HOTEL T の秘め事 75階
想定外の成り行きに
僕は飛び上がらんばかりに喜んだ
『ちょっ・・・おいおい 暴れるな』
お姫様だっこなんかされて
本当なら嫌がるところだけど
今の僕は天にも昇る気持ち
ユノの首に腕を巻き付けて
足をバタバタさせてしまった
『チャンミナ・・・子供みたいだ』
「だって嬉しいんだもん
僕 何も期待してなかったから・・・」
『チャンミナのそういうところが いいんだよ』
「チョン・・・あ ユノはモテるからさ
それに来る者は拒まず でしょ?
僕とこんなことしたって
次の日は言い寄って来た女をボランティアで抱いたりするんでしょ?」
『チャンミナ・・・
そんなことばかり覚えてなくていい』
「やっぱり そうなんだ・・・」
少し悲しくなって
僕は更にユノの首に巻き付いた
蛇みたいに 離れるものかと
ぎゅうっと抱きついていた
『ほら 降りろ・・・』
あっと言う間にシャワールーム
そりゃそうだ
いくら広いとはいえコテージの中だし
でも こんな広いコテージあったかな?
ぼんやりしている僕を立たせたまま
シャワーの温度を確かめたユノが
ボディーソープを泡立てて
僕の身体を洗い始めた
「あ・・・」
『こらっ・・・変な声出すな
その気になるだろ・・・』
なってもいいのに・・・
ユノの気が変わらないうちに
恋人としての契りを交わしたいって思うのは
僕の焦りなのかな?
ユノの綺麗な指が
泡にまみれて僕の身体を滑っていく
下半身も・・・
僕は黙って身を任せた
ユノに触られるのは本当に気持がいい
目を瞑って
その手の感触を肌で感じていた
勿論 前も後ろも丁寧に洗ってくれて
後ろは中まで指を突っ込んで
綺麗に洗ってくれた
「んふっ・・・」
『おいっ』
ユノ 無理だよ・・・
さっきまで繋がっていた柔らかく熱い場所に
指が入ってきたんだから
変な気になるのは当たり前
「あっ・・・」
『勘弁してくれ・・・』
指を抜かれたときにも変な声が出てしまった
もう僕は無理に我慢はしないと決めたんだ
ユノと裸でいたら
いつだって
その気になるのは当然のことなんだから・・・
『ほいっ おしまい』
また 乱暴に拭かれて
僕は ひょいっとまたもやお姫様だっこ
抱っこされた僕には
わからないとでも思ってる?
僕は見たよ
ユノだって勃ってたじゃないか・・・
今度は さっきと違う部屋に連れていかれ
違うベッドに下ろされた
さっきまで使っていたベッドより小さく感じるけど
それでも僕の部屋のベッドより
ずっと大きい
ダブルかな・・・?
この部屋は何なんだろう・・・?
『さっきのベッド 汚しちゃったし
ベタベタで気持ち悪いだろ?
今夜はここで寝よう』
「はい・・・
沢山お部屋があってよくわからないけど
ここは VIP 専用のコテージなんですか?
研修でもパンフレットでも見たことない」
『社長専用のコテージだよ?』
「えっ? イトゥク社長の?」
『ああ』
コネ・・・なんだ
やっぱり社長ともなると
知り合いも社長なんだな
なんて感心しちゃった
裸でくるまる薄い毛布
お互いの肌の温度が心地いい
『ずっと チャンミナを抱いていたいけど
明日もお互い仕事だし
これ以上は無理だな・・・
チャンミナの身体に負担がかかり過ぎる』
「・・・」
僕は本当は抱いてほしいけど
確かに明日は仕事だから我慢しなきゃ・・・
「帰らなきゃ・・・」
『今夜はここに泊まれ
下着なら新しいものがある
服なんて昨日のでいいだろ?』
「はい・・・」
外泊したこと
誰かに冷やかされなきゃいいけど・・・
『それとも俺の下着は嫌だから
またノーパンで仕事する?』
「ユノッ」
『北海道は寒いぞ~』
「もうっ!」
東京での出来事を蒸し返され拗ねる僕
僕たちは冗談を言い合い
足を絡めたり 軽いキスをしたりした
「僕たちは遠距離恋愛になるの?」
『えっ?』
「だって ユノは忙しいし 基本東京でしょ?
逢えない日の方が多くなることは
目に見えてわかるし・・・」
『遠距離恋愛か・・・
それも楽しそうだな・・・ハハハ』
ユノが高らかに笑う
その笑い声も好きだ
恋人になっても
僕はしょっちゅう東京に行けるほど
お金もないなって しょんぼりした
『チャンミナ・・・大丈夫
またすぐに逢えるから』
「ユノ・・・」
きっと出張で来てくれるつもりなんだね
2人 身体を寄せ合い
少し固い塊りをお互いの下腹部に認めながら
何もせず 抱き合って眠りについた
「おやすみ ユノ」
『おやすみ チャンミナ』
今夜は いい夢が見られそうだと思った
❄️ ❄️ ❄️ ❄️ ❄️ ❄️ ❄️ ❄️ ❄️ ❄️
二人がいる場所は寒くても
心の中は温かいのです☺️
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