癒しの T-Garden 赤い海の旅人

黒い瞳が邪魔をする 第二幕 26話

黒い瞳 第二幕





C side





憧れのユノヒョンとつき合うということになって
僕は毎日がバラ色だった


嬉しくて 嬉しくて・・・





”最近 ゴキゲンだね”


キュヒョナが揶揄う


「そう?」


とぼけて見せるけど
どうも漏れているらしい・・・


”なぁ・・・教えろよ
上手く行ったんだろ?”


「何が?」


”とぼけるなよ! わかってんだから”


「わかってるなら言わなくてもいいだろ?」


”確かなことが知りたいんだよ な?
教えてー チャンミナー”


「嫌だ 教えない」


”ケチ! 絶対 当ててやる!”


「言わないもん」


”言わないとか言うこと自体 怪しいもんな〜
俺の情報網をなめてもらっちゃ困るんだよ
シム・チャンミン君”


「人のことより自分のことを心配したら?」


何食わぬ顔で言ってみたつもりだったけど
噂好きのキュヒョナのこと
本当に わかっちゃうのかも・・・
なんて思って少し焦った


そのうち教えるから待っててよ


まだ ユノヒョンと話してないから・・・


僕だってキュヒョナには本当は言いたいんだから!





登校途中も 授業中も
家でご飯を食べているときも
お風呂に入っているときも
勿論 寝るときも


ユノヒョンのことを考えると
堪らなく嬉しくて
一人 にやけてしまう毎日


気持ちを確かめ合えたことで
僕の心は安定していた


けど・・・


人と言うのは
どんどん贅沢になる生き物で
思いが通じたら通じたで
もっと逢いたくなるんだと
ユノヒョンと両思いになって初めて知った


こんな気持ちは初めてで
恋をするって
こういうことをいうのかな?





受験勉強で大変なユノヒョンとは滅多に逢えなくて
毎晩のカカオが唯一の繋がり


つきあっているといっても
話す時間はおろか
姿を見る機会さえも少なくなっていた


3年生は 早朝勉強とか
授業が終わると放課後講習もあり
殆ど教室から出てこない


終われば塾に直行で
僕は寂しかった





文化祭の日 


あんな風に熱いキスをしたのに
あれ以来 全くユノヒョンに触れていない


ユノヒョンの迷惑にならないようにと
わがままは言っちゃいけないって
我慢の日々だったけど


毎晩毎晩
ユノヒョンを思ってのベッドの上での行為に
せめて声が聞ければなあ なんて思っていた


そんな気持ちが手の指に乗り移ったのか
「逢いたいです・・・」って打つだけのつもりだったものを
謝って送信してしまった


しまった!!! 


どうしよう?!


次の瞬間 速攻で電話が鳴る


『チャンミナ? 俺 ユノ
今 部屋?』


「はい ごめんなさい
今のカカオ見てかけてくれたんですよね
勉強中なのに本当にごめんなさい
切ります!」


『おいっ! ちょっと待って! 勝手に切るなよ』


「は・・・い」


しつこくすると嫌われるって女子が話してたし
自分の軽率な行動を反省していた


『チャンミナ? 気にするなよ
俺 嬉しかったよ』


「えっ? 本当ですか?」


『俺もチャンミナに逢いたいなあって
ずっと思ってたんだ・・・』


「・・・」


『どうした? まさか また泣いてるの?』


本当に泣きそうになっていた


「・・・嫌われちゃうかと思ってたから」


『バカだな・・・どうして そういう発想になるわけ?
好きな人が逢いたいって言ってくれてるのに
嫌いになるなんて
そんなこと あるわけないだろ?』


そう言うもの? そうだよね?


僕もユノヒョンに『逢いたい』って言われて
飛びあがるくらい嬉しいんだ


窓を開けてバンザーイって叫びたいくらいだ


「安心しました」


『俺もさ できることなら毎日逢いたいんだよ・・・』


「・・・」


『それだけは わかって?』


「ありがとうございます ユノヒョン・・・
僕 我慢するから・・・
電話 嬉しかったです
ありがとうございました」


『じゃ まだ塾だから・・・切るよ
チャンミナ 好きだよ』


「僕も! 僕もですっ!」


『僕も? 次 言って』


「僕も・・・好きです
ユノヒョン」


『サンキュ じゃあ またな』





ユノヒョンも僕に逢いたがってくれた


僕も受験が終わるまでは我慢しなくちゃ!


