紫色の誘惑 32
ユノさんは 本当にボウリングが上手で
ストライクを何度も出すから その都度 見惚れてしまった
ストライクを出した後のポーズが
何ともカッコよくて 親指を立ててサムズアップ!
ああ やっぱり カッコいい
ハグされたときに俺が固まったからか
その後は
ハイタッチでしか触れてこないけど
気づけば
”チャンミン” って呼ばれていた
サリーも ”サリちゃん” になっていて
お互いの距離が 少し縮まったような気がした
もう一度 ハグしてくれてもいいんだけど
ううん
俺からも していいかな?
でも アッコさんやサリーの目もあるから
できないか・・・
そこまでの勇気は まだない
ユノさんにはアッコさんがいるのだからと
少し遠慮気味にゲームを消化していく
”チャンミン どう?
おっ? すげーじゃん
えー? 何々? このチーム”
様子を見に来たミノが
チーム得点の高いことに驚いていた
優勝すれば
有名なイタリアンレストランのお食事券をペアでGETできる
食いしん坊な俺は それが楽しみでもあった
『ほら 次 チャンミンだよ?』
ミノと話している俺に
ユノさんが順番を促す
”いいなあ チャンミン
ユノさんと親しくなれて”
ミノが羨ましがる
そういうミノだって
”おーい 次 誰だー?
ミノー 順番だよー” って
ドンヘさんの声
いつの間にか
呼び捨てにされていた
ミノに羨ましがられて
少し舞い上がった俺は
ユノさんが選んでくれた 紫色のボールを
手に取った
そう 経験者のユノさんが
ゲームの前に 選んでくれたのは
”はい チャンミンさんはこれを使って?”
紫色のボールだったんだ
サリーには やはりグリーンで
ユノさんて面白いな
ユノさん アッコさん サリー
3人から 応援されて
最後の 10フレームに臨む
ユノさんとアッコさんのおかげで
優勝は決まっているようなものだけど
最後は またストライクを出して
ユノさんにいいところを見せたい
そして ハグされたい
しちゃおうかな?
どうせ ユノさんにはアッコさんがいる
男である俺の 思いが届くことはないだろうから・・・
ならば 少しでも楽しく傍にいたい
今日は 途中からそんな風に思えていた
男同士がハグしたところで 誰もおかしく思わないもんな
よしっ! 頑張るぞ
『チャンミン ファイティン!
最後のフレーム ストライクな』
「はい 頑張ります」
初めて ユノさんを見て笑えた
にっこりと 微笑むことができた
ユノさんは 少しびっくりしたような表情を
一瞬だけ 浮かべたけれど
すぐに 親指を立てて
顎を引いて 頷いてくれた
よーし!
ストライクを目指して ボールを持ち
足を踏み出した
行くぞ
心の中で気合いを入れて
腕を後ろに 振ったそのとき
足が 滑った・・・
「あああ~っ!」
ドッテーン!
見事に後ろにひっくり返り
俺は 頭を 打った・・・
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
ユノとチャンミンは どうしてるかな?
2人に当分 逢えないけれど
不思議と寂しくはありません
今の私は これでいいんだと思えます
このままだと沖縄公演も危ない気がするけれど
何よりも2人もファンも関係者も
罹患しないことが重要ですものね
いつも応援ありがとうございます♪
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