癒しの T-Garden 赤い海の旅人

紫色の誘惑 93

紫色の誘惑 91〜100





ふんわりとユノさんに包まれて
一瞬 硬直したけれど
暗さのせいか恥ずかしくはなくて


それよりも懐かしい感じがして
身体の力を抜いて 目を閉じた・・・





しばらく立ったまま
直立不動でハグされていた





ユノさんのぬくもり 久しぶりだ
どうしてこんなに安心するんだろう?


ふわりと薫るユノさんの匂い
こんなにも安心するなんて
俺はやっぱりユノさんに飢えていたんだ





『ありがとう 急だったのに来てくれて』


俺の背中をポンポンと叩き
身体を離したユノさん


『髪 伸びたね・・・』


俺の前髪に触れる


『チャンミンは短くても長くても
どんな髪型でもカッコいいよな』


「ユノさんこそ 髪伸びましたね
ますますモテちゃうんじゃないですか?」


本当はますますカッコ良くなったって
言いたかったけど
言えなかった


ますますモテるんじゃないかとか
言いたくないことを言ってしまう


女たちに囲まれてるユノさんなんて嫌だ
他の男に優しくするのも嫌だけど





「俺のこと 怒ってますよね?
大阪に転勤になったこと言わなかったから」


『ああ 怒ったよ 何でなんだよ?って』


「ごめんなさい
そのうち こっちの生活にも慣れて落ちついたら
言おうと思っていて」


『ミノくんがお店にちょくちょく来るからね
そのたびに ”俺のチャンミンは?” って聞くウザイヤツがいるだろ?
すぐにわかったよ』


思わず笑いがこぼれる


「シウォンさんですね?」


『チャンミンはさ いつの間にか
”Paper Moon” の人気者なの
勝手にいなくなろうったって回りが許さないって感じかな』


「そんな 別に勝手に」


そこまで言いかけて 
確かに勝手に見えるだろうなと思ったから 
言うのをやめた


「ユノさんに言わなかったことは謝ります」


言わなかった理由がユノさんのことだなんて
言えないもんな


『いいよ もう わかったから
何でも知ってるミノくんが俺の味方だからね!』


笑いながら窓の外に目を向けるユノさん


「アイツ ミノは本当にお喋りなんだから」


『なんだかんだ言ってもミノくんも
チャンミンのこと気にかけてる』


「そうですね ありがたいです」


『また みんなで店に来いよ』





窓の外を見ながら話していたユノさんが 
俺の方を向いたから
ふとユノさんの目を見る


目が合うと
慌てたようにユノさんが目を逸らした


『チャンミン 上のバーに行こう』


俺の手を引いて歩き出す


「ユノさん?」





部屋を出て エレベーターに乗って
最上階のバーに入るまで
ずっと手を繋がれていた


ユノさんは無意識なのだろうか・・・?


俺の手を握りっぱなしだということに
気づいていないのだろうか?


気づいてないのなら
このままにしておこう


こんな夜があってもいい





『今日はさ 俺の決意を聞いてもらうつもりで 
チャンミンに会いにきたんだ』


頼んだお酒が運ばれて
乾杯をした途端に ユノさんが切り出した


『俺 アッコにはちゃんと自分の気持ちを話したよ
アッコの思いに報いることはできないってね』


「そう ですか
で?アッコさんは納得してくれたんですか?」


『納得も何も全くその余地はないから諦めてくれって言ったよ』


「キツイなあ 
アッコさん ショックだったでしょうね」


『その代わり俺の本心が知りたいって言うから』


「本心?」


『うん ”ユノの好きな人が知りたい” って』


「・・・で?」


『言ったよ 本当のこと』


「・・・」





この先を聞いてみたいという気持ちと
聞きたくない気持ちが
俺の胸の中で喧嘩した





🍫 🍫 🍫 🍫 🍫

チャンミンのソロ💜
盛り上がってますね〜💖💖💖
31日から毎日午前0時にティーザーが解禁になります❣️
もうチャンミンがカッコ良くて💝💘💗💞💓
息がとまりそうでした
また改めて💜

Bさん 8時!に直しました♪ ありがとうございます♪
Hさんもいつもありがとうございます♪



読んでくださりありがとうございます♪
応援よろしくお願いいたします♪



にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ
にほんブログ村



スポンサーサイト



紫色の誘惑 92

紫色の誘惑 91〜100





タクシーで ほんの2、3分
新大阪の駅からすぐ近くのホテルまで
俺たちは無言だった


カーブでちょっと体勢をくずした俺が
ユノさんの肩にぶつかって
更に緊張する





『ちょっと待ってて チェックインするから』


ホテルに到着すると 
すぐにユノさんはカウンターで手続きをし
ルームキーを持って こちらに歩いてきた


ビジネスホテルだからか従業員は着いてこない


『部屋に荷物を置いてから上のBARに行こうか』


どうしたらいいのか わからない俺の様子を気にしてか
ユノさんがふり返る


『どうしたの? チャンミン早く来て』


「俺だけ先に BARに行ってなくてもいいんですか?」


なんか変なこと 言ってるな俺


『何 言ってるの? 部屋に来てよ 一緒に行こうよ』


「・・・はい」


ユノさんが今夜泊まるホテルの部屋
それだけで 
何故 こんなにもドキドキするのか?