そのかわり
受験が終わったら
たくさんデートしてもらうんだ


たくさん逢って


たくさんキスをして


もっともっとユノヒョンを知るんだ





その晩 遅くに
ユノヒョンから送られてきたセルカ


自分の部屋で取ったと思われる写真は
にっこりと笑ってピースサインをしてる


僕は少し照れくさくなって
スマホのユノヒョンを眺めた


「おやすみなさい ユノヒョン・・・」


カメラレンズから目線がずれてる愛しい人


僕は液晶画面に そっとキスをした





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黒い瞳が邪魔をする 第二幕 25話

黒い瞳 第二幕





Y side





もう一度・・・とか


自分から強請った割には震えてる肩・・・





階段に腰かけたまま
片手で隣りに座るチャンミンの肩を抱き
もう片方の手を首筋に充てて口づけた


唇は熱を持ち
季節のせいなのか
ほんの少しの隙間もないほどに ぴたりとくっつく


少し唇を動かすと
「んっ・・・」 と君の声が漏れた


身体を引き寄せて
強く抱き寄せて
口づけを続けた


動けないくらいに
強く抱きしめて・・・





実は 俺も震えてる


少しだけど きっと君は気づかないね


だってチャンミナの方が もっと震えてるから





恐る恐る 唇を動かして
可愛いチャンミナの唇の感触を味わう


もう 窒息したって離せない


夢中で唇を合わせ続けた


これ以上 引き寄せられないのに
更に更に 力を込めてギューっと抱きしめる





『チャンミナ・・・っは・・・ん・・・好き』


「ぼ・・・くも・・・んっ・・・あん」


止められない


虫の声に交じって聞こえるのは
俺たちの初めてのキスの音





長いこと そうしていたような気がする


気づけば チャンミンの手が
俺の背中に回っていた


汗で汚れたTシャツを掴み
震えを逃がしてる・・・





このまま 2人で
どうかなってしまいたい


許されるのならば・・・


かろうじて残っていた先輩としての理性で
ゆっくりと離した唇を
チャンミンの鼻や頬に這わす


涙の跡を そっと唇で確かめ
おでこをくっつければ
君が笑う・・・





大きくて キラキラした
1点の濁りもない綺麗な瞳を
そのまま食べてしまいたいくらいだ


長い睫毛を唇で挟み
気持ちよさそうに閉じた瞼にも
形のいい涙袋にも唇を寄せた





くすぐったそうに はにかむチャンミナは
高校1年生の男のコとは思えないほど
透明な魅力で俺をノックアウトするんだ


『チャンミナ 俺たち これから一緒にいような?』


「はい ユノヒョンのこと もっと知りたいです」


『俺にも教えて? チャンミナのこと
たくさんたくさん教えて』


「僕は ユノヒョンが好きです・・・」


上目遣いで照れたように
でも はっきりと口にしてくれる


『知ってる・・・
てか さっき知った』


嬉しそうに下を向くチャンミナ


俺は更にその下から
照れてるチャンミナの顔を覗き込み
無理矢理 軽いキスをした





「んっ」


驚いて目を大きくした君は
まるでバンビみたいだった





☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

皆さま お元気でしょうか?
オミクロン㈱が猛威をふるっています
まだまだ生活に制約があるけれど
いつかマスクなしで動ける日を楽しみに
粛々と過ごしていきましょう♪

Hさん いつもありがとう
楽しく読ませていただいています♪

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黒い瞳が邪魔をする 第二幕 24話

黒い瞳 第二幕





C side





嬉しくて 嬉しくて・・・


涙が止まらなかった


僕は直立不動で突っ立ったまま・・・


信じられないんだ


こんな


夢みたいなことが


本当にあるんだ・・・





『チャンミナ・・・』


「ユノヒョン・・・僕・・・僕・・・嬉しくて・・・」


『チャンミナ・・・』


優しい笑顔を向けてくれる


「僕も好きです・・・
ユノヒョンが好きなんです」


『チャンミナ 俺も凄く嬉しいよ』


「まさか ユノヒョンが僕のことを好きだなんて
思いもしなくて・・・
僕はユノヒョンに会うたびにドキドキして
気がついたら ユノヒョンのことが・・・
好きになってました」


泣きながら話す僕を
ユノヒョンが優しく見守る


『泣き虫だな・・・もう 泣くな』


「僕が好きだなんて言ったら 
きっと 気持ち悪がられて 嫌がられて
もう 話なんてしてくれなくなるんじゃないか?って・・・
だから 言えなかったんです・・・」


『俺も同じだよ・・・
先輩なのに 好きだなんて言ったら
きっと もう話してもくれなくなるんじゃないかって 
ずっと悩んでた』


「じゃあ お互いに悩んでいたんですね」


『変だな・・・俺たち』


「そうですね」


顔を見合わせて笑う





暗くなった誰もいない境内で
僕たちは賽銭箱の置いてある階段に腰を下ろした


もう 7時近い・・・


蝉の声が鳴りを潜め
鈴虫のような違う虫の鳴き声が静かな境内に響く





今まで抱えていた葛藤や戸惑い
罪悪感や不安
悩んでいた重たい感情が
すーっと波が引くように綺麗になくなっていった





『俺たち 男同士だけどチャンミナはいいの?』


「ぼ 僕・・・ホモじゃありません・・・
あ でも・・・男同士ってホモって言うんですか?
女のコが嫌いなんじゃなくて・・・
ユノヒョンが女のコよりも好きなだけです!」


あー 言っちゃった


恥ずかしい


好きな人に自分の気持ちを伝えるって
勇気がいるし こんなにも恥ずかしい


でも 言わなきゃ・・・


言わなきゃ伝わらないって知ってるんだ





ユノヒョンは僕の恥ずかしさを
後悔させないような言葉をくれた


『俺も同じ 女のコとつきあってたこともあるし
キスも初めてじゃない・・・
でもチャンミナは今までつきあったどの女のコよりも好き・・・
ちょっと自分でも困惑してるんだ』


