癒しの T-Garden 赤い海の旅人

CHICKEN HEART 45 (最終回)

20200920152154290.jpeg






「いらっしゃいませ
あっ ユンホさん」

『おっ チャンミン サマになってるね』

「でしょ? 
このエプロン気に入ってるんです」

僕は最近つけ始めた黒いロングのカフェエプロンを
少し持ち上げて見せた

『うんうん いいよ
凄くいい カッコいいなあ チャンミンは』

堂々と褒めまくるユンホさんに
僕は少し照れる

「ちょっと待ってて
今日はユンホさんの大好きなものだから」

『早く食べたいな
腹ぺこなんだ』





オーナーの好意による
毎晩の修行という名の特別個別授業の甲斐あって
僕はランチタイムのメニューの一部を任されるまでになった

ユンホさんは
用が無い限りは
週末のランチに顔を出してくれるから
全然寂しくなかった

勿論 ちゃんと支払いはするし
混んでいる時は 空くまで待ってもらうし
4人掛けのテーブルには案内しないようにしていた



今日は ユンホさんも気を遣ってか
ランチタイムにしては かなり遅い時間に登場した

たまたま お客さんがまとまって捌けたこともあり
オーナーが 
”ユンホ君と一緒に食べたらどうだ?” と勧めてくれたから
今日は向かいあって一緒にお昼ご飯を食べられるというわけ



