癒しの T-Garden 赤い海の旅人

HOTEL T の秘め事 75階

Hotel T 61〜





想定外の成り行きに
僕は飛び上がらんばかりに喜んだ

『ちょっ・・・おいおい 暴れるな』

お姫様だっこなんかされて
本当なら嫌がるところだけど
今の僕は天にも昇る気持ち

ユノの首に腕を巻き付けて
足をバタバタさせてしまった

『チャンミナ・・・子供みたいだ』

「だって嬉しいんだもん
僕 何も期待してなかったから・・・」

『チャンミナのそういうところが いいんだよ』

「チョン・・・あ ユノはモテるからさ
それに来る者は拒まず でしょ?
僕とこんなことしたって
次の日は言い寄って来た女をボランティアで抱いたりするんでしょ?」

『チャンミナ・・・
そんなことばかり覚えてなくていい』

「やっぱり そうなんだ・・・」

少し悲しくなって
僕は更にユノの首に巻き付いた

蛇みたいに 離れるものかと
ぎゅうっと抱きついていた

『ほら 降りろ・・・』

あっと言う間にシャワールーム

そりゃそうだ

いくら広いとはいえコテージの中だし
でも こんな広いコテージあったかな?





ぼんやりしている僕を立たせたまま

シャワーの温度を確かめたユノが
ボディーソープを泡立てて
僕の身体を洗い始めた

「あ・・・」

『こらっ・・・変な声出すな
その気になるだろ・・・』

なってもいいのに・・・

ユノの気が変わらないうちに
恋人としての契りを交わしたいって思うのは
僕の焦りなのかな?





ユノの綺麗な指が
泡にまみれて僕の身体を滑っていく

下半身も・・・

僕は黙って身を任せた

ユノに触られるのは本当に気持がいい

目を瞑って
その手の感触を肌で感じていた

勿論 前も後ろも丁寧に洗ってくれて
後ろは中まで指を突っ込んで
綺麗に洗ってくれた

「んふっ・・・」

『おいっ』



ユノ 無理だよ・・・



さっきまで繋がっていた柔らかく熱い場所に
指が入ってきたんだから
変な気になるのは当たり前

「あっ・・・」

『勘弁してくれ・・・』

指を抜かれたときにも変な声が出てしまった

もう僕は無理に我慢はしないと決めたんだ

ユノと裸でいたら
いつだって 
その気になるのは当然のことなんだから・・・





『ほいっ おしまい』

また 乱暴に拭かれて
僕は ひょいっとまたもやお姫様だっこ

抱っこされた僕には
わからないとでも思ってる?

僕は見たよ 

ユノだって勃ってたじゃないか・・・





今度は さっきと違う部屋に連れていかれ
違うベッドに下ろされた

さっきまで使っていたベッドより小さく感じるけど
それでも僕の部屋のベッドより 
ずっと大きい

ダブルかな・・・?

この部屋は何なんだろう・・・?