「ありがとうございます・・・」


『女のコを恋愛対象として見れない人のこと
ゲイっていうらしいんだけど
俺 ゲイではないと思うんだ・・・
でも 今はチャンミナしか考えられない・・・
こんなのオカシイのかな?』


「僕もです・・・
中学のとき 好きになったのは女のコだったし
男の友達とか そんな風に見たことないし・・・
多分・・・ユノヒョンだから・・・
なんだと思います
僕もオカシイですか?」


『うん 多分 俺たち2人揃ってオカシイんだよ
人には言えないけど好き合ってるんだからカップルだよな?
んー恋人って言うのかな?』


頭に手をやり 照れたように言うユノヒョン


そんな顔も魅力的





僕は正直なところ
”つきあう” と言うのが
どういうことなのか 
不確かなことしかわからない


それに男同士だから・・・ 


よく知らないんだ


でも ユノヒョンが好き!


ユノヒョンに触れたいし 触れてほしい


できるだけ一緒にいたいし


声だって 毎日 聞きたい


だから やっぱり・・・


そういう意味の “好き“ なんだって認める


明らかな恋愛感情だ


ユノヒョンが急に真面目な顔になって
俺を見つめる


『チャンミナ・・・
俺と つき合ってくれる?』


「はい・・・僕で良ければ・・・
あ でも 内緒です
人には言えないかも・・・ごめんなさい
それでもいいですか?」


『正直だな・・・いいよ
俺も同じだから』


感激でいっぱいの胸と
少しばかりのうしろめたさでチクっと痛む胸


そんな痛みなんて
僕は乗り越えてみせる


せっかくユノヒョンと両想いになれたんだから・・・





「あの・・・ユノヒョン?」


『ん? なに? チャンミナ』


ああ なんて素敵な笑顔


その笑顔は今は僕だけに向けてくれてるんだよね?


「お願いがあるんです」


『なに? 言ってみて?』


「・・・もう一度・・・
して ください・・・」


『ん?』


「ユノヒョンとキス・・・したいです・・・
ダメですか?」


ああ 僕は今 真っ赤だ


辺りが暗くなっていることが
どれだけ有り難いことか・・・





ユノヒョンは黙ったまま
僕の肩を抱いて


僕の唇を見ながら
ゆっくりと顔を近づけて来た


あと少しというところで
僕は目を閉じた


次の瞬間


ユノヒョンが


僕の唇を


塞いだ・・・





生暖かい夜風が
スーッと頬を掠めていった


文化祭の夜のことだった





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くせ 122

くせ111〜





「ん・・・」

『チャンミン・・・』

ん?

ユノの声が聞こえる・・・



僕は何処にいても寝ていても
ユノの声がわかるみたいだ

どんなに大勢の声に紛れても
ユノの声を聞きとる自信がある

小さい頃から ずっと見てきた

ユノだけを見てきた

必死だったけど
ユノが僕にくれた幸せ

一緒にいることが当たり前になった生活

今 僕の耳に届くのは
ユノの声だ・・・



『チャンミン 綺麗だね・・・』

「ん・・・」

『凄く 綺麗だ
チャンミンは心も綺麗だから
見た目もこんなに美しいんだね』

「・・・」

『机で寝ちゃうチャンミンなんて初めてだよ
ねぇ チャンミン 聞こえてる?』

「・・・」

『ふぅ・・・どうしよ
俺 チャンミンのこと 大好きみたいだ』

「ん・・・?」

なんか言ってる?

ユノが僕に何かを言ってる?

好きって言った・・・?