そもそも ホテルの人に怪しまれないか?
予約もしてない俺が一緒にエレベーターホールに向かうなんて・・・


しかも しかもだ
男2人でさ
どうしても ドギマギしてしまう


『チャンミン? もしかして緊張してるの? 
大丈夫だよ ほら来て』


無言で乗り込むエレベーター
フっと下を向いて笑うユノさん


『別に チャンミンを食べたりしないから安心して
荷物を置くだけですぐに出るから』


「食べる? 別にそんなこと思ってないし」


目がギョロっと反応したのが自分でもわかる
きっと 凄く変なことを考えて緊張していると
思われてるんだ


『じゃあ そんなに緊張することないだろ?
オカシイな チャンミン』


「緊張なんて」


してるけど・・・


『いくらチャンミンのことが好きでも
無理矢理 押し倒す趣味はないからさ
アハハハ』


「もう バッ バカにして」


『だって チャンミンがなんかおどおどしててさ
変なんだもん』


今日のユノさんは少し意地悪だ
なんか いつもと違って調子が狂う


バカみたいに緊張してることが伝わって
きっと バカにされてる





部屋は エレベーターホールから一番遠い角部屋だった


『ほー ビジネスホテルでも侮れないな
チャンミン 見て見て? 綺麗だよ』


「わぁっ! 綺麗」


20階のその部屋はカーテンが開かれていて
大阪の夜景が一面に広がっていた


部屋の電気をつけずに
窓際に移動して
眼下に広がる東京とは違う夜景に
暫く2人とも見入っていた


ビジネスホテルとは言うけれど
結構大きくて ロビーも広かったし
この部屋も 思っよりもずっと広い


しかも ツイン・・・


圧迫感など全くない ゆとりのある部屋





部屋の暗さにも慣れてきたころ
ちらっと隣りを見ると
目をキラキラさせたユノさんが 
嬉しそうに外を見ていた


横顔 綺麗だな・・・





シュッとした顎のライン
端正な顔立ちのユノさんに見惚れていると


『なんか ついてる?』


ユノさんがこっちを向く


急に間近で目が合って凄く動揺した





『チャンミン 会えて良かった』


ユノさんが 自然にハグをした





🌃 🌃 🌃 🌃 🌃

昨日 志村けんさんが
新型コロナウィルスによる肺炎で亡くなりました😢
子供の頃 家族で観ていた番組
【8時だよ!全員集合】
東村山音頭は今も歌えます🎤
ドリフターズとしての活動を終えた後の
ピン芸人としてのご活躍は多くの方の知るところですよね
お茶の間にたくさんの笑いを届けてくれました
ご冥福をお祈りいたしますm(_ _)m



読んでくださりありがとうございます♪
応援よろしくお願いいたします♪



にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ
にほんブログ村



紫色の誘惑 91

202003301438355b4.jpeg






ええいっ もうっ!


ユノさんが突然電話を?
何をそんなに急ぐの?


わけがわからないけど 
半ば やけになって覚悟を決めた


財布と携帯だけ小さいデイパックに入れ
スポーツブランドのハーフジャケットを羽織ると
俺は私鉄で新大阪駅に向かった





どうせバレてるんだ
家に行ったら いなかったのだから
ミノにでも聞いたんだろう
アイツ教えたな


電車の中でミノにラインを入れた
さっきのユノさんみたいに


「ミノ 俺に何か言うことない?」


なかなか既読にならない
メグちゃんとデートか?


仕方ないな
ユノさんに会ったら何て言おうかと考えながら
新大阪駅に向かう電車の車窓から外を眺めた





気が重い
ユノさん きっと怒ってる
うなだれて指定された場所に向かう


新幹線の改札にほど近い
タクシー乗り場はわかり易い場所だった





後ろ姿でも すぐにわかる
スタイルのいい長身の男性
黒いカジュアルな上下に身を包み 
リュックを背負ったユノさんがスマホを見ていた


相変らず カッコいいな・・・


その後ろ姿を見ただけで
熱くこみ上げてくるものがあることは


今 ここで胸の奥にしまおう





ユノさんまであと10メートルくらいのところで
一旦 立ち止まり
フーッと大きく息を吐いた


そして 少しずつ近づいていく


「お待たせしました・・・」


後ろから声をかける
ゆっくりと振り向いたその姿は


ああ 変わらない その瞳


『・・・』


ユノさんは無言で俺を見るが
その顔は怒ってはいなくて
何故か 
懐かしいものを見つけたときのように
アーモンドアイが 少し潤んだように見えた


2人の視線が絡んで
暫く言葉が出なかったし
回りの雑踏も全く耳に入ってこなかった


そう まるで この世に2人しか
存在しないかのように・・・








『チャンミン・・・』


先に口を開いたのはユノさんだった


『元気だった?』


さっきまでの電話が嘘のように
その声は優しくて
慈しみさえ感じさせた


「はい お待たせしてすみません」


本当は聞きたいことがたくさんある


どうして急に?とか
話って何?とか
誰に聞いたの?とか
どこまで知ってるの?とか
でも 言葉にならない


胸が詰まって
「お待たせしてすみません」 だなんて
そっけない挨拶
それだけ言うのがやっとだった


なんか 無駄に緊張する





『元気そうで良かったよ
心配したから』


「すみません」


向かいあって 少し下を向いたり
ぽつぽつと話す男2人は
よく見れば変な光景だったと思う


でも 初めてのデートに誘われた中学生みたいに
俺たちは ぎこちなかった





「あの・・・」


『あのさ・・・』


このまま ここでずっと
立ったまま話すっていうのもなんだし
どこかお店にと思って
声を発したのは 殆ど2人が同時だった


『ここじゃなんだからさ 別な場所で話そう』


「はい そうですね」


こういう場合って
じゃあ 俺のうちへとか
誘う方がいいのかな


それとも何処か
コーヒーでも飲みながら話せるところを探すべき?
夜だし お酒のほうがいいのかな?