「お待たせしました
今日のランチはですね ジャーン!
カルボナーラです」

自慢気に テーブルに置いた僕を見て
ユンホさんが クスクス笑う

「・・・?
僕 何か おかしなこと言いました?」

『いや そうじゃなくて・・・
店の外の看板に ランチメニューは書いてあるからさ
入る前に知っちゃった』

「あ そうか・・・
隠してなかったですね はは」

『あれ? 2人分?』

「はい オーナーが一緒に食べておいでって
言ってくれました」

『チャンミン 可愛がられてるんだな
俺 安心したよ』

「僕 これでも一生懸命なんです」

『知ってるよ 誰よりもね
チャンミンは常に頑張ってる』





将来 お店を持って
ユンホさんに これでもかこれでもかというほど
美味しいものを食べてもらいたいんだ

店を持つという夢を
はっきり自覚させてくれたのは
紛れもなくユンホさんの存在

僕はこの先
ユンホさんと生きていきたい

ユンホさんは どう考えているのかはわからないけれど

『チャンミンのカルボナーラは やっぱり美味いな』

「嬉しい ユンホさんに褒められると
本当に嬉しい」

『こんな手料理 毎日食べられたらいいな・・・』

ぼそっと呟いたユンホさんの手が止まった



「どうかしましたか?」

『あのさ チャンミン
毎日毎日 いつ言おうかなって
考えてたんだけど』

「・・・?」

何やら真剣な顔をしたユンホさんが
回りをチラチラと見回した

幸い 今は他にお客さんは一組だけ
それも離れた席にいる

すると ユンホさんが
見計らったように身を乗り出して
僕に近づいた

僕も耳をユンホさんに向けた



『俺たち そろそろ一緒に暮らさないか?』

「え? 今 なんて・・・」

すると また回りを気にしながら
僕の耳に唇を近づけて

『一緒に住もう』

はっきりと言った

「ユンホさん・・・」

席にすわりなおして 僕の目をじっと見る

『チャンミンさえ良ければ なんだけどね』

「ユンホさん いいんですか?
僕と一緒に暮らしてくれるんですか?」

『俺 チャンミンの一生懸命なところが大好きなんだ』

「僕 嬉しいです・・・」

夢のような申し出に僕は涙腺が緩み
カルボナーラの上に一粒の涙が落ちた

「僕も ユンホさんの明るくて優しいところが大好きなんです
ユンホさんと一緒にいると元気が出て
何でも頑張れるって気になるから」

『その涙は 嬉し涙ってことでいいのかな?』

「勿論です」

グスッ 
涙を拭いて鼻をすする

心の底から嬉しかった
将来はどうなるかわからないけれど
今 最愛の人と少しでも多く
一緒の時間が過ごせればと願っていたから

『ありがとう 
今夜 お祝いをしよう』

「はい 今日は終わったらすぐに
ユンホさんの家に向かいます」

週末はオーナーのプライベートレッスンもお休みだ
何か美味しいものを買って帰ろう
作る時間も惜しいと思えるほど
早く 2人で乾杯したかった

『ワイン 買っておくよ』

「はい ありがとうございます」



こんな嬉しい日になるなんて
朝 出勤した時には思いもしなかった

今日は僕にとって記念日だ
いや 2人にとっての記念日になる

その日は仕事中もウキウキが止まらなかった

次のお休みには
腕によりをかけてご馳走を作ろう

メニューを考えるだけでも満たされた








季節は流れ
僕はランチタイムの殆どを任されるまでになった

カラン♪

「いらっしゃいませ」

『おっす』

今日もユンホさんはカッコいい

そう 僕たちは今 一緒に暮らしている

僕は とても幸せだ





♥️ ♥️ ♥️ ♥️ ♥️

【CHICKEN HEART】完走しました♥️
最後まで読んでくださり
ありがとうございました♪



にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ
にほんブログ村




スポンサーサイト



CHICKEN HEART 44

20200920152154290.jpeg






「ユンホさん
今日は 僕が作ったパスタがランチで出されたんですよ」

僕は 興奮気味に
ユンホさんにラインした

新しい職場で 初めて
自分の作品を世に出したのだ

ユンホさんからは
『凄いじゃないか! 
おめでとう チャンミン』と
すぐに返信があった





ユンホさんの強い勧めもあって
僕は声をかけてくれたオーナーのいるカフェで
働くことになった

最初はアルバイトから
店の掃除や洗い物もこなす

僕以外のアルバイトは3人いるけれど
全員学生
日替わりだったり 時間で区切られていたり
フルタイムで入っているのは僕一人だ

あまり大きくはないお店だけれど
味がいいせいか
客足が途切れることはなく
店内はいつも賑わっていた

これでは アルバイトが辞めた後は
かなりきつかっただろう

僕はオーナーの作る洋食の味にすっかり惚れこみ
いずれは調理も任せてもらえるようになりたいと
せっせと働いた

今まで働いていたレストランで
調理に関しては基礎も一通り教わった

しかし 
料理人として生計を立て
いつかは自分の店を持ちたいと
そんな夢を持つようになった今
僕には修行が必要だと思った

調理師専門学校に通うことも考えていたが
オーナーが講師の資格を持つということで
僕は毎日 店を閉めてから
マンツーマンで色々教えてもらえることになったのは
ラッキーという言葉以外 見つからない

幸い カフェは夕方には閉まる
昔ながらの喫茶店風情のある店だったため
夜の営業はしていないのだ

アルコールの提供もなく
看板は勿論 こだわりのコーヒー
ランチと午後のティータイムがメインだった

たまに遊びに来る
前の勤務先のレストランのオーナーも
僕の働きぶりをチェックしながら
アドバイスをくれたりした





週末は ユンホさんがお客さんとして
何度かランチタイムに現れたりしてドキッとしたこともある

僕は仕事をしながら
チラチラとユンホさんを盗み見ては
やはり 僕の恋人は絵になるなって
一人 ほくそ笑むことも多かったなんて
これも決して
ユンホさんには知られたくない

呆れられそうだもの・・・





働き始めて3か月くらい経つと
僕はグーンとお給料が上がった

企業でいうところの正社員のような
カフェの正式なスタッフとして
認められたのだ

アルバイトも もう2人雇い
僕は 厨房を手伝うことが多くなった

忙しいランチタイムは
厨房を手伝いながら ホールにも出て
ベテランホール係を気取って
お客さんの案内や食器の片付けにも精を出す



僕は 毎日ご機嫌だった



”キッシュはな 出来立てに勝るものはないんだ
どうだ 食べてみろ”

簡単そうに見えても
本当に美味しく作るには
ちょっとしたコツがいるのが料理というもの

僕は ヨーロッパの香り漂うオーナーの料理が 
本当に大好きで
毎夜の授業と言う名の実習が
楽しくて楽しくてしかたなかった

「美味しい! 幸せになる味ですね」

”お前さんが幸せだから 余計に美味しくできるんだよ”

「僕が?」

”ユンホくんと つきあってるんだろ?”