僕もユノが大好きだよ・・・



トントン

「ん?」

『チャンミン 起きて
ねぇ このまま寝ちゃうと風邪ひくよ』

「あ・・・ん・・・あれ?」

『大丈夫? 随分酔ってたけど』

「ユノ・・・僕 寝ちゃったんだ?
あ・・・ごめんごめん」

目を擦りながら顔を上げた

僕の隣りに座るユノが
心配そうな視線を向ける

『本当に大丈夫?
気持ち 悪くない?』

「うん 大丈夫
今 何時? えっ? もうこんな時間?」

時計を見ると 夜の11時を回っていた

「わっ ユノ ごめん
僕 ずっと寝てたんだ?」

『そうだよ 俺 チャンミンとのディナータイムを
楽しんでたのにさ
チャンミンてば 突然寝ちゃうんだもん』

「ごめん ほんとにごめん」

『いいんだよ・・・
チャンミン 俺の受験の事とかで
きっと疲れが溜まってたんだよ
いつも俺より早く起きてご飯作ったり色々してるんだもん
疲れるよ・・・』

「ワイン1本開けたくらいで こんなに酔いが回ることなんて
初めてかも・・・」

『たまには こんなこともあるんじゃない?』

「年かな・・・?」

『そんなことない 最近 あまり飲んでなかったからだよ
きっと・・・』

「そうだといいけど・・・」



僕はどちらかと言うと
お酒には強い方だ

ワインもボトル2本くらいは
平気でいけたはずなのに・・・

今は そんなに飲む機会がないからかもしれない

お酒は 飲む習慣が減ると
弱くなるんだな・・・



「ユノに つまらない思いさせちゃったね」

『全然大丈夫
心配はしたけど 
チャンミン気持ち良さそうに寝てたから
隣りで眺めてた』

「え・・・」

ユノに目の前で ずっと眺めてたなんて
真顔で言われて
僕は 急に恥ずかしくなった



『チャンミン 可愛い顔して寝てた・・・
あ 違うな
綺麗っていうか 美人っていうか・・・
寝顔も美しくて
ずっと 見てられるって思ったよ』

「もう ユノ
変なこと 言わないでよ」

『ほんとのことだもん・・・
それに 酔ったらユノにお世話してもらうって
言ってたけど?』

「え・・・?
そんなこと 言った?」

『うん 言った』

「覚えてない」

『だから 俺 世話しようと思ってさ
このまま寝てたら風邪ひくから
起こしてベッドで寝かそうとして
声をかけたんだけど』

「そうだったんだ・・・」

どうやら僕は本当に酔っていたようだ





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黒い瞳が邪魔をする 第二幕 23話

黒い瞳 第二幕





Y side





チャンミナ・・・?


立ち尽くしたまま
大きな目に涙をためて
俺を見ている





近づいて そっと手を伸ばすも


チャンミナは全く動かず
溢れる涙を拭おうともせず・・・


俺を見る切ない瞳


俺の手が君の可愛い頬に触れたとき
君が瞬きをした





零れ落ちる涙も茜色


なんで泣いてるの?


そんな無防備に目の前で泣かれたら
俺 キスしちゃいそうだよ?


俺 気持ちが
抑えられなくなりそうだよ・・・


『チャンミナ・・・?』


「あ ごめんなさい・・・」


お互い 視線は外さずに・・・


君の頬に触れた俺の左手


親指で流れ落ちる涙を拭う


「ユノヒョン・・・」


『チャンミナ・・・』


ダメだ


止まらない涙が俺を焦らせる





俺は咄嗟に
チャンミナの手を引いて
急いで歩き出した


黙って
手を引かれるままに着いてくる君


2人とも無言だった・・・





もどかしくて


早く どうにかしたくて


後夜祭の最中であることなど
すっかり忘れ
夢中で学校から飛び出した





帰り道の途中に
いつも人気のない神社があることを思い出し
とりあえず その神社に向かう


そこは 陽が落ちると
殆ど人気のない さびれた神社だ


2人とも無言のまま
神社の境内に入って行った


チャンミナは殆ど引きずられるように
だけど・・・





無名な割には
立派な錦鯉がたくさん泳ぐ小さな池を持つ


その池の横には大きな銀杏の木がある


俺は その木の下にチャンミンを引っ張って行った


学校からは ほんの数分だというのに
まるで全力疾走をしたかのように
はぁはぁ・・・と お互いが息を切らす


俺は チャンミンの手を握ったまま
チャンミンは 俺に手を握られたまま
しばらく 肩で息をしていた





「ユノヒョン」


『どうして泣いたの?』


まだ涙が伝った後を頬に残し
潤んだ瞳で見てくるなんて・・・


「なんでもない・・・です」


『何でもなくて 泣くの?』


チャンミンは困ったような顔をして
唇をぎゅーっと結んだ


そして 俺を見て また涙をこぼした





もう 堪らない


我慢できない


両手でチャンミンの頬を包む


「ユノヒョン 僕・・・汗かいてます
触ったら 汚いです」


『そんなの関係ない』


「っ・・・」


『どうして泣くの?』


「泣いてなんか・・・」


そう言いながら どんどん溢れる涙は
どう言い訳するつもり?





想いを告げるなら 今だと思った


今しかない


もう 限界だった





『チャンミナ・・・俺・・・・』


言葉をゆっくりと発しながら
少しずつ近づいていく顔と顔


本気で嫌なら抵抗するはずなのに
何かを諦めたように 
俺の目をじーっと見つめたままだ


濡れた美しい瞳に浮かぶ 
慈しむような優しさを
”同意” と受け止めてしまうのは
俺の自意識過剰なのか?





『俺・・・チャンミナのこと・・・』


「・・・」


瞬きもせずに 俺の目から視線を逸らさない君


『好きだ・・・』


言った瞬間
チャンミンの顔を見ることが 
無性に怖くなった


俺は目をぎゅっと瞑り
そのままの勢いで
チャンミナの唇に
自分の唇を重ねた・・・





チャンミナは動かない


声も発しない


びっくりして固まった?


少し顔を斜めにして
自分の唇とチャンミナの唇が
ぴったりと重なるように押し付けた


チャンミナの頬から流れ落ちる涙で
しょっぱい僕たちのファーストキス


心臓は破裂するんじゃないかというくらい波打ち


尋常じゃないほどの汗が身体中を伝う





ここが何処かも忘れそう


何の音も耳を通さない


気になるのはチャンミナ・・・君の動きだけ





唇を動かすこともなく
じっと口づけている間
一切の抵抗も見せないのは
君も同じ気持ちだと思ってもいいんだろ?