あ でも大切な話なら 
お酒は入らないほうがいいに決まってるし
頭の中が一瞬にしてぐるぐると回る


そもそもユノさんの話って何だろう?
何で わざわざ新大阪まで来たんだろう?





『チャンミン』


「はい」


はっと我に返る


『ここの近くのホテルを取ったんだ
中のお店で話さないか?』


「はい 泊まりですか?」


『こんな時間に来て もう帰れないだろ?』


そりゃそうだ
つならないことを聞いてる自覚は十分にあった


タクシーに乗り込むと
ユノさんがホテルの名を告げた





読んでくださりありがとうございます♪
応援よろしくお願いいたします♪



にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ
にほんブログ村



紫色の誘惑 90

紫色の誘惑10





『チャンミン 
今週末にでも 少し会えないかな?』


ほんの数日前 
そう言ってきたユノさんに


「週末なら」 と返事をしていた





丁度 本社に顔を出すことになっていて
出張予定が組まれていたから
土日も東京で過ごそうと決めていた


なのに
突然の電話





缶ビールを1本開けて
冷蔵庫から2本目を取り出そうと
ソファーから立ち上がったときだった


スマホが着信を知らせる


『チャンミン? ユノだけど』


「ユノさん どうしたんですか?
珍しいですね 電話なんて」


『そう? 今何処?』


「あ 家です」


『何処の?』


「えっ? 何処って 自分の家ですけど」


変なことを聞くな~と思っていたら


『ふーん そう
で? 何処の家?』


「えっ? 何処って・・・」


あっ!!!


ユノさんは俺の家の場所を知っていたのだ


あれは 初めて2人で海にドライブに行った日
俺の家まで迎えにきてくれて
帰りは送り届けてくれたんだった


つまり 家の場所を知っているということで
何処かと聞いてくると言うことは


もしかして


まさか 俺が住んでいたマンションに行ったとか?





サーっと血の気が引くような感覚に
手足まで 冷たくなった気がした


「あの・・・」


口ごもっていると


『チャンミン 家がいくつもあるんだ?
俺にも教えてくれないかな? 今の家』


口調に少し怒りを感じるのは
自分に 後ろめたい思いがあるからか・・・


ユノさんの言葉は 普段の雰囲気とは全く違う
とげとげしい言い方だった





「あの ユノさん?
何か 怒ってますか?」


『別に・・・』


いや 明らかに怒っているだろ?


「ユノさんこそ 今何処ですか?」


『チャンミン 俺に何か言うことないわけ?』


「・・・」


『俺 別に酔ってるわけでもないよ?
真面目に聞いてる』


「ユノさん・・・」


『今 何処の家にいるの? 
それとも
誰の家?って聞いた方がいいかな?』


やっぱり怒ってる


俺にはいつも優しいユノさんが
明らかに怒ってる


ここで冷静にならなければと言い聞かせた


「ユノさん どうしてそんなことを聞くんですか?」


さりげなく言ってみた


『話したいことがある 週末まで待てない』


「急ぎですか?」


『そう急ぐ だから今から会いたい』


「えーっ!!! 今からですか?」


マズイマズイ これはマズイ
なんとか ごまかさなければ


口の中が瞬時にカラッカラになるほど
俺は焦った


『家にいるんだろ?
なら ちょっと会えるよな?』


「あ・・・それが・・・」


『それとも 名前 変えたの?
表札が ”シン” になってるけど』


あ~あ
やっぱり 行ったんだ
俺のマンション


俺の名字はシムだ
名字が変わることなんてあり得ない


知っていてわざと聞いてくるのは
怒っているからだ





これ以上は隠せないと悟り
ふーっと大きく息を吐いた


「ユノさん 俺のマンションに行ったんですね?」


『随分冷たいんだな チャンミン
少しショックだったよ』


「すみません
今日は その 会えなくて」


今からなんて会えるわけがない


『少しでいいんだけど』


「それが その・・・」


『なら 新大阪の駅まで出てこれる?』


「えっ?」


今 新大阪って言ったよな?
なんでユノさんが?


まだ親以外には誰にも
住所さえ伝えていなかったのに・・・


『聞こえない? 新大阪なら来られるだろ?』


大好きな低い声


”近くにいるんだから 
来られないわけないよな?” という
無言の圧力をかけられて
有無を言わさぬ言い方に 
俺は 観念した


小さい声で 
「はい・・・」 と返事をした





読んでくださりありがとうございます♪
応援よろしくお願いいたします♪



にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ
にほんブログ村




紫色の誘惑 89

紫色の誘惑10





サリーから電話をもらってから数日後
ミノとサリーには 
大阪転勤を承諾したことを告げた


ユノさんには言わないでほしいと付け加えて・・・





どうして?と落胆するサリーには
少し時間をおいてユノさんに対する気持ちを
整理したいという思いからで
決して このままサヨナラするつもりではないからと
何度も理由を話して ようやく納得してもらった