「え? あ・・・」

”見てればわかるよ
2人が一緒にいる空気は友達のそれじゃない”

僕は 恥ずかしくて恥ずかしくて
下を向いてしまった

”ははは 気にすることはない
私には その経験はないからわからないが
今は色々な人がいる
ダメだとも 
いけないとも思ってないから安心しなさい”

「はい・・・
ありがとうございます」

”チャンミンもユンホ君も 見た目は普通の好青年だ
きっと2人の関係は今 とても安定しているんだろ?
違うか?”

「もう何でもお見通しですね・・・
僕たちは 今とてもいい関係です
温かい言葉をかけてくださって嬉しいです」

”君のことは信用しているからな
このキッシュは持って帰りなさい
サラダも一緒に
ユンホ君の家に届けて一緒に食べてきたらいい”

「ありがとうございます
一緒に食べます」

”ハハハハ 素直だな
料理というものはな 
食べてほしい大切な人の顔を思い浮かべて
その人の喜ぶ顔を想像しながら作るんだ
そうすれば 5割増しくらいで美味しくなるぞ”

「はい そうします
このキッシュ きっとユンホさんも喜びます」





心配する必要はなかった

週末は逢えないかも?なんて
取り越し苦労だった

毎日 僕はユンホさんの家に寄って
一緒にご飯を食べているのだから・・・

今日もいつも通りって言ってたから
今から向かうと 丁度いい時間かもしれない

出来立てのキッシュを片手に
早足でユンホさんの家を目指す

マンションが見えて来た時
丁度 向こうから
愛しのユンホさんが帰ってくるところだった

ナイスタイミング!

「ユンホさん」

『チャンミン ただいま』

「おかえりなさい
今日はキッシュがありますよ」

『おー すげーいい匂い
早く食べよう』

「はい」

ユンホさんの部屋にも
もう通い慣れたもの

手際よく温め
着替えているユンホさんを待つ

『わぁ マジで超美味そう!』

「美味しいですよ
僕が作ったんですから」

『だよな いただきます』

「いただきます」



僕たちは向かい合って
一緒に乾杯をした

キッシュは僕たちの気持ちのように熱かった





🍴 🍴 🍴 🍴 🍴

2人で食べる幸せ
なんて絵になる光景😍
皆さまグッズは買いましたか?
XVision のですよ?
私はマスクだけ←えっ😳
ライブで使えそうだし!
Tシャツも悩んだけど多分着られないなあと思ってやめちゃった😅
とっておくだけのグッズはもう買わないことにしました
コラボの絵は素敵なんですけどね✨
新曲 Small Talk もダウンロードしました
概ね好評みたいですね♪
個人的な感想は控えます
まだの方はどうぞダウンロードしてくださいね



応援ありがとうございます♪
お話は次回が最終回になる予定です😌



にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ
にほんブログ村




CHICKEN HEART 43

20200920152154290.jpeg






『・・・』

「・・・」



ユンホさん・・・

真剣な顔で 僕の秘密のノートをめくっている

あ~あ 遂にバレてしまった・・・



そのノートは 僕が お弁当屋さんを始めた日に
書き始めた いわば ”お弁当屋さん日記”
になるはずのノートだった

その日のメニューや出来上がったお弁当の写真
そして仕入れと売り上げの収支や
売れ行きと完売時間
それから客層やお客様からかけられた言葉
はたまた オーナーの感想などなど

