黒い瞳が邪魔をする 第二幕 26話
C side
憧れのユノヒョンとつき合うということになって
僕は毎日がバラ色だった
嬉しくて 嬉しくて・・・
”最近 ゴキゲンだね”
キュヒョナが揶揄う
「そう?」
とぼけて見せるけど
どうも漏れているらしい・・・
”なぁ・・・教えろよ
上手く行ったんだろ?”
「何が?」
”とぼけるなよ! わかってんだから”
「わかってるなら言わなくてもいいだろ?」
”確かなことが知りたいんだよ な?
教えてー チャンミナー”
「嫌だ 教えない」
”ケチ! 絶対 当ててやる!”
「言わないもん」
”言わないとか言うこと自体 怪しいもんな〜
俺の情報網をなめてもらっちゃ困るんだよ
シム・チャンミン君”
「人のことより自分のことを心配したら?」
何食わぬ顔で言ってみたつもりだったけど
噂好きのキュヒョナのこと
本当に わかっちゃうのかも・・・
なんて思って少し焦った
そのうち教えるから待っててよ
まだ ユノヒョンと話してないから・・・
僕だってキュヒョナには本当は言いたいんだから!
登校途中も 授業中も
家でご飯を食べているときも
お風呂に入っているときも
勿論 寝るときも
ユノヒョンのことを考えると
堪らなく嬉しくて
一人 にやけてしまう毎日
気持ちを確かめ合えたことで
僕の心は安定していた
けど・・・
人と言うのは
どんどん贅沢になる生き物で
思いが通じたら通じたで
もっと逢いたくなるんだと
ユノヒョンと両思いになって初めて知った
こんな気持ちは初めてで
恋をするって
こういうことをいうのかな?
受験勉強で大変なユノヒョンとは滅多に逢えなくて
毎晩のカカオが唯一の繋がり
つきあっているといっても
話す時間はおろか
姿を見る機会さえも少なくなっていた
3年生は 早朝勉強とか
授業が終わると放課後講習もあり
殆ど教室から出てこない
終われば塾に直行で
僕は寂しかった
文化祭の日
あんな風に熱いキスをしたのに
あれ以来 全くユノヒョンに触れていない
ユノヒョンの迷惑にならないようにと
わがままは言っちゃいけないって
我慢の日々だったけど
毎晩毎晩
ユノヒョンを思ってのベッドの上での行為に
せめて声が聞ければなあ なんて思っていた
そんな気持ちが手の指に乗り移ったのか
「逢いたいです・・・」って打つだけのつもりだったものを
謝って送信してしまった
しまった!!!
どうしよう?!
次の瞬間 速攻で電話が鳴る
『チャンミナ? 俺 ユノ
今 部屋?』
「はい ごめんなさい
今のカカオ見てかけてくれたんですよね
勉強中なのに本当にごめんなさい
切ります!」
『おいっ! ちょっと待って! 勝手に切るなよ』
「は・・・い」
しつこくすると嫌われるって女子が話してたし
自分の軽率な行動を反省していた
『チャンミナ? 気にするなよ
俺 嬉しかったよ』
「えっ? 本当ですか?」
『俺もチャンミナに逢いたいなあって
ずっと思ってたんだ・・・』
「・・・」
『どうした? まさか また泣いてるの?』
本当に泣きそうになっていた
「・・・嫌われちゃうかと思ってたから」
『バカだな・・・どうして そういう発想になるわけ?
好きな人が逢いたいって言ってくれてるのに
嫌いになるなんて
そんなこと あるわけないだろ?』
そう言うもの? そうだよね?
僕もユノヒョンに『逢いたい』って言われて
飛びあがるくらい嬉しいんだ
窓を開けてバンザーイって叫びたいくらいだ
「安心しました」
『俺もさ できることなら毎日逢いたいんだよ・・・』
「・・・」
『それだけは わかって?』
「ありがとうございます ユノヒョン・・・
僕 我慢するから・・・
電話 嬉しかったです
ありがとうございました」
『じゃ まだ塾だから・・・切るよ
チャンミナ 好きだよ』
「僕も! 僕もですっ!」
『僕も? 次 言って』
「僕も・・・好きです
ユノヒョン」
『サンキュ じゃあ またな』
ユノヒョンも僕に逢いたがってくれた
僕も受験が終わるまでは我慢しなくちゃ!
そのかわり
受験が終わったら
たくさんデートしてもらうんだ
たくさん逢って
たくさんキスをして
もっともっとユノヒョンを知るんだ
その晩 遅くに
ユノヒョンから送られてきたセルカ
自分の部屋で取ったと思われる写真は
にっこりと笑ってピースサインをしてる
僕は少し照れくさくなって
スマホのユノヒョンを眺めた
「おやすみなさい ユノヒョン・・・」
カメラレンズから目線がずれてる愛しい人
僕は液晶画面に そっとキスをした
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