俺の真意を知らないミノは 俺のしたいようにしろと言い
サリーは行く前にユノさんに話すべきだと
強く勧めてきた


けれど やはり少し時間をおいてから
店に顔を出すつもりだと言って
渋々わかってもらったような感じだった





別に海外に行くわけではない
帰ろうと思えば いつでも東京に帰れるし
店に顔を出すことだってできる


新しい環境で仕事に慣れながら
それでも毎日ユノさんへの気持ちが
変わらないのならば
来春 桜の咲く頃には想いを伝えてみよう


そう決めていた





一つ気になるのは
ユノさんの意中の人の存在
それが自分なら どんなに嬉しいか


もし違ったら・・・
その時に言うセリフも
考えておかなければと 
随分と先のことまで考えて
引越しの準備を進めた





男の俺が 
男のユノさんに気持ちを伝えることって
そんな簡単じゃない


相手は同性だ


もし受け入れてもらえなければ
今までとは関係が一変する


気持ち悪がられて
もう2度と会うことも叶わなくなるだろう


だからこそ慎重にするべきなんだと
自分に言い聞かせた


俺一人がこんなに悩んでいても
いざ告白したら
ユノさんは意中の人とうまくいっているかもしれないのだ


拒絶されれば
それは2人の全ての関係が終わることを意味するに他ならない


万が一 軽蔑されて
その時点で 
”友達” でも ”知り合い” でもなくなった場合を考えると 
怖いけれど それでもしっかりと生きていけるように
心構えが必要だった


そのための逃げ場を作っておく必要が
俺にはあったのだ





ユノさんと2人で海に行ってから
そんなに時間も経っていないのに
いつの間にか 吹く風は冷たく
コートなしでは外を歩けない季節に変わっていた


もうすぐ年の瀬
今年は紅葉を見る余裕もなかったな


社会人て結構いつも忙しいんだって
今更ながら気づいた





年始からの勤務に備え
引っ越しを済ませ
大阪に移ってから数日後


テレビは年の瀬に向けて
年内の総まとめ的な番組が増えつつあった


前任者との引き継ぎがあり
12月中に大阪支店に移ったが
新しい職場と仕事に慣れることに必死で
自分からは誰にも連絡を取らない日々が続いた





ユノさんからはたまに連絡が入ったけれど
当たり障りのない近況だけだったから
助かっていた


ミノは相変わらずあの店に通っているみたいだ
シウォンさんたちから
俺のことも聞かれるみたいだけど
忙しいと言って誤魔化していると言って笑っていた





その日も
仕事を終えて いつも通り 
最近通い始めた定食屋で夕食を済ませ
コンビニで ビールを片手に部屋に戻り
シャワーを浴びて ソファーに腰を下ろした


夏でも冬でも
結局 まずはビールなんだな


季節限定のビールの缶を開け
始めの一口を流し込んだ





🍺 🍺 🍺 🍺 🍺

東京はコロナ感染者が芋づる式に増えて
私の勤める会社も 今週から
在宅勤務の日が入ることになりました
トイレットペーパーやティッシュは何とか買えるようになりましたが
マスクが手に入らないので
家の在庫がなくならないように
数日同じマスクを使ったりもしています
今は全世界の人々が我慢の時期なんでしょうね
一人一人が 感染しないさせないための地道な努力と
特効薬のワクチンの開発が今一番必要なこと
地球が試されているような気もしています
ユノチャミ不足の皆さま
それぞれ どんな日々をお過ごしでしょうか?
私Minkは頭の中はいつも東方神起ですが
ライブDVDを観られるわけでもなく
スマホの中でのトン活となっています(笑)



読んでくださりありがとうございます♪
応援よろしくお願いいたします♪



にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ
にほんブログ村




紫色の誘惑 88

紫色の誘惑10





あれから ”Paper Moon” には行っていない
ミノからも色々詮索されたけど会わなかった


「そのうち話すよ」


それだけ返すと
ミノも気を遣ったのか 何も言って来なくなった





ユノさんからは たまに連絡が入り
近況を教えてくれる


お店は変わりないこと
アッコさんを はっきりとフッたこと
アッコさんもあの現場を見ていたこと
サリーも見ていたことをアッコさんに聞いたこと


それから 
アッコさんが俺に嫉妬したこと


簡単な連絡だったけれど
アッコさんのことは予想通りだった


『チャンミンにまで迷惑をかけて申し訳ない』


その言葉が繰り返された


男同士なのにキスまでして
俺がそういう性癖の男だというふうに
誤解されたら申し訳ないということなのか?


それとも ユノさんに全くその気がないのに
うっかりキスなんてして申し訳ないとでも思っているのか?


別に無理矢理バージンを奪われた女の子でもないけれど
じゃあ あのキスは何だったの?


海でのキス 


俺からの衝動的なキス


ユノさんからのおあいこのキス


何度もキスしているのに
全部 ”申し訳ない” ことなのか?


なかったことにしてほしいとでも?


俺はユノさんの気持ちがわからなくて
少し苛立ってきた


いつまでも申し訳ないで済まさないでほしい
俺は ユノさんにとって何なのだろう?


サリ-が言ったことが本当ならば
ユノさんも自分の気持ちに気づいて悩んでる?


それとも後悔してる?


少しは俺のこと そういう目で見てくれてる?


諦めなければいけないという思いと
サリーの言葉で現実味を帯びて来た
一縷の可能性を信じてしまう単純な自分の思いとの狭間で
いらつくことの繰り返しの日々





そんなある日
サリーがアッコさんと会ったと言ってきた


”どうして チャンミンを
ちゃんと捕まえておかないのか?”
って叱られたらしい・・・


サリーは俺に電話してきて


”好きな男が 本気で好きになった相手が男だったから
それは 逆立ちしても叶わないから諦めたのだ” と答えたと言っていた


そもそも 男と女では
最初から立つ土俵が違うのだと・・・


”長年 女性を好きだったチャンミンが
男性を好きになったということは かなり本気ってことよね
自分には 1ミリたりとも入る余地はないと思った”


とも言っていた・・


そういうものか・・・ 


そして サリーはこうも言った


”チャンミンが好きになった女性が
性格の悪い嫌なタイプの人だったら悲しすぎるから
そんな女とくっつかれるより
男のユノさんの方が断然いいの
チャンミンはカッコ良くて美しいのよ
だから相手にもそれ相応のレベルが必要
ユノさんみたいな素敵な男性なら申し分なし!”