『さっきのベッド 汚しちゃったし
ベタベタで気持ち悪いだろ?
今夜はここで寝よう』

「はい・・・
沢山お部屋があってよくわからないけど
ここは VIP 専用のコテージなんですか?
研修でもパンフレットでも見たことない」

『社長専用のコテージだよ?』

「えっ? イトゥク社長の?」

『ああ』

コネ・・・なんだ

やっぱり社長ともなると
知り合いも社長なんだな
なんて感心しちゃった





裸でくるまる薄い毛布

お互いの肌の温度が心地いい

『ずっと チャンミナを抱いていたいけど
明日もお互い仕事だし
これ以上は無理だな・・・
チャンミナの身体に負担がかかり過ぎる』

「・・・」

僕は本当は抱いてほしいけど
確かに明日は仕事だから我慢しなきゃ・・・

「帰らなきゃ・・・」

『今夜はここに泊まれ
下着なら新しいものがある
服なんて昨日のでいいだろ?』

「はい・・・」

外泊したこと
誰かに冷やかされなきゃいいけど・・・

『それとも俺の下着は嫌だから
またノーパンで仕事する?』

「ユノッ」

『北海道は寒いぞ~』

「もうっ!」

東京での出来事を蒸し返され拗ねる僕





僕たちは冗談を言い合い 
足を絡めたり 軽いキスをしたりした

「僕たちは遠距離恋愛になるの?」

『えっ?』

「だって ユノは忙しいし 基本東京でしょ?
逢えない日の方が多くなることは
目に見えてわかるし・・・」

『遠距離恋愛か・・・
それも楽しそうだな・・・ハハハ』

ユノが高らかに笑う

その笑い声も好きだ





恋人になっても
僕はしょっちゅう東京に行けるほど
お金もないなって しょんぼりした

『チャンミナ・・・大丈夫
またすぐに逢えるから』

「ユノ・・・」

きっと出張で来てくれるつもりなんだね

2人 身体を寄せ合い
少し固い塊りをお互いの下腹部に認めながら
何もせず 抱き合って眠りについた

「おやすみ ユノ」

『おやすみ チャンミナ』

今夜は いい夢が見られそうだと思った






❄️ ❄️ ❄️ ❄️ ❄️ ❄️ ❄️ ❄️ ❄️ ❄️

二人がいる場所は寒くても
心の中は温かいのです☺️



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絶景湯 27℃

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“遅くにありがとさん
気持ち良かったよ“

「ありがとうございます
またよろしくお願いします」

常連さんに挨拶をして
その日の営業を終えた





ユンホさんは今頃
何をしているのだろう?

風呂上がりのビールでも飲みながら
のんびりしているだろうか?





ユンホさんとのキス
重なった時の体温と胸の鼓動
直近で見た
ユンホさんの円らな瞳

急にユンホさんを近くで感じる事になり
僕は少し恐くなった

僕とユンホさんは
“そういう関係“ なわけで

いや 正確に言うと
“そういう関係“ になることになったばかりで
まだ “そういう関係“ らしきことは
何もしていない





週末のデートが楽しみだ
この間 一緒にランチはしたけれど
あれは ただの食事だ

今度のスパは
ユンホさんが誘ってくれた
初デートになるんだ

もう一度 一緒に風呂に入りたいと
お互い思っていたことが現実になる

楽しみで楽しみで仕方ない




僕は 浮かれ気分が
顔に出ていたのか
人生の大先輩であるお婆ちゃんには
すぐにわかったようだ

“チャンミン 何かいいことがあったんじゃない?“

「まあね そんな大したことじゃないけど」

僕にとっては 大したことなんだけど
さも なんでもないことように振るまう

“彼女でもできたのかと思ったよ“

「そんなんじゃないよ」



だって彼女じゃないし・・・



彼女だなんて言ったら
連れてこいだの 写真を見せろだの
これからも色々聞かれるに決まってる

それに お婆ちゃん世代の人には
男同士の関係なんて
あまりに突拍子もないことに思えるだろうから
言わない

ジャンダーレスとか
性同一性障害とか
自分とは全く関係のない世界のことだと思っているみたいだから
僕とユンホさんの関係を知ったら
目を覚ませと言うに違いない

僕の想像ではあるけれど
余計な心労はかけないに越したことはないのだ





「そうそう お爺ちゃん 具合どう?」

“もうすぐ退院できそうだよ
チャンミンももう一回くらい
お見舞いに行ってあげたら喜ぶのに“

「そうだね 顔 出すよ」

“そうしてあげて“

僕は不義理な孫だなあ・・・

お爺ちゃんには可愛がってもらったのに・・・





お爺ちゃんが退院したら
僕は どうしようか?

