くせ 105
学校のイベントも部活も全て終わり
3年生は いよいよ受験に向けて
一斉に動き出した
東方高校は 元々進学校だからか
志望の大学もはっきりと決めて勉強している子が多いと聞いた
ユノは 未だに夢を教えてくれない
将来やりたいことがあるって言っていたけれど
僕には まだ言う時期ではないらしい・・・
ユノの希望で 週に2回の個人塾に通い
週末は できるだけ多くの模試を受けるようにした
成績は小学生の頃から悪くなかったが
部活を始めた中学生の頃の集中力のなかったユノからは
まるで想像できないほど
家にいても自室で真剣に勉強をする日々が続いた
たまの息抜きに
友達と連れだって いくつかの大学祭を見に行っては
楽しそうに帰ってきたけれど
実は ユノの頭の中では
志望の大学は最初から決まっていた
僕の出身大学 東方大学だ
高校受験の時と同じで
絶対にここ以外は考えられないと
東方大学に合わせた勉強を
学校の先生や塾の講師に聞いては
自分なりに勉強の計画を立てていたようだ
ごく たまに僕に勉強を聞いてくることもあり
そんな時は 色々な話をすることができた
今までは 晩御飯のあとは
リビングで一緒に過ごしていたが
今はユノが勉強をするようになったため
僕は一人でテレビを観たり
本を読んだり 受験勉強について調べたりした
ユノの頑張りなら
現役での東方大学合格は夢ではない
信じられないほどの集中力を発揮したユノの
模試の成績が上がる度に
僕は ユノという人物の胸に秘めた決意の強さを感じたのだった
親の役目は ユノが無事に第一志望の大学に合格できるよう
生活面で全力のサポートをすることだ
僕はユノの父親ではあるけれど
同時に母親の役目も果たさなければならない
仕事をし 家事をこなす
自宅でできる仕事を選んで正解だった
会社員だったら 今のようにユノをサポートすることはできなかっただろう
それどころか
ユノを預かることもできなかったはずだ
一緒に暮らしていなかったら
ユノは 僕は 今 どんな暮らしをしていたのだろうか?
全く想像ができないほどに
ユノは 僕の一部になっている
模試 学校や塾の個人面談と
気の抜けない日々が続き
寒い冬に突入していく
これからは風邪やインフルエンザにも
細心の注意をはらわないといけない
仕事と週に一度の施設通いは続けながら
身体の温まる食事を用意し
夕飯の時は できるだけ
ユノをリラックスさせるような話題でお喋りをした
出願を済ませると
とうとう 大学受験の本番が間近に迫ってきた
当日 万全の体調で試験に臨むこと
これが何より大事
気を配らなければならないことは
僕にもユノにも山ほどあるのだから
体調だけは何も気にせずにいられるようにしてやりたい
余計なことに振り回されないように・・・
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