だそうだ・・・


そして
”上から目線で身勝手な言い分でごめん
でも チャンミンにはユノさんがお似合いだから” と
何度も言われた





アッコさんは サリーの逆だそうで


”どうして 女である自分が 
男のチャンミンに負けなければならないのか”
と言ったそうだ


同じ女でも随分考え方って違うんだな


そう考えると
俺には一生 女心はわからないかもしれないと
複雑な気持ちになった





肝心なユノさんの気持ちが読めないまま
数週間が過ぎ
ユノさんの気持ちを確かめたいという思いがどんどん増していく


ただ 俺を見るアッコさんの
嫉妬に満ちた悲しそうな目が頭から離れなくて
いけないことをしているような
そんな気分になる日が多くなった





サリーもユノさんも俺には優しい
周りの人達もなんとなく
俺とユノさんをくっつけようとしているみたいだったけれど


出逢ってまだ日の浅い俺が
ずっとユノさんの傍で彼を見て来た幼馴染みたいなアッコさんの思いを
簡単に潰してもいいようには思えなかった


結局 自分がいなければ
全て丸く収まるんじゃないかとも考えるようになってしまった





環境を変えれば
一時の気の迷いなのか
それとも本当に本気なのか
自分の気持ちの正体がわかるかもしれないと思い


俺は
少し前に会社から話があった


”転勤” の辞令を受け入れた・・・





読んでくださりありがとうございます♪
応援よろしくお願いいたします♪



にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ
にほんブログ村



紫色の誘惑 87

紫色の誘惑10





~ 困惑 by Yunho ~


まさか アッコがあんなに 
取り乱すとは思っていなかった・・・





本当のことを伝えたほうがいいのか
いくらアッコを納得させるためとはいえ
チャンミンに迷惑をかけるわけにはいかない


チャンミンはストレートだ





パーティーの時のアッコの様子を見て
今のままではいけないと
なんとかしなければならないと
気持ちは焦るばかりだった


きっと チャンミンも嫌な思いをしただろうと
ハロウィンパーティーの夜
気になって電話をした


『チャンミン 今日は悪かったな
俺が軽はずみなことをしたばかりに
アッコがあんな態度で・・・
チャンミンも居心地悪かったよな』


「もう気にしてませんから・・・
大丈夫ですよ」


『しばらく店には来ない方がいい』


「言われなくても行きません」


ちっ!


可愛くないな


『悪かったよ
アッコには何とか話をつけるから・・・
また 連絡するよ』


「ユノさん・・・
アッコさんに 優しくしてあげてください」


『ん サンキュ』





本当は相当嫌な思いをしたはずだ
それなのに アッコに優しくしろだなんて


アッコは何故?
あんなにチャンミンに対して
敵対心をむき出しにしたのか?


今まではそんなことはなかったのに・・・


一度 アッコと話をしなければならないと
腹をくくった





開店前の ”Paper Moon” は静かだ


数名の従業員が もくもくと
掃除や仕込みなどの開店準備に余念がない


俺は少し早く出勤し アッコを呼び出して 
店の外で話をした





『アッコ この間は悪かったな・・・
せっかく用意してくれた牙を落としたりして』


”いいよ 見つかったから
で? 話って何?


『あのさ・・・』


いざアッコを前にすると
心を鬼にしきれない自分がいる


『俺さ・・・』


どういう言葉を選んだら
目の前のアッコを傷つけずに済むのか


俺に対して
ずっとずーっと前から好意を寄せてくれていた
信頼する先輩の妹になんと言えばよいのか・・・


次の言葉が見つからなくて困っていると
アッコが話し出した


”ごめんね ユノ・・・
困らせてごめん
私 今までこんな風に思ったことなかったから
自分でも止められなくて・・・”


『俺が困らせるようなことをしたんだよな』


”ううん 違う
いいの もう いいの”


何がどういいんだ?


”今まで ユノが 
どんな綺麗な女の人に言い寄られても
誰と出かけても全く気にならなかったし
心配もしてなかった・・・
だって ユノはみんなに優しいから・・・
誰とつきあっても長続きしないし
特別な人はいないんだって思ってた
いつか 私がユノの隣にいることを許される日が来るかもって
そんな風に 勝手に思ってたの”


『アッコ・・・』


”でもね そんな日が来る保証なんてないのにね
心の片隅で もしかしたら・・・っていうわずかな望みにかけてた自分がいたの”


アッコは 俺の目をしっかりと見て話を続けた


”でも チャンミンさんの登場で 何かが変わったの
ユノに言い寄るあらゆる女の人達と全く違う何かを感じたの・・・
チャンミンさんはね 何か 別なの”


『・・・』


やはり 何か感じてる・・・?