僕の今後の料理人としての人生に
役立ちそうな情報を詰め込んでおく

はずだった

それが・・・

ユンホさんが初めて買いに来てくれた瞬間から
気になって気になって・・・

もちろん お弁当のことは記してはいたけれど
ユンホさんが何て言ったかとか
よく話すようになってからは
その日のユンホさんの言葉をできるだけ
細かく書いておいた

好き嫌いとか 仕事のこととか

つまり 
”お弁当屋さんの日記” になるはずが
いつの間にか ”ユンホさんのランチ日記” と化していたのだ





『チャンミン・・・』

パラパラとノートを捲り
ところどころ 凝視して
じっくり読んでいたユンホさんが顔を上げた

「僕 ストーカーみたいでしょ?」

『いや ありがとう 
こんなに僕のこと 観察してくれて
嬉しいよ』

「ユンホさん」

『ありがとう チャンミン』



ユンホさんが僕を抱きしめた

ぎゅうっと

だけど優しく

またぎゅうっと・・・



僕が抱きしめ返すと
さらに ぎゅうっと
ユンホさんに抱きしめられて
僕は なんて幸せな瞬間なんだろうって
満たされた思いでいっぱいになった

涙が溢れそうになる




「ユンホさん 
僕みたいなのが恋人で
気持ち悪くないですか?」

『どうして?
こんなに俺を見ていてくれる人なのに
気持ち悪いなんてこと あるわけないだろ?』

「そうなら良かった」

『余計なこと 考えすぎるんじゃないぞ?
俺は こんな恋人がいて
幸せ過ぎるくらいだよ』



そう言って
ユンホさんは僕の顔をじっくり見た

涙目になっていることに気づかれて
ユンホさんにおでこをコツンてつつかれた

『チャンミンは感激屋さんなんだな』

「ユンホさんだからです」

『泣かさないようにしないとな』

「僕 ユンホさんのために
料理の腕前をもっともっと上げたいんです」

『ありがとう 楽しみにしてるよ』

優しく 本当に優しく微笑んで
唇にチュッとキスをくれた



僕は とっておきの紅茶を淹れ
昨日作った いちごのゼリーを出した

「お腹いっぱいかもしれないけど」

『チャンミンお手製のものは全部別腹』

ペロッと平らげてくれたユンホさん

美味しそうに食べるあなたを見ることが
僕の目下の楽しみなんです

外は寒いけれど
この部屋と僕の心はぽかぽかだ



『そう言えば さっきの話だけど
チャンミンはあのオーナーの元で働いて見たらどうかな?
通勤も徒歩で行けるし
俺もすぐに会いに行ける』

「僕もいいお話しだと思いました
でも土日も仕事になると
ユンホさんとすれ違いになっちゃう・・・」

『まさか そんなこも考えて
もじもじしてたの?』

「えへへ」

『確かに 俺は土日休みの仕事だけど
割と自由がきく仕事だから
少し働き方を考えてみるよ
それにさ
料理人になって将来自分の店を持つ夢があるんだから
土日がどうのこうのなんて
言ってららないぞ』

