで泣いてたの?』

「えっ? あ・・・」


バレちゃった・・・
僕が 勝手にユンホさんを想って泣いていたのが
バレてしまった・・・


恥ずかしくて堪らない
僕は 勇気がなくて 言えなかったから・・・


でも ずっと好きだったんだ


『チャンミン 顔 見せて?』

「・・・」

『あのさ 抱きついてくれるの 俺 凄く嬉しいんだけど
チャンミンの顔 見たいんだけど』


僕は 恐る恐る顔を上げた


「ユンホさん ごめんなさい
僕 ユンホさんの事 考えたら
自然に涙が溢れてきちゃって
さっき サヨナラしたばかりなのに もう逢いたくて」

『ごめん チャンミン 俺 頭がついていかない・・・』


そうだよね 
いきなり僕みたいな男に抱きつかれるわ
逢いたいと言われるわ
頭が混乱して当然だよね・・・


「ごめんなさい・・・
僕 ユンホさんに感謝してるのに
迷惑かけてしまって・・・」

『違うよ チャンミン
違うんだよ・・・』

「・・・?」

『あのさ 俺 実は とっても小心者で
自分から 言ったことないんだけど・・・』


ユンホさんは 僕の目を真っ直ぐに見据えて
少し恥ずかしそうに言った


『何で 戻ってきたと思う?』

「・・・?」

『俺もさ チャンミンに逢いたくなったんだ』

「・・・」

『それも 凄く凄~く逢いたくなって・・・』

「・・・」

『だから 戻って来たんだよ』


ユンホさんの頬が 赤く染まっていた


僕は今 夢を見ているのだろうか?







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