パチャン!


鯉が跳ねた音で我に返る


唇を離すと まだ目を閉じている 
少し上気した可愛い顔が目の前に・・・


チャンミンの両肩に手を置き


『ごめん』と言うと


ゆっくりと目を開けたチャンミナ


『ごめんな? 突然・・・』


「ほん・・・と・・・ですか・・・?」


『・・・?』


「僕のこと・・・好き・・・だって・・・ホントなんですか?」


『ああ 本当だよ』


瞬間 チャンミンの目からまた
瞬く間に涙が溢れだした





⛩. ⛩ ⛩ ⛩ ⛩ ⛩ ⛩ ⛩ ⛩ ⛩

遂にユノが告白♥️
神社という設定ですが
舞台はソウルです



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黒い瞳が邪魔をする 第二幕 22話

黒い瞳 第二幕





C side





良かった・・・


ユノヒョンに誤解されなくて・・・





僕のこと 心配してくれたんだよね


自分のハンカチを濡らして
僕の唇を拭いてくれて


『ほらっ これで元通り』だなんて
どういう意味?


女子に不意ににキスされたことを
僕が嫌がっていると思った?


ふふふ


嫌じゃないけどって
思ったことは内緒にするね





でも 僕が
本当にキスしたい相手は
さっきの女のコなんかじゃない


ユノヒョン・・・


あなたなんです・・・


好きだから・・・


到底 言えるはずもない間柄


僕を後輩として可愛がってくれてる先輩だって
わかってるけど
今までの行動やキュヒョンの言葉で
少しだけ期待しちゃってる僕がいる





ユノヒョンの綺麗な指が
僕の濡れた唇をスーッとなぞるから
ゾクっとしたし・・・


『やれやれ
放っておくと心配が増えるだけだな・・・
もう 帰ろう』


「・・・はい」


キュヒョン ごめん


先に帰るよって即効で知らせておく





学校から家に向かって
ユノヒョンと2人で歩く夕暮れの道


『ほらっ コレ やるよ
どっかのクラスで貰ったのが いくつかあるんだ』


「ありがとうございます」


僕の手の上にポンと置かれたそれは


ん? チョコレート・・・?


「あの・・・溶けてます」


元の形が全くわからないほど
ぐにゃりとした3個の包み


『帰って冷蔵庫に入れれば また固まるだろ?』


「はい そうですね そうします」


僕はポケットからティッシュを取り出して
そのチョコたちを大事に包んだ


『チャンミナって ホントきちんとしてるのな?
俺なんて そのままポケットに入れちゃう』


「ポケットの中が どろどろになっちゃいますよ~
それにユノヒョンから貰った大切なものだから
帰って冷やしてから 夜 一人で味わいます」


『そんなたいしたもんじゃないけどな
貰いもんだし』


「でも 嬉しいです」


『それ食べて さっきのことは忘れろよ?』


さっきのことって・・・?


女子が僕にキスしたこと?


それともユノヒョンが
僕の唇を拭いて指をあてたこと?


前者であってほしい・・・





横を歩くユノヒョンをチラッと見る


ちょっと嬉しそうにしてくれてる?


僕は凄く嬉しいよ


僕を心配してくれるだけじゃなくて
唇を拭いてくれて
一緒に帰ってくれて


チョコをくれて・・・


こうして 2人でいられる時間は特別な気がして
どんなに歩いても
家に着かなければいいのにって思う





少し 陽が傾いて
遠くの空をオレンジ色に染め上げる


夏の終わりの少し寂しげな空が好きだ


行く夏を追いかけるような 名残惜しそうな空


夏が終わると
ユノヒョンたちは受験勉強のラストスパートに入るはず


こうして2人で話す機会も
なくなるのかな・・・?





「綺麗な空ですね
僕 好きなんです 夕暮れ」


立ち止まって空を見上げる


『ああ 綺麗だな・・・』


大好きな声が聞こえて ユノヒョンの顔を見ると


なぜか? 空を見上げないで僕を見ていた・・・





後ろから 茜色の太陽に照らされている姿は
逆光で その表情がわかりにくい


でも 今
僕を見て優しく微笑んでいることは
わかったよ


そんな顔で微笑まれたら


僕 泣きたくなるよ





ユノヒョンのことが好きなんだと


好きで好きで大好きになっちゃったんだと


自然に再確認しちゃった瞬間


溢れてきた涙で
ユノヒョンの顔が揺れて見えた





🍫 🍬 🍫 🍬 🍫 🍬 🍫 🍬 🍫 🍬

毎日毎日チャンミンの写真や動画が
たくさんで嬉しいです♪
そして東方神起としては
2月のユノソロアルバムに続いて
3月16日に東方神起初のミニアルバムが
発売されることが決定しましたね
アルバムタイトルがまだ理解できませんが
いい曲だといいなと思います💖



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黒い瞳が邪魔をする 第二幕 21話

黒い瞳 第二幕





Y side





『チャンミナッ』


思わず 叫んでいた


何だ? 


今のは?


夕方のこんな場所で
女子と2人っきりで・・・


俺の見間違いでなければ
キスしてた・・・よな?