就活もしなくてはならないけど
お爺ちゃんの体調で
この銭湯の仕事をこれからも続けていくことは
そう簡単なことではない

両親曰く 
おじいちゃんの代で
銭湯は終わりにするようなことを言っていた

お父さんも銭湯は継がなかったから
心配ではあるみたいで
今後のことをお爺ちゃんに聞いた時に
そう言っていたらしい

結論は出ないまま
週末を迎え
僕は 大好きなユンホさんと
スパでデートの運びとなった

前の晩から胸がドキドキして
幼稚園児の遠足前夜みたいな気分だ

知恵熱を出さないようにしないと・・・





デート当日は 晴天だった

ユンホさんとは 
実は自宅が近いみたいだけど
僕たちは 敢えて 
行き先のスパ最寄りの駅で待ち合わせをした

自宅近くでは 
近所の知り合いに見られるのも
後々面倒だから・・・





これから一日中スパで遊べる

ユンホさんと裸のつき合い

待ち合わせ場所に 少し早く着いた僕は
ウキウキした気分でユンホさんを待った






❤️ ❤️ ❤️ ❤️ ❤️ ❤️ ❤️ ❤️ ❤️ ❤️

ウキウキするチャンミンの気持ち
わかりますよね
待ち合わせ場所にユノやチャンミンが現れるなんて
想像しただけで鼻血ブーだわ
  


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HOTEL T の秘め事 74階

Hotel T 61〜





「ん・・・」

うっすらと目を開けた



あ・・・



そっか・・・



ここはチョン様のベッドだった





『チャンミン 気づいたか?』

「あ・・・チョン様・・・」

『違うだろ?』

「え? チョン様ですよね?」

『覚えてないの?』

「・・・?」

僕はチョン様に抱かれて
少し意識を飛ばしたみたいだ

未だ 全裸のままでベッドの上

このブランケットはチョン様が?