”こんなこと 認めたくはないんだけど
チャンミンさんに嫉妬したのよ 私
おかしいでしょ? 男の人なのに
それに チャンミンさんはいい人なのにね”


『・・・』


”ユノが チャンミンさんに対しては
他の誰とも違う扱いをしているように感じて
ずっと見てた・・・
そうしたら やっぱり 
ユノがチャンミンさんに対して
特別な感情を抱いているのがありありとわかって
嫉妬しちゃった・・・
どうして?って どうしてなの?って
チャンミンさん 綺麗だけど男でしょ?
ユノはそういう趣味じゃないと思ってたし
大学時代も普通に女の人とつき合ってたじゃない
なのに何で?って
そんな思いばかりがぐるぐるしてるの 今も”


『アッコ・・・』


言葉を挟む余裕もなく
アッコが話し続ける


”きっと ユノは本気なんだって思えて
一度そう思ったら どうしようもなく悔しくて
どうして男の人なの?
サリさんみたいに綺麗な女の人ならまだしも
何でチャンミンさんなの?
私にも向けたことのない優しい顔で
キスしてるのを見た時
もう頭の中が真っ白になったの”


『アッコ 見た・・・のか?』


”サリさんが ユノを追ってお店の外に 
出て行ったのが見えて 後からそっとついて行ったの
そうしたら サリさんの向こうに”


『サリちゃんも 見てたのか?』


ああ 何ていうことだ


もう 隠しようがないじゃないか


『あれは・・・』


”いいよ 誰にも言わない・・・
ユノの本当の気持ちが知りたい
チャンミンさんのこと 好きなんでしょう?
あの・・・好きっていうのはそういう意味で・・・”


女の子に ここまで言わせてる俺って・・・


『チャンミンのことは好きだよ?
でも それがどういう好きなのかは
自分でもよくわからない・・・
第一チャンミンには好きな女性がいるよ
だから チャンミンにも迷惑をかけてしまって
反省してるんだ』


”チャンミンさん 迷惑だなんて顔はしてなかった”


『アッコ・・・』


”私にはどう見ても相思相愛だよ
2人が自分の気持ちを隠してるようにしか見えない
女ってね こういうとこよく見てるのよ
特に自分の好きな人のことはね
応援はできないけど ユノの気持ちはなんとなくわかった”


『アッコ 誤解だよ
チャンミンだって迷惑してるだろうから』


”ほら そうやってチャンミンさんを庇う”


『庇うって・・・』


気づけば やっぱり
俺はチャンミンのことばかり考えている


『アッコの気持ちは 有り難いと思ってた
でも 俺はその思いに応えることはできそうにないんだ
こんな俺を好いてくれて感謝してる
でも 今はそれしか言えないんだ』


今にもこぼれ落ちそうな涙を 
必死にこらえてるアッコ


”わかってた・・・
何度もフラれてるから
今はちょっとキツイけどね”


下を向いて 寂しそうに笑ったアッコを
どうしてやることもできなかった


はっきりと断ることが誠意を見せるということだと思った


”心配しないで
私 仕事はちゃんとするから
だから ユノも私に対して変に意識したり
申し訳ないとか思わないでね
余計に悲しくなるから・・・”


回りにこんなに気を遣わせて
悲しい思いをさせて


男が男を好きになるって 
そんなにいけないことなのか?


チャンミン・・・


お前も


俺の気持ちは迷惑なのか?
本当のことを伝えることは
やはり 許されないのか?


世間では 思った以上に風当たりが強いのだということを
改めて思い知った日だった





コメントや拍手をありがとうございます♪
読んでくださり感謝しています
これからも応援よろしくお願いいたします♪



にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ
にほんブログ村




紫色の誘惑 86

紫色の誘惑10





あの店に通うようになってから
身の回りが何かと騒がしい


原因は全て自分


ユノさんに一目惚れをして


シウォンさんに口説かれて


ヒチョルさんにお世話になって


ドンヘさんにも迷惑をかけて


アッコさんに誤解された





みんな とても優しい人たちなのに
もっと仲良くなりたいのに
俺 もしかして引っ掻き回してる?


そんなことを考えながら歩いていた帰り道


”チャンミン 待って~”


後ろからサリーが追いかけてきた


”もう 相変らず歩くの早いんだから”


「サリー・・・」


”その顔 
私に聞きたいことがあるんでしょう?”


「さっきは助かったよ
ありがとう
でも なんでサリーが?」


”ふふ それはね
チャンミンがお店を出たあとに
ユノさんが追いかけて出て行ったのが見えたの
どうしたのかな?って 思って
私も外に出ちゃったのよ”


「それって・・・」


もしやサリーは見ていた?
ユノさんと俺のキス


”ごめんね 
見るつもりじゃなかったんだけど
偶然 ね ごめんなさい”


「・・・」


マジか・・・


そんなストレートに謝られても・・・


「サリー あれは・・・」


究極に恥ずかしい
サリーが見ていたなんて


どう言葉を返したらいいのかわからなくて
バツの悪さを感じていた


”いいのよ 弁解しなくても
私 わかってるから”


「何が わかってるって?」


”チャンミン
もう 自分の気持ちに気がついてるんでしょ?
わかるのよ・・・”


一体 サリーは何を言いたい?


「サリー 何を言ってる?
あれは・・・」


どうしても弁解しなくてはならない
ユノさんの名誉のためにも・・・


ふざけただけだと言うつもりだった


でも その前に
サリーが先に口を開いた





人通りの少ない夜道をサリーと並んで歩くのは
どれくらいぶりだろうか


大きな銀杏の木のたもとで
足を止めた


”私がユノさんのことを好きだなんて嘘よ?
あれはカモフラージュ”


「???」


サリーの言葉がぐるぐる回る


”私は 今もチャンミンが大好き
まだ 愛してる・・・
あなた以上の人には 
なかなか巡り合えそうもないみたい”


肩をすくめてペロッと舌を出した


可愛いな・・・


”もう 2人を見ているともどかしくて・・・
ユノさんのこと好きならば
”当たって砕けろ!” よ?”