俺の声に驚いたのか
女子が振り向いて慌てて走り出した


ドン!


勢いよく俺にぶつかったそのコは
顔を上げて 
”あっ” と言っただけで
そのまま 走り去った





体育館と裏の倉庫の間の狭い通路


俺の脇を通らないと体育館の方には戻れないから
どうしたって すれ違う狭い道


1年生か・・・?


ぶつかった腕をはたき
後ろ姿を見ると
あっと言う間にいなくなっていた





振り返り 壁際に立つチャンミナに視線を戻す


困ったような顔をして
俺を見るチャンミナ


困るくらいなら最初から するなよ・・・





今日は塾の講義もないから
ドンへたちとスヨンちゃんたちを誘って
カラオケでも行こうか?なんて考えていたんだけど


さっき母親から連絡があり
今日は早く帰るように言われた


チャンミナがいたら
一緒に話でもしながら帰ろうかなって
探したんだよ?


さっき キュヒョンに会ったら
体育館にいるはずだと言うんだけど
見つからなくて・・・


裏の方から歩いてきた数人の女のコたちが
”シム君” という言葉を発しながら
真剣な面持ちで通り過ぎたとき


もしかしたら?!と思いここに来たのだ





『チャンミナ・・・』


「ユノヒョン・・・」


すこしずつ近づいて話しかける


チャンミナは困った顔のまま動かない


『今のは・・・彼女?』


正当な高校1年の男子なら
こういうことがあっても不思議はない


俺だって 今まで何もなかったわけじゃない


でも・・・


でも・・・


チャンミナはダメだ


「違います! 違う・・・」


『じゃあ 何?』


「好きだって言われて
手紙をもらったんです・・・
本当です」


チャンミナの手には
何通かの手紙と思われる封書が握られていた





『手紙と一緒にキスもしてもらったの?』


わかってるよ


突然で避けようがなかったんだって・・・


チャンミナが学校であんなことするはずないって
わかってる





「ユノヒョン 誤解です
誤解しないで・・・」


『彼女じゃないってこと?』


「僕 つき合ってるコなんていません
ユノヒョンに誤解されたくないです」


はっきりと俺の目を見て言った


君の目は大きくて綺麗なだけじゃないんだな


凛として力強い


そして真剣さが伝わる意志のある目


『わかってるよ・・・ごめん
不意打ちだったんだろ?』


「はい・・・」


心底ほっとした表情を浮かべて
俺に微笑みかける


『隙を見せるなよ?
お前 モテるだろ?
目立つから気をつけろよ?』


なんか保護者みたいなこと言っちゃったなって
苦々しい思いを 下を向いて誤魔化した


「僕 ユノヒョンだけには誤解されたくない
だから わかってもらえて嬉しいです」


はっきりしたその言葉は
俺を特別だと思ってくれてるってことでいいの?





俺はポケットからハンカチを取り出し
すぐ近くの水道で濡らしてチャンミナの口を拭いた


『ほら! これで元通り』


「あ ありがとうございます」


少し おどおどした感じが初々しくて堪らない・・・


俺は目の前の湿った唇を
人差し指で そっと撫でた





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黒い瞳が邪魔をする 第二幕 20話

黒い瞳 第二幕





C side





ユノヒョン・・・


今 僕は
どんでもなくドキドキしている


確かに触れた ユノヒョンの唇


少し熱い息がかかり
僕の耳たぶを噛んだ・・・よね?


瞬間 胸がぴゅーんと跳ねて
しばらく動けなかった・・・


周りにクラスメイトがいなくて良かった


暗闇で良かった


慌てて黒い布を被って
次のお客さんに備えたけれど
僕の息子は すでに熱をもってしまって・・・


どうしよう・・・


このままトイレに駆け込みたいけど
勝手にここを離れるわけにはいかないし・・・


自然に収まるのを待つしかないと
暗闇に感謝して
あと15分ほどの担当時間を何とかこなした





”結構熱いだろ?
布を被ってると”


クラスメイトの声も遠くから聞こえるみたい


「うん そうだね 
ちょっと喉が渇いたから何か飲んでくる
次はまた1時間後だよね」


そう言い残して
僕は男子トイレに一目散


もう収まってはいたんだけど・・・


個室に逃げ込んで
さっきの状況を整理する


噛まれた耳を触ると
ああ・・・またユノヒョンの唇の感触が蘇る


耳を触った手を顔の前に持ってきて
そーっとその匂いを嗅いでみる


ユノヒョン・・・


やっぱりキュヒョナが言ったことは本当なの?


僕のことを・・・?


だとしたら お互い同じ気持ちってこと?


嬉しいけど・・・怖い


これから どうしたらいいんだろう・・・





文化祭中は他校の生徒や家族などで
学校中がごった返している


トイレも常に慌ただしく
誰かが出入りしているから
静かでもないし


どさくさに紛れて
僕は1回 自分を慰めた


学校でそんなことをしたなんて
ユノヒョンに知られたら・・・





耳に触れた意味を
今晩 カカオで聞いてみようか・・・


逢って聞くなんて到底無理そうだ





耳のことばかりに気が行ってしまい
その後のお化けの仕事は良く覚えていない


”お前 さっきから ずっとぼーっとしてる”


キュヒョンに指摘されて
誤魔化すのに必死


”後夜祭 6時からだけど出る?”