「そうですよね
ユンホさんとは家も近いし
いつでも逢えるもんね
僕 逢いに行っちゃう」

『そうそう そのいきな
大丈夫 きっとうまく行くさ』

「うん そうですね」



ユンホさんに大丈夫だと言われたら
何でもできそうな気がする

僕は頑張って
ユンホさんが喜ぶ料理をたくさん作るんだ



『そうだよ チャンミン
笑っているといいこともあるさ
疲れたら愚痴をこぼしたっていい
俺が聞いてやるから』

「ありがとう ユンホさん」

今度は僕から
ユンホさんに抱きついて
チュッとキスをした





💋 💋 💋 💋 💋

チケットは払い戻しせず
権利は持っていることにしました
きっと来年は 違う形であっても
ライブはできますよね🥰
楽しみに待ちたいと思いました😍





にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ
にほんブログ村




CHICKEN HEART 42

20200920152154290.jpeg





『チャンミン どうしてすぐに返事しなかったの?
あんな好条件の話 ないと思うよ?』

「ん そうなんですよね」

『やっぱり ちゃんとした学校に通いたいとか?』

「いえ 学校に通わなくてもいいんです」

『・・・』



カフェを出て 駅まで歩く道すがら
ユンホさんが 不思議そうに僕に聞いた

言おうか?言うまいか?悩む



『チャンミン?』

「はい ユンホさん」

『何か 悩んでる?』

「え? あ・・・ええ」

『落ち着いてから話そうか?』

「・・・?」

『チャンミンの家 行ってもいいかな?』

「僕の家ですか?」

『うん 確かチャンミンも一人暮らしだったよな?』

「はい」

『同じ駅なんだし そんなに離れてないよな?』

「いいですけど まさか ユンホさんが来るとは思ってなくて
片付けてないんです」

『いいんだよ どうしても嫌とかじゃなかったら
チャンミンがどんな暮らしをしているのか知りたいんだ』

「僕は いたって普通の暮らしです」

『じゃあ いい?』

「はい でも 幻滅されちゃうかもしれないので」

『ので?』

せっかく こんな関係になれたのに
すぐにフラれてしまうかもしれないかもと思うと
少し怖かった

「残念に思ったら ちゃんと言ってください
僕は質素な一人暮らしで
面白くもなんともない部屋ですから」

『大丈夫だよ きっと俺の部屋よりも綺麗だよ』

「・・・」





駅を超えて 働いていたレストランとは反対の方向へ歩く

いきなりユンホさんを家に上げることになるなんて
想定外だ

でも どうせ取り繕っても いつかはボロが出るだけだ
このまま僕の素の姿をみてもらったほうがいいのかもしれない

それで 幻滅されて 嫌われて
別れを切り出されたりしたら・・・
やっぱり君とはつきあえない とか言われたりしたら・・・
その時は 潔く諦めよう

僕も男だ

腹を括ろう





「よしっ 決めた」

思わず口から出てしまった言葉に
ユンホさんが驚いたみたい

『チャンミン 何を決めたの?』

「あ ごめんなさい」

『さっきから 深刻な顔をして 口をもごもご動かしてたけど・・・
もしかして 俺が急に家に行きたいなんて言ったから
家のことが気になってるの?』

「はい まぁ そんなところです・・・
情けないですね 僕」

『ごめんな でも いつものチャンミンが知りたくて・・・
まさか 物凄いゴミ屋敷ってことはないだろ?』

「違いますっ それだけはないです 絶対に」

『はははは わかってるよ
チャンミンと一緒にいたら そんなことないってわかるから
安心して? 疑ってなんていないから』

「わかりました」



それでも 僕はまだ ドキドキしながら
自宅への道のりを 歩いた

「ここです」

『へぇ シンプルな建物だな』

「全て一人暮らし用の部屋ばかりのマンションです」

『お邪魔します』

「どうぞ」

慌てて客用のスリッパを一足だけ出した

「これしかなくて」

『チャンミンは?』

「僕は 家では スリッパは履かないんです」

『じゃあ 俺もチャンミンと同じがいいな
俺も 家でスリッパは履かないよ』

「ユンホさんが 嫌じゃなければ そのままでも」

『ふふ じゃあ このままで』





物珍しそうに
僕の部屋をキョロキョロしているユンホさんが可愛い

せまい部屋だけど
小さいダイニングテーブルに椅子は2脚
最初からセットで買った

「洗面所はそっちです
あ 言わなくても見えてますね」

狭い部屋は トイレも洗面所もお風呂も全て丸見えだ
ベッドも・・・

「今 お茶淹れますね
コーヒーと紅茶 ジュース
何がいいですか?」

『じゃあ ジュース
さっきコーヒー飲んだから』

僕は 果汁100%のりんごジュースをグラスに注いだ





『へぇ ここがチャンミンのベッドかぁ
綺麗にしてるな 想像通りだ』

「恥ずかしいです」





乱れているベッドを直そうと近寄ったとき
ユンホさんが
ベッドサイドに無造作に置かれていたノートを手に取った

『えっ・・・』

「あーっ! それはダメです!」

慌ててユンホさんの手からノートを
取り返そうとしたのに
ユンホさんは返してくれない

意地悪しないで 返してほしい

『これ・・・見せてよ』

「お願いです
それだけは恥ずかしいから見ないで」

『俺のことが書いてあるの?
恥ずかしいことなんてないよ
いいじゃないか
頼む 見せて?』

「・・・」

にっこりと微笑まれて
僕は【ユンホさんノート】と表紙に書いてある
穴があったら入りたいほど恥ずかしい
秘密のノートを
愛しのユンホさんに見られてしまうハメになった


