HOTEL T の秘め事 50階
~ Yunho side ~
どうして チャンミンを
ここに連れてくる気になったのか
北海道行きに手を挙げたと聞いて
俺自身 どうしていいか わからなくなったのだ
見晴らしのいい この墓に眠る女は
付き合っていた期間こそ短かったけれど
俺とは それなりに普通にいる
男女のカップルと変わらない間柄だった
学校の帰りは大抵一緒だったし
休みの日には強請られてデートもした
身体も知っている
自信たっぷりの女だったけれど
面倒見はよく後輩からも人気があったし
妹のジへを本当に可愛がってくれた
労を惜しまずに よく気の付く女だった
どちらかというと
モテた俺が簡単にフラれてしまうのだから
その実 俺にはそんなに魅力がなかったってことなんだろうな・・・
なのに
未だに寄って来る男女は多く
不思議なほど不自由しない
俺もシウォンも 女という生き物には
ちょっとしたトラウマが残っていて
この悲惨な一件のあとは
"付き合う" という行為を避けるようになった
シウォンはそもそもゲイだし
俺もまだ若いというのもあり
楽しく その場限りの性欲の捌け口があればいい
そんな風に考えるようになったのだ
そのせいか 寄ってくる相手を抱くときに
感情は全くない
なのに
何故か チャンミンには固執している俺
チャンミンを
ここに連れてくる気になったのは
シウォンから チャンミンのことを聞いたことも
理由の一つ
まさか シウォンがチャンミンを・・・
その時の胸の奥のざわめきを
何と表現したら正解なのか?
俺は まだ知らない
ただ チャンミンをここに連れてきて
俺のことを知って欲しかった
そして この墓に眠る元カノと
もう縁を切りたいという漠然とした思いを
確かめたかった
人に対して何の感情もない俺が
初めて抱き続けたいと思った相手がチャンミン
そして 何度も抱いた・・・
その理由が
やっと わかりかけてきたというのに
チャンミンは北海道へ行くという・・・
自分でもよくわからない感情を
はっきりと確かめるために
今日を最後に
暫くチャンミンとは会わないでいようと思った
墓の前で手を合わせながら
心の中で静かに女にサヨナラを告げる
チャンミンを手放すつもりはサラサラないが
一度 距離を置いてみるのも悪くはないだろう
だから今日のデートは楽しもうと思う
合わせた手を下ろし
横にいるであろうチャンミンをチラリと見ると
少しだけ潤んだ瞳で俺を見ていた
深い湖のような色
時が止まったように
俺は その瞳を見つめ返した
💗 💗 💗 💗 💗 💗 💗 💗 💗 💗
二人が見つめ合う姿って
いいんですよね〜\(//∇//)\
その光景を妄想するだけで潤います🤤
ポチっと応援よろしくお願いします❣️
↓
にほんブログ村