「うん 一応 どんなのか見てみたいし」


”来年は俺たちの代がしなきゃいけないしな?”





夕方のまだ明るい時間帯に
後夜祭は始まった


誰が居ても居なくても
実のことろ わからないんだけど
体育館では 
2年生の人気バンドが演奏をするらしく
たくさんの生徒でごった返していた


荷物を取りに行ったキュヒョンも探せないまま・・・





1人うろうろする僕に声がかかる


“あの・・・シム君?“


隣りのクラスの女子?


見たことあるけど名前がわからない


“ちょっと 時間 いいかな?“


「いいけど・・・」


“こっち 来てくれる?“


小柄で可愛い感じの女のコに誘われるまま
僕は そのコに着いて行った


案内された場所は
体育館の裏





何があるんだろう?


恐る恐る辺りを見回すと
そこには 女のコが4人 立っていた


えっ? 何?


“びっくりさせて ごめんね“


見れば皆が何か紙を持っているようだ


心なしか 皆 緊張しているように見えるのは
僕も緊張しているからなのかな?


僕を連れてきたコが恥ずかしそうに口を開く


“あのね 私たちね シム君のことが好きなの・・・
でね 抜け駆けはやめようって相談し合って
一緒に告白しようって決めたの“


えええーっ?


告白?


マジ?


話してくれたコを含め
全部で5人もの女のコを前にして
僕はどうしていいかわからず
ただ黙って そのコの話を聞いていた


“じゃあ まず Aちゃんからね“


結局 僕は5人全員から順番に
告白とやらをされ
ラブレターと思しき手紙を受け取ったのだった





だいたい
みんな同じようなことを言っていたと思う


”入学式の時からカッコいいなあって思ってて・・・
私 シム君が好きです”


恥ずかしそうに
上目遣いで見上げる女のコたちは
皆 それなりに可愛いんだけど
勢いと迫力に押されっぱなしで・・・


聞くだけで精一杯


“じゃあ シム君
そういうことだから!
誰とつきあうか決めたら
決めたコにメールしてくれる?
手紙の中に全員アドレス書いてあるから“


僕を呼び出した時の
おどおどした感じはすっかり消えて
自信満々に話す彼女は
この中のリーダー格かな?


つきあうって・・・


この中から選べと言われても・・・


“じゃあ みんな シム君から連絡が来た人は
隠さないで必ず連絡しあうってことでいい?“


やや威圧的な その言葉を合図に
4人の女のコたちが
ぞろぞろと その場から離れていった





残ったのは
さっき僕を呼びに来た彼女だけ


呆然と立ち尽くす僕に彼女は言った


“シム君 ありがとう
来てくれて・・・じゃっ
手紙 読んでね“


次の瞬間 彼女がふわっと近づいて


彼女の唇が僕の唇に触れた・・・





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黒い瞳が邪魔をする 第二幕 19話

黒い瞳 第二幕





Y side





俺 相当カッコ悪いな・・・


俺よりも先に
誰かがチャンミナに告白したらとか
考えただけでも嫌だ





勝手な嫉妬を剥き出しにして
変なことを言った手前
普段 学校であまり顔を合わせないことを
返ってラッキーだと思えたのに


こういう時に限って
朝から会っちゃうんだよな・・・





朝礼に向かう体育館前の廊下で
キュヒョンと楽しそうに話しながら歩いてくる
チャンミナとすれ違った


”おはようございます”


「あ・・・ユノヒョン」


部の後輩でもあるキュヒョンが俺にした大きな声の挨拶で
かき消されてしまったチャンミナの声


でも 確かに俺の名前を呼んだ


バツが悪くて・・・


『あ・・・おはよう』


話もせずに さっさとその場を後にした


きっと不思議がってるよな・・・


俺 マジでカッコ悪いな





それから1週間後


文化祭当日
結局 俺はドンへと2人で
チャンミナ達のクラスの出し物である
お化け屋敷へお邪魔した


”意外とよくできてるな ちょっと怖くね?”


『怖がりのドンへには丁度いいよ
ずっと俺の腕にくっついて目を瞑ってろ』


迷路のようなお化け屋敷は 
途中何かと色んなものが出てくる


右からも左からも 上からも後ろからも
そして前からも・・・


ちぇっ チャンミナ いないじゃねぇか? と思ったとき
斜め後ろから首筋を柔らかいものが這った


『ひゃっ!』


俺の声に驚いたドンへが
”わーっ!” と大きな声を出して
俺にしがみついた


『ったく ドンへ お前 だらしねぇな』


お化け屋敷だって わかってんだろ?