あ〜僕はいったいどうしたらいいんだろう
身体中が沸騰した





📕 📕 📕 📕 📕

avexから払い戻しの案内が来ましたね
どうするかなぁ・・・🤔
来年でも何かしらライブがあるなら
待とうかな?
でもavexが倒産したら戻ってこないなんて言う人もいるし
迷いますね〜
とういう形になるのかわかりませんが
次のライブに回していただけるのであれば
待つのが得策なのかな😙



にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ
にほんブログ村




CHICKEN HEART 41

20200920152154290.jpeg






「わぁ めっちゃ美味しそう~」

僕たちは先週と同じカフェに来ていた

今日は グラタンのセットを頼んだのだけれど
これがまた とんでもない美味しさで
二人ともはあっという間に完食した



「ユンホさん 想像を絶する美味しさでしたね」

『うん 凄く美味かった
でも 本当に美味しそうにグラタンを頬張るチャンミンの方が
もっと美味しそうだったよ』

「え・・・意味がよくわかりません」

『ははは 相変らずだな~
言っただろ? 俺にとってはチャンミンが何よりも美味しそうなの!』

「そんなっ もうっ ユンホさん」



”いらっしゃいませ
また来てくださったんですね”

「あ こんにちは お邪魔してます」

”ありがとうございます
完食してくれて”

「もう 本当に美味しくて美味しくて
お代わりしたいくらいです」

『ああ チャンミンはこう見えて大食いですから』

僕が働いていたレストランのオーナーとは
幼馴染だと言ったこのカフェのオーナー

”はははは それは頼もしい
今日はレストランのオーナーも偶然来る予定ですよ”

「えっ? そうなんですか?」

”はい 腐れ縁みたいなものですからね
たまに 行き来しています”

「よろしく伝えてください
僕はかなりお世話になりましたので」

”直接 話した方がいいでしょう?
ほら 噂をすれば 何とやら・・・ってね”



その時 カフェの扉が 軽く音を立てた

振り向け よくよく知っている懐かしささえ覚える顔
毎日料理を教えてくれた人が
カフェのオーナーに 手をあげて
こちらに歩いてくるところだった

”ランチタイムに悪いな”

”いや 是非お前に食べてもらおうと思ってな”

「オーナー ご無沙汰してます
その節は本当にお世話になりました」

僕は すくっと立ち上がり
オーナーに挨拶をして 頭を下げた



”チャンミン 元気そうだな”

「はい 何とか」

”おや? 君は・・・”

『あ 毎日のようにお弁当を買いに行っていたサラリーマンです』

”チャンミンの友達だ”

『はい 美味しくて毎日通っているうちに仲良くなりました』



”お前の分はこっちでいいか?”

カフェのオーナーが オーナーに声をかけた

”ああ ここに運んでくれ”

そう言って 僕たちの隣りのテーブルに腰をおろした

「奥様はお元気ですか?
もうリフォームとか 終わったんですか?」

あのレストランは改修すると言っていたことを思いだし聞いてみた

”ああ 今工事の真っ最中だよ
うるさいし 埃っぽくてな
で お昼ご飯はここに避難してきた”

「そうだったんですね お一人ですか?」

”ああ 家族は別な用があるから
今日は 俺一人だ”

そこへ またしても いい匂いをさせて
グラタンが運ばれてきた



”ところで 次の職場は決まったか?”

「いえ まだなんです
もう少し基礎を勉強しようかなって思っていて
学校に通おうかなと考えているんです」

すると グラタンを運んできたオーナーが
声をかけてくれた

”君は 今 無職なのか?”