「ちょっと待ってよ サリー
なんでそうなるんだよ」


”理由なんてないわよ
ただ チャンミンに幸せでいてほしいだけ”


「サリー・・・」


”チャンミンが ちゃんと自分の気持ちに向き合って
前に進んでくれないと・・・
私も 1歩が踏み出せないの”


サリー 


今日はなんという一日だ


ユノさんを好きになる前の俺だったなら
こんなにも健気なサリーを
このまま家に帰したりはしなかったはずだ


胸が締め付けられるような サリーの気遣い・・・


「サリー ありがとう
こんな俺をまだ好きでいてくれて」


”ほんと 早く違う人を好きになりたいわ
今のままじゃ チャンミンのことだけで
一日中頭がいっぱいだもの
思った以上に世話が焼ける2人だわ”


「2人って・・・」


”わかってるくせに”


サリーは全てお見通し?


”私がどうしてすんなり別れを承諾したと思う?”


「・・・」


ただ俺の意見を尊重してくれたんだと思っていた


”チャンミンの気持ちに気づいたからよ”


「俺の 気持ち?」


言葉が出て来ない俺に サリーは言った


”自分の気持ちに 正直に向き合ってみたら?
きっと チャンミンの好きな人も
チャンミンのこと見てる・・・
2人を見ていればわかるの”


「・・・」


”ユノさんは きっとチャンミンが好き
あなたのこと 特別に思ってると思うの
間違いなく”





ここまで言われたら 認めざるを得ない


「サリーは凄いんだな・・・
言う通りだよ
俺 ユノさんのこと 好きみたいだ
可笑しいだろ? 男なのに」


”きちんと 向きあってみてね
きっと 上手く行くわ”


「ユノさんはストレートだよ
好きな女の人がいるんだよ」


”チャンミンだってストレートよ?
私とつきあっていたじゃないの”


「まぁ そうだけど」


”それに・・・
女の人だって 言ってた? 
ユノさんは好きな人が女だって言った?”





「あ・・・」


言われてみれば 
好きな人 とか
叶わない相手 とか
ユノさんの口からは そういう曖昧な言い方しか聞いていない


女だとは ただの一度も聞いていない


ハッとした


でも まさか な・・・


”ユノさんの好きな人って 
女性じゃないような気がするの”


「でも・・・」


頭の中の整理が追いつかない


”いつまでも 世話焼きばかりしてられないのよ
私だって 忙しいんだから”


「そうだね ごめん」


”サリー様は勘がいいの
知ってるでしょ?”


そう言って 少し威張るような仕草で
軽く俺を睨みつけた


いや でも・・・


”じゃ チャンミン 後悔だけはしないでね
アッコさんは あなたのライバルなんかじゃないわ”


そう言い残して 先にその場から去って行った


俺 かなり 情けないな・・・





💛 💛 💛 💛 💛

やはり お報せが来ましたね・・・
【XV】 の追加公演と15周年アニバーサリーイベントの見送り
わかってはいても とても残念です
コロナの終息が見えないこと 
その影響で
オリンピックが延期になったことで
会場を抑えることが難しいのだろうなと思います
東方神起に限らず エンタメ業界は
これからの活動の予定が決められないですよね
【XV】 の追加はなくなっちゃうのかな(涙)
DVD & Bru-ray はどうなるんだろ?
アニバーサリーイベントはできれば遅れてして欲しかったけれど
こうなったら16周年を盛大にしてくださいと願ってしまいます



読んでくださりありがとうございます♪
コメントもありがとうございます♪
応援してくださると励みになります♪



にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ
にほんブログ村





紫色の誘惑 85

紫色の誘惑10





少し取り乱したアッコさんに
ユノさんも困惑気味


やはり今日のアッコさんはいつもと違う


少し前から 何となく感じていた視線
アッコさんに見られているような感覚


全て納得が行った


彼女の嫉妬は間違いなく俺に向けたものだ
これで全てつじつまが合う


なんとなく いつも
アッコさんに見られているような気がしていた


彼女は警戒していたのだ
ユノさんに可愛がられる俺に嫉妬したんだ


そんなんじゃないのに・・・
アッコさん考え過ぎじゃないのか?


第一 ユノさんには好きな女性がいるんだし
俺に嫉妬されても それはお門違いというものだ





いつもの明るいアッコさんからは想像もつかない
思いつめたような苦々しい顔


完全に勘違いしている





確かに 
”牙が邪魔になるようなこと” はしたけれど
あれはユノさんにとってはゲームみたいなものだ
ここは誤解を解かないと
ユノさんだって困っているに違いない


「あの アッコさん・・・」


俺が話をしようとしたら


”あったわよ~
アッコさん ほらっ 見て見て
コレじゃない? 探していたユノさんの牙って”


サリー!!!


ニコっと笑いながら手に牙を乗せたサリーが
得意満面の面持ちでこちらに歩いてきた


サリーがどうしてそれを持っているの?
いつ拾いに行ったの?


サリーという女は本当に機転が利く


こんな知的で素敵な女性を
あっけなくフッてしまったことを
改めて申し訳なく思う





アッコさんはサリーを見て
”どこにあったの?” と聞いた


”お手洗いに向かうとこのテーブルの横に落ちてたわ
きっとカクテルを運んでいるときにでも
落しちゃったんじゃないかしら?”


”あ・・・ありがとう”


アッコさんは無言のまま
サリーの手から大事そうに牙を受け取った


サリーは 俺とユノさんに交互に微笑みながら
ミノたちがいるダーツのコーナーへ歩いていった





"アッコ よかったじゃないか?
それを持って今日はもう帰れ
なっ?"