ドンへのお尻を1発キックして前へ進もうとしたら


「ユノヒョン ユノヒョンですよね」


振り向けば
暗闇に何やら黒い布を被った人が・・・


布をすっと捲りあげ微笑んだ顔は
まさにチャンミナ


『チャンミナ』


「しーっ」


慌てて俺の口にチャンミナが指を当てる


「顔を出してはいけないことになってるんで・・・
来てくれて ありがとうございます」


暗闇の中でもわかる俺を溶かす笑顔に
見惚れていたら


「僕 転びませんから ほら 大丈夫です
それに今は1人ですよ?」


右目を細くし首を傾げてニコっと微笑む


ギャー 叫びたいくらい可愛いぞ


たまらなく嬉しい


狭い教室の中
生徒たちが作ったお化け屋敷だというのに
こんな暗闇で チャンミナと見つめ合ってるなんて・・・


今 このまま抱きしめたいのに


可愛くて触れたいのに


あ~あ 俺の隣りには・・・


ドンへ 邪魔なんだよ


でも もう この際ドンへなんてどうでもいいや


俺はチャンミナをそっと抱き寄せて
耳元に唇を近づけた


『頑張れよ』


離れ際 唇で耳をハムっと優しく挟んだら
ピクっと身体を硬直させたチャンミナ


大丈夫 誰も見てないから・・・


驚いて目を見開く天使は
マジ 目がデカいんだな


『じゃあな』


終始 下を向いていたドンへを引きずるように
お化け屋敷を出た





きっとチャンミナも驚いたよな・・・


『ジュース飲みてぇ』


”俺も怖くて喉がカラカラ”


火照った頬の熱を冷ましたくて
ジュースを買いに行った俺たち


本当のことを言うと
頬よりも熱かったのは





チャンミナ・・・
君の指が触れた 俺の唇


次は俺の指が触れる番だよ?





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くせ 121

くせ111〜





*今日はユノ目線でお送りします♪





チャンミンには困った

ワインのボトルを開けて
料理も平らげて
気持ち良さそうに寝てしまった



テーブルに突っ伏して
顔はかろうじて横を向いて
幸せそうに眠っていた



チャンミン・・・

こんな風に酔ったチャンミんを見るのは
初めてだった



今までお酒は飲んでも
酔い潰れた姿は見たことがなかったように思う

俺がまだ子供で
気づかなかっただけかもしれないけれど・・・

もしかしたら
俺が寝た後に一人酒を飲んで
酔っぱらっていたこともあったのかな?

いづれにせよ
見たことのないチャンミンの姿だった



酒を飲むと本性が出るとか聞いたことあるし
俺の前で酔うってことは
安心してくれてるのかもしれないし

だとしたら
俺のことをカッコいいって言ってくれたのも本音ってことだ

寝てしまったけれど
チャンミンが新しい一面を見せてくれたようで
俺は嬉しかった



無防備な姿を晒すチャンミン・・・

俺 チャンミンのこと
本気で好きかもしれない

いや 好きなんだ

小さい頃から大好きだったけど
今は・・・



むにゅむにゅっと動いた唇

目を閉じると一層際立つ長い睫毛

30歳を過ぎているとは思えない綺麗な肌



今まで 好意を寄せてくれた女子には
一度たりとも感じたことのない
不思議は感情

チャンミンには それを感じるのだ

愛しくて 大切に思う

ずっと一緒にいたいと思う

そして チャンミンに触れたいと思う



抱きしめて キスしてみたい・・・


いつからだったのか
自分でもわからないんだけど
多分 俺 前からずっと
チャンミンのことを好きだったんだと思う

人間がどういう風に成長して
子孫を残していくのかも
今の俺は知っている

ある程度の年齢になると
性的な欲求が出てきて
異性を求めることが一般的な流れであることも・・・

友達を見ていればわかるし
ゲームや漫画の世界でも
ドラマや映画の世界でもそうだ

でも 稀に性的な欲求を催す相手が
同性の場合もあることも知っている

そういう類の漫画を本屋で見たことがあったし
テレビを観ていて
そんな話題が放送されていたこともあったから・・・



俺は女子とつきあってキスしたこともあったけど
まだ そういうことをしたことがない

でも キスしたいし
その先に進みたいと思うのは
チャンミンだけ・・・

チャンミンといると自然過ぎて
当たり前になっていた生活が
最近 とても幸せなことに思えていた



今は まだ高校生の俺
春からは大学生になる俺

チャンミンから見たら
まだまだ子供なんだろうけど
俺 いつかチャンミンを俺のパートナーにしたい



「ん・・・ユノォ・・・
酔ってないからぁ」

突然 寝言を言うチャンミンにビクリとした

ああ チャンミン

俺 間違ってるかな・・・?

どうしようもなく チャンミンが好きみたいだ



今 動いたばかりのチャンミンの唇に
指を当てて そっとなぞってみた

気持ちいい

柔らかいんだね



俺もテーブルに置いた腕に顔を乗せ
チャンミンの寝顔を暫く眺めていた



チャンミン・・・

チャンミンには今 恋人っているの?

今までは?

チャンミンの今までを全く知らない俺は
急に チャンミンの恋愛事情が気になりだした

チャンミン 

俺 チャンミンが好きだ

男は気持ち悪い?

やっぱり女がいいの?

俺が大学で家を空けてる間とか
チャンミンは恋人に会ったりしているのだろうか?

自分の気持ちにはっきり気づいた今
チャンミンの恋愛が無性に気になりだした





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