『・・・』

シャワーを浴びてきたようで
素肌にバスローブという出で立ち

大人の男の色っぽさを醸し出しながら
近づいてくるチョン様がベッドに腰かける

僕の右側が沈む

『俺はユノだ・・・ユノだよ』

「あ・・・」

思い出した

僕は幸せな快楽の中で
大海原を彷徨い
大好きな人の優しい声で呼ばれたんだ

そして 
チョン様は自分のことを 

『ユノと呼んで』

確か そう言った

僕は迫りくる究極の快楽に溺れながら
何度も何度も その名前を呼んだんだった





「ユノ・・・って」

『そうだ 俺はユノだ
チョン・ユンホだけど親しい人だけが
俺をユノと呼ぶんだ』

「僕は ユノって呼んでいいの?」

『何言ってるんだ?
俺が そう呼んでほしいと言ってる』

「ありがとう 嬉しいけど
何だか恥ずかしい・・・
チョン様のことを呼び捨てにするなんて
チョン様は お客様なのに・・・」

『ああ もうじれったいな
いいんだ 俺がそう呼んで欲しいんだから』

「・・・ほんと?」

『ああ 本当だ
だから これからは俺のことをユノって呼んでくれ
この部屋の中では・・・な?』

「えっ? 僕 またここに来ていいの?」

『あのなぁ・・・
何度言ったらわかるんだ?
俺が2回以上抱きたいと思ったのはチャンミンだけだって
言っただろ?』

「うん・・・まだ信じられなくて」

『好きなんだろ? 俺のこと』

「うん・・・大好き チョン様」

『おいっ』

「あ・・・ごめんなさい
ユ・・・ノ・・・」

『ああ なんかこそばゆいな
嬉しいよ もう一回呼んでくれ』

チョン様は そう言って 
僕をぎゅうっと抱きしめた





「ユノ・・・?」

『チャンミン?』

至近距離で見つめあう



「ありがとう ユノ」

『ん~堪んないっ』

ぶちゅうーっと音がするくらいに
強く唇を押し当てられた

チョン様は いや ユノは
僕の唇に自分の唇を当てたまま
んんーっと声にならない声を上げて
左右に首を振り擦り続けた





「んんん・・・ユノってば」

『チャンミナ・・・』

「あ・・・僕も親しい友人だけが
チャンミナって呼ぶ・・・」

『じゃあ チャンミナだ いいな?』

「うん ユノ」

僕からユノの首に大きく腕を回して飛びついた

すると 
ユノは僕の肩に手を置いて僕を剥がし
おでこをくっつけて言った

『言っとくけど 俺は友人じゃないからな?』

「・・・はい お客様でした」

『違うよ? チャンミナの好きな人だろ?
こうして時間が許す限り抱き合ってるんだ
だから恋人・・・って ことでどうかな?』

「え・・・ユノが恋人?」

『そうだ・・・嫌か?』

「僕の恋人になってくれるの?」

『俺も そうなりたいと思ってた』





夢みたいだ・・・

またもや目が潤んで 
大好きなユノの顔が まともに見られない

嬉しくて嬉しくて 言葉が出てこなかった





『おいおい 何とか言ってくれよ』

「ユノ・・・ありがと ユノ大好き」

溢れる涙をバスローブに擦りつけ
僕は ユノにしがみついた





くしゅん

『風邪ひくぞ?
さあ 一緒にあったまろう』

「うん」

ユノは僕を抱き起し
そのまま お姫様だっこをして 
バスルームに歩いて行った

忘れられない夜に なりそう

僕は嬉しくて
ぎゅうっと しがみついた




♥️ ♥️ ♥️ ♥️ ♥️ ♥️ ♥️ ♥️ ♥️ ♥️

北の大地で結ばれた二人♥️
良かったです😍
私はやっと【XV】Blu-ray 受け取りました😗



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絶景湯 26℃

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ガラッ!

“まだ 大丈夫ですか?“

「あ はい どうぞ」

今日 最後のお客さんを迎えた

もう誰も来ないと思っていたけれど
暖簾も出したままだったのだから仕方ない

あのまま ユンホさんと
事に及んでいたら大変だった・・・





お客さんが風呂場へと姿を消したあと
ユンホさんが決まり悪そうに
姿を現した

「あ・・・」

『さっきはごめん』

「いえ 僕の方こそ」

『ここはチャンミンの職場なのに』

面と向かって話すだけで恥ずかしい





『チャンミンは大丈夫だった?』

「え? 何がですか?」

『ああ 大丈夫そうだね』

ユンホさんの視線の先は僕の股間

「あ べっ別に大丈夫です」

慌てて手で隠すポーズをしてしまった

『良かった
俺だけじゃないってわかったから
少し心配になっただけだから』





なんとなく ぎこちない会話が続く

僕はノートをまだ片付けていなかった事に気づき
慌てて拾い上げ
番台に置いてある自分のバッグにしまった

ここに持ってきてはダメだ

ユンホさん以外の人が見ないとも限らない

ましてや 自分のお婆ちゃんが
こんなノートを目にしたら
泡を吹いて倒れてしまうだろう

いけない いけない
お年寄りに刺激が強すぎるのは禁物だ





ユンホさんは
あっちの方はトイレで処理して来たって
事だよな・・・

僕を見て
僕とキスをして ああなったってことは
僕たち・・・

これは
恋愛感情ってことだよね・・・

ああ どうしよう





『チャンミン 顔 真っ赤』

「暑いからです ああ喉乾いた」

『もう1本飲もうか?
俺もなんだか喉が渇いちゃった』

「そうですね」

僕たちは一緒にドリンクを飲んだ

『今日はもう帰るよ
お客さんいるし チャンミンまだ仕事残ってるだろ?』

「はい」

『じゃあ また明日来るよ
それから コホン! 週末はデートな?』

デートという言葉に反応する僕

「はい デートですね」

もしかして
僕をデートに誘うために
あなたは 今日わざと
人の少ない遅い時間に来てくれたんですか?