兄であるヒチョルさんに促されて
ユノさんにすがるような目を向けたものの
何も言わないユノさんから俺に視線を移し
一瞥をくれて
アッコさんは大人しく帰っていった





サリー 感謝するよ・・・


心の中でお礼を言う


ユノさんにも笑顔はない


『チャンミン 悪かったな・・・
嫌な思いしただろ?』


「いいえ 大丈夫です
アッコさん何か誤解をしているみたいだから
ユノさんから話をしてあげてください」


『・・・そうだな』


「ユノさん アッコさんは本当にユノさんしか見えてないんですね
断っても断ってもあんなにはっきりと
意思表示をしてくるなんて・・・」


『・・・』


「ユノさんが意中の人と上手くいくこと!
これしかアッコさんが諦めることはできないと思います」


『そうだな・・・』


ユノさんは何が思い詰めたような表情で


『ごめん』 と言った


そんな辛そうなユノさんは見たくない





「俺 今日は帰ります」


『チャンミン・・・
また 来てくれるよな?』


「・・・」


あなたに逢えるなら来たいですよ


俺はヒチョルさんやミノ達に簡単に挨拶をして
家路についた


ユノさんの不安そうな瞳が忘れられなかった





不要不急の外出は避けてと都知事からお達しが😭
海外との行き来も益々厳しくなり😣
4月末の公演などは不可能ですよね😞
早くお知らせが欲しいところですが
オリンピックの予定も決まらないから
延期か中止かも決まらないのかな?




読んでくださりありがとうございます♪
応援よろしくお願いいたします♪



にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ
にほんブログ村



紫色の誘惑 84

紫色の誘惑10





ユノさんが
あまりに 『チャンミンチャンミン』て言うもんだから
回りから茶化され続けていい加減諦めたころ
ミノがユノさんの目を避けるように俺の耳元で囁いた


”チャンミン いつの間に?
ユノさんとそういう仲なのか?”


「えっ? 誤解だよ
皆 お酒が入ってるからふざけてるんだよ」


冷や汗もんだ


ミノに改めて聞かれると
何としてでも隠さなければと
かえって硬くなってしまう


”前にも チャンミンはユノさんのお気に入りって
言われてたけど こうなるとはね”


「ちょっ ミノ誤解するなよ
仲がいいってだけだから」


小さく睨んでみるけれど
ミノ以外は皆わかってるとでも言いたげな表情


まるで 
”野暮なことは聞くなよ?”
とでも言っているみたいだ


ドンヘさんやメグちゃん達に促されて
ミノはまだ信じられないという顔つきのまま
無理矢理 ダーツコーナーへ連れて行かれた





俺自身も予想外の展開で・・・


ついこの間までは 
諦めなくては!
忘れなくては!
って・・・


ユノさんから離れることばかり考えてた


なのに・・・


ユノさんとは
また今日みたいに笑い合えたり
一緒に出かけたりできるんだろうか?


今まで以上に明るく優しいユノさんを見ていたら
せめて一緒にいられる時間は
気にするのはやめようって思えるようになった





”あれっ? ユノ
そう言えば牙はどうしたの?”


今日はあまり表に姿を見せなかったアッコさん
カマンベールチーズのフライを手にやって来て
不思議そうにユノさんの顔を見る


『あれ?オカシイな?
どこへやったんだろう?
落したかな?』


明らかに一瞬動揺したユノさん
あのときだ
ユノさんが俺に近づきながら
さっと牙をはずして・・・


その仕草がやけにかっこ良くて
思い出すだけでも 
やっぱり赤面してしまう


温かくて優しいキス・・・


きっと今 俺は耳まで赤いんだろう


思わずアッコさんから目を逸らす





少し怪訝そうな顔をしたアッコさん
いつもの底抜けに明るい彼女とは少し違う 
今にも泣きそうな顔をしている


”せっかく 私がつけてあげたのに・・・”


『ごめん ごめん 落しちゃったみたいだな
探してくるよ』


あの牙は 店の外だ
ここで探したって見つからないのに
ユノさんはやっぱり優しい





”さっき 姿が見当たらないなと思っていたけど
どこかへ行ってた?
取れても気がつかないなんて”


やはりいつものアッコさんらしくない


すると 突然
ユノさんと俺の顔を交互に見て


”牙を取らなければならないようなことをしたの?”


真顔で聞いた・・・


まさか 見てた・・・?


”2人で 
牙がついてると邪魔になるようなことでもしたの?”


『アッコ!』


ユノさんが何か言いかけようとしたとき
後ろからヒチョルさんがやって来た


"アッコ 今日は具合悪いんだから
もう帰った方がいい
ユノ チャンミン 悪いな
気にしないでくれよ?"


”嫌よ 私がつけてあげたの!
ユノのために買ったものなの!
だから返してもらわないと帰れないわ!”


"アッコ我儘言うな
後で探しておくから"


必死で止めるヒチョルさんに
ユノさんが言う


『アッコ 悪かった・・・
必ず探しておくから
ヒチョルさんの言う通り今日はもう帰った方がいい』


それでも
アッコさんは 俺をじーっと睨み
まだ何か言いたそうで・・・


"じゃあ 早く探してよ
待ってるから
今すぐ探してよ
そうしたら 牙持って帰るから・・・"


涙ノ滲んだ真剣な眼差しで
ユノさんに訴えている





俺は どうしたらいい・・・?





読んでくださりありがとうございます♪
応援よろしくお願いいたします♪



にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ
にほんブログ村