「はい そうなんです 
就活中 みたいなものです」

”良かったら ここで 働かないか?”

「えっ? このお店で ですか?」

予想もしなかった言葉に 僕は驚いた

”お前のところは 人手不足か?”

”ああ 長かったアルバイトが先週一人辞めてしまったんだよ"

「・・・」

ユンホさんをチラリと見ると
ユンホさんもまた驚いていた

”突然で申し訳ないが
君の仕事っぷりは こいつから聞いているし
料理人を目指しているのなら 是非うちで働いてくれないか?”

「ありがとうございます」

”そうだ それがいい” とオーナーも嬉しそうだ

”実は 今の自粛ムードのせいで
うちのレストランを閉めることになったから
チャンミンには 申し訳ないことをしたと思っていたんだ
せっかく 料理の腕も上がって来て
これから という時だったのにな”

「そんな・・・僕は十分よくしていただきました」

”ここなら 今まで以上の給料を出してもらえるぞ”

”おいっ お前が決めるな
うちは 出来高払いだ”

「厳しいんですね・・・」

”ハハ 冗談だよ
前と同じ金額は出そう
先月 3年働いてくれたアルバイトが辞めて
田舎に帰ってしまったんだよ このご時世のせいでな”

「そうですか」

”今は家内と 他のアルバイトが頑張ってくれているが
少々きついんだよ"



僕が働いていたレストランのオーナーの幼馴染で
このカフェのオーナー
身元は保証付きだ

それに とんでもなく美味しい洋食を出すお店とあれば
僕に 断る理由はなかった

きっとユンホさんも喜んでくれるに違いない

条件についても 僕よりもオーナーが 
まるで お父さんみたいに交渉してくれてる



ただ 一つ気になることがあるとすれば
土日も仕事になるから
ユンホさんと お休みがすれ違うことだった

ユンホさんは どう思っているのだろうか?

僕が週末も働くことは どう思うかな・・・?

僕たちの関係は 
もちろんオーナー2人には言えないから
面と向かってユンホさんに聞くこともできない

でも 今はそんな贅沢言っていられない
仕事に就けるだけで 
ありがたいと思わねばならないだろう

会える時間は絞り出せばいい

僕は またまた ちらりと横目でユンホさんを見た

『チャンミン 素晴らしい話じゃないか?』

「うん ありがたいお話です
あの 一日だけ 考えさせていただけませんか?
願ってもないありがたいお話でとても嬉しいのですが
突然だったので 良く落ち着いて考えたいんです」

”まぁそうだな 唐突な申し出だったし
一度ゆっくり考えてくれ
あ でもできるだけ早く
そして できればいい返事がほしい”

「はい すみません 
一日考えて 明日またお伺いします」

カフェのオーナーは うんうんと頷いて
厨房へ戻っていった



残ったレストランのオーナーは
グラタンを食べながら 僕に言った

”チャンミン 悪い話じゃないぞ
アイツは TOHO COOKINGの講師もしていたんだ”

「えっ? 本当ですか?
僕は 是非働いてみたいとは思っているんです
ご迷惑をかけずにやっていけるかなと思って・・・」

まさか これからユンホさんとゆっくり相談したいんですとも言えず
咄嗟にそんなことを言ってみた

”チャンミンなら 何も心配ないと思うよ
ま 一日よ~く考えてみてくれ
フランス修行もしていたあいつの腕は折り紙付きだ”

「はい ありがとうございます」



僕は 2人のオーナーに 
それぞれお礼を言ってから
ユンホさんと一緒にカフェを出た

お店の外にまで
グラタンのいい匂いが立ち込めていた





🫕 🫕 🫕 🫕 🫕

グラタンとかスープとかって
言葉だけでも美味しそうな響きですよね😋
チャンミンはきっと凄く美味しいお料理を
作るのでしょうね(*≧∀≦*)
昨日までは暖かかったのに
また寒くなりました
札幌はもう雪なんですね❄️
皆さまもお身体ご自愛くださいませ😉





にほんブログ