黒い瞳が邪魔をする 第四幕 24話
C side
”久しぶりだなー
チャンミンだ チャンミンだ チャンミンだ”
ガシガシと俺を揺さぶり ハグしてくるキュヒョン
「キュヒョナ〜 久しぶり」
”お前 痩せたんじゃない?”
「そうかな・・・?」
”カリフォルニアの明るいキャンパスライフ 送ってないのかよ?
暗い顔しちゃって”
「そんなに暗い?」
”ああ めっちゃ暗い”
キュヒョンが予約してくれたお店は
キュヒョンの家と大学の間にある
学生たちに人気の居酒屋だった
とはいえ
僕たちはまだ20歳になったばかり
僕は まだお酒をそんなに美味しいとは思えなかったけれど
キュヒョンは大学のコンパとやらで
結構飲む機会があったらしく
意外と平気で飲んでいて驚いた
”焼酎は そんなに後に残らないからさ”
「楽しそうだな」
”ああ めっちゃ楽しい
結構大学に可愛いコが多くてさ”
「彼女の写真見せて」
”んー いきなり見せるのはちょっと癪だな~
まずは チャンミンの近況を包み隠さず
俺に話してくれたら かな?”
「何だよ 偉そうに」
”ただで見せるには勿体なさ過ぎてね
で? お前 つきあってるコいるって
この間言ってなかったっけ?”
キュヒョンとはカカオでたまに連絡を取っていた
「もう 別れた」
”えーっ?”
「そんなに驚くこと?
合わなきゃ別れるだろ?」
”その相手って 女だよな?”
「決まってるだろ
別に僕はゲイじゃないし・・・」
”ふ~ん”
「なんだよ だからもう話すことないの
写真 見せて」
”おーっと その手には乗れないな
まだまだですよ~ シム・チャンミンくん”
相変らず 探りを入れてくるのが上手い
キュヒョンの口車に乗せられて
僕はハヌルのことをざっと話して聞かせた
「まぁ そんなとこ
彼女には申し訳ないことをしたなぁって思ってるよ」
”寝たんだろ? そのコと”
「まあね 何度か・・・」
”お互い 童貞卒業ってとこだね”
「お前も?」
”もちのロンロンよ
ほれ 見る?”
キュヒョンがやっと見せてくれたのは
意外にもはっきりとした顔立ちの
気の強そうな女のコだった
「お前の趣味って こういうタイプだった?」
”大人しくて 俺の言うことをなんでも聞いてくれるコなんて
勝手に思っていた時期もあったけど
彼女 大学の先輩なんだ
お酒も強くて結構頼りになるんだ ハハハ”
「何だ?それ 今までと全く逆だし」
”チャンミン君 君もそのうちわかるようになるよ
人生は長いようで短いからね
色々なタイプの女とつき合ってみたらいいいよ”
「ぷっ!」
ますます偉そうに
知ったかぶりをするキュヒョンが可笑しくて
思わず噴き出した
”やっと笑った・・・”
「え・・・」
”チャンミン 笑っていたほうがいいよ
高校の頃は いつも笑ってたよ?
お前さ 顔がいいんだから
笑っていたら絶対にモテるって”
僕のことを気にかけてくれるキュヒョンが本当にありがたかった
「サンキュ・・・」
”その ハヌルってコよりも
もっと巨乳を探してさ
ふかふかなおっぱいに癒されてみろよ な?”
こそっと耳打ちしてくるけど
その声 結構大きいんだよ
近くのテーブルの人に聞こえやしないかと
ひやひやしたけれど
どの人も
自分たちが喋ることに夢中のようで
僕たちの声は 全くと言っていいほど聞こえてなさそうだった
”ユノヒョンもさ 就職 決まったらしいよ”
「そうみたいだね・・・」
”え? まさか 連絡取ってたりするの?”
「まさか」
”じゃあ 何で知ってるのさ”
「さっき ブラブラ歩いていて
偶然ユノヒョンのお母さんに会っちゃったんだ」
”マジか? そりゃあ 思い出しちゃうよな
てか 毎日ユノヒョンが忘れられなくて泣いてるんじゃないの?”
「なんで わかるの?」
”げほっ!”
今度はキュヒョンが噴き出した
「きったね 勘弁してくれよ」
”マジ? やっぱり ユノヒョンがいいの?”
「ユノヒョン以上の人なんて いないよ
後にも先にもね・・・
でも 僕はフラれたんだ
ユノヒョンも女のコのほうが良かったんだよ・・・結局」
”・・・”
「何だったんだろうな・・・
あの数年間は・・・」
”コレ 美味いぞ 食えよ”
キュヒョンが
甘辛く味付けされている蛸を皿に取り分けてくれた
”ドンへさんに聞いたらさ
ユノヒョン めちゃくちゃモテるって言ってた”
「・・・」
キュヒョンは なんだかんだ言っても
ドンへさんと連絡を取り合って仲良くしてるみたい
この先も ドンへさんからのユノヒョン情報を
キュヒョンから聞くことになるのかもしれないな・・・
知りたくないことまで・・・
”時間はかかるかもしれないけどさ
ユノヒョンのことは忘れろよ
チャンミンだって本当はモテるだろ?
俺 知ってるんだからな
高校のときも お前に惚れてる女子 結構いたもんな~”
「そうだよな 忘れなくちゃな・・・
よしっ! キュヒョンの彼女よりも巨乳で美人を探すよ」
”シム・チャンミン そう来なくっちゃ“
その後 僕たちは 2人で焼酎の瓶を何本も開けた
僕はヘロヘロになって実家に帰った
月の綺麗な夜だった
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