きっとそうですね





『俺たち そういうことで』

「・・・はい そういうことで」





歩き出したユンホさんが
くるりと振り返り
僕の顎を掴んで
不意打ちのキスをした

『好きだよ また明日な
あのノートは 誰にも見せるなよ』

「はい・・・おやすみなさい」

『おやすみ ちゅっ』

夢のような時間だった





“ああ いい湯だった“

KYなお客さんが風呂場から出てきて
一気に現実に引き戻された僕

さあて 片付けを始めようか

僕の心は とても晴れやかだった





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HOTEL T の秘め事 73階

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絶景湯 25℃

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唇が震えた

こんな経験 初めてだ

風呂上がりのユノさんの唇は温かいんだ

目を閉じて 温かさを受け止めた





こんなに嬉しいことが世の中にあるんだ

憧れのユノさんが僕にキスをしてくれている

ちびってしまいそうだった





ユノさんが 唇をぐいっと押し付けてくるから
僕は少し後ろに押されて
そのまま 倒れてしまった

僕たち以外に誰もいない脱衣所で
背中から倒れた僕の上にユノさんが重なる

『あ チャンミン ごめん
大丈夫か?』

「大丈夫です・・・」

『俺 夢中になっちゃって』

「・・・」

ああ 僕の身体に感じる重み

これは紛れもなくユノさんの体重

身体中が密着して 僕はユノさんの体温で
温められている

でも 顔が近い・・・





目の前に 美しい顔がある

まともに見ると
透き通るような桜色の肌に
澄んだ黒い瞳

ドキドキが加速する

『チャンミン・・・』

ユノさんの瞳に僕が映っている

「ユノさん・・・」

『赤くなってる・・・可愛い』

「ユノさんも 赤いです」

僕の頭が床についたのに痛くないのは
咄嗟にユノさんの手が
頭を支えてくれたからだ

僕の頭を支えている方の手は肘まで床につき
もう片方の手で 僕の顔を撫でる

人差し指で唇をなぞられると
ゾクっとする

そんな真剣な目で僕を見ないで・・・





あ・・・ヤバい
あそこが 固くなりかけている

僕の股間は ジーンズに隠れているけれど
少し窮屈になっている

これ以上 見つめられたらヤバい

ユノさんは 一向に僕の上から退く気配がないから
僕はどんどん焦ってくる

固い布越しに当たるのはユノさんも僕と同じ現象だから?

これ以上はまずい・・・





「ユノさん 手 痛くないですか?
ありがとうございます」

僕の頭の後ろにあるユノさんの手を
気遣って起きあがろうとするけれど

どうして ユノさん動かないんだよ

『大丈夫だよ』

僕の焦りを察したのか
ようやく 頭の後ろの手を抜いた

でも ユノさんは起きあがろうとはしなかった

僕の顔の両脇に手をついて顔を近づけて来て・・・

「ん・・・」

『ん・・・』

さっきよりも少しだけ 長いキス

温かく 気持ちいい

このまま 身を委ねてしまいそう・・・

ユノさんの濡れた舌が唇に触れて
あ 入ってくる と思った時

非情にも ガラッと銭湯の入り口が開いた





「ひっ」

『あっ』

状況を察し 咄嗟に
隼の如く飛び起きた僕たちは
慌てて 立ち上がった

僕は服を着ていたけれど
裸のまま腰にバスタオルを巻いただけのユノさんは
立ち上がった瞬間にタオルが落ち・・・

僕の目には 勇ましく形を変えたユノさんの股間

立派すぎて 僕は思わず凝視してしまった

「あ・・・ごめんなさいっ」

『ちょっ・・・ちょっと トイレ』

小走りでトイレに向かうユノさんの後ろ姿に
僕は ゴクリと唾を飲み込んだ
 




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HOTEL T の秘め事 72階

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絶景湯 24℃

20210119180830b91.jpeg






10秒が10時間にも感じられた



お願いだから
ユノさん それ以上読まないで・・・



『チャンミン・・・これ・・・』

ああ もう僕はおしまいだ

ユノさんの顔を見られなくて
顔を覆って しゃがみ込んだ

「ごめんなさい ごめんなさい
変なこと書いて」

その後も僕はしゃがんだまま
起き上がることができなかった





しばらくして ユノさんが声を発した

『安心したよ』

え・・・?

唇を噛んだまま
僕の前に立つユノさんを見上げた

ユノさんは僕の目線に合わせて
しゃがみ込むと
僕の頭を撫でたのだ

「ユノさん・・・」

『チャンミン
これ 番台に座って書いてたんだね
読ませてもらったよ』





ああ 地獄の囁きが
僕を破滅へと導いているようだ

そんな 僕にとっての悪魔の言葉なのに
ユノさんの表情は穏やかだった

「僕 仕事中にそんなノート書いて
ダメですよね」

『そこじゃないだろ』

「はい・・・ユノさん
僕のこと 変態だと思いましたよね」

『思った』





ああ やっぱり
どうしよう?

『チャンミンが俺と同じ変態で安心したんだよ』

「ヘッ?」

『俺も 変態』

「・・・?」

『パラパラと ノートは全部
読ませてもらったよ
チャンミンの日記みたいなものを読んでしまって
嫌な思いをさせて ごめん』

「そんなこと・・・」

『最初は驚いたよ
チャンミン ゲイなんだって思ってさ
でも書いてあることを読んだら
俺と同じ気持ちなんだってわかって
悪いけど 全部読みたくなった』

「読んじゃったんですね」

『チャンミンは 俺と同じだった
ゲイじゃないのに
お互い 男に惹かれてしまったってことだよね』

「じゃあ・・・」

『ありがとう チャンミン』





ユノさんは 
優しい目で僕を見て
涙で濡れた頬を優しく包んでくれた

『チャンミンがノートを落としてくれなければ
いつまで経っても
気持ちを伝える勇気が出なかったかも知れない』

「ユノさん
僕の気持ち 読んでくれたんですね」

『ああ チャンミン 
俺も チャンミンが好きだよ』

そう言って
ユノさんは 僕に優しい口付けをくれた





♥️ ♥️ ♥️ ♥️ ♥️ ♥️ ♥️ ♥️ ♥️ ♥️

ようやく二人の気持ちが通じ合いました😭
しっくりくるわぁ♥️
正反対の二人はお似合いです🤩



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HOTEL T の秘め事 71階

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絶景湯 23℃

20210119180830b91.jpeg






その日のユノさんの来訪は
遅い時間だったせいもあり
風呂場から上がる頃には
脱衣所には殆ど人がいなかった

ユノさんが ゆっくりとセクシーに
身体を拭いている間に
他のお客さんは帰って行き
脱衣所にはユノさん一人となった

女湯はもう30分ほど前から
誰もいなかったから
この銭湯内には
人間は僕とユノさんの2人だけとなった





『チャンミン これ飲む?』

ユノさんは 脱衣所に誰もいないことを確認すると
僕に飲み物を勧めた

いちご牛乳・・・

飲めなくはないけれど
どちらかと言うと
コーヒー牛乳の方が好きだ

『ずっとそこにいると
喉 乾くだろ?
もう誰もいないし俺の奢り』

「ありがとうございます
我儘言っていいですか?」

『あ わかった
もしかして これ 苦手?』

「バレました?へへ
苦手っていうか コーヒー牛乳の方が好きです」

『OK じゃあ チャンミンはコーヒー牛乳ね』

「自分で払いますよ」

『今日は奢らせて?
そういう気分なの』

「じゃあ ゴチになります」





営業時間の終了間近の時間帯は
あの大雨の日と同じで
ユノさんと僕の2人きり

腰にバスタオルを巻いただけのユノさんに
一緒に飲もうと呼ばれ
僕は番台から降りた

とその時

バサッ!

僕が番台から降りると同時に何かが落ちた

『あ 何か落ちたよ』

慌てて拾おうとした僕よりも
ユノさんが拾い上げるほうが
間一髪 早かった

ユノさんが拾ったもの
それは
僕が毎日のように書き殴っている
例の日記だった





しかも
さっきまで書いていたページに
強くクセがついていたようで
開いたままの状態で落ちた

「あ ユノさん
すみません」

僕は焦って
そのノートを取ろうとした

でもユノさんは
真剣な顔になり
そのノートを僕から遠ざけたのだ

「ユノさんっ」

手を伸ばして取ろうとしても
ユノさんは開いたノートを凝視したまま
僕から離れた

「お願いです ユノさん」

どうしよう・・・

僕の日記みたいなものを
読まれている

変態だと思われる

気持ち悪いと思われたら僕は

ユノさんに嫌われたら僕は・・・






ユノさんを追いかけた

「お願いです 
読まないで返して お願いっ」

僕は泣きそうになりながら
懇願した

それでもユノさんに真顔で制止され
僕は その場に立ち尽くした





もう顔が上げられない

お願いです

ユノさん そのノートを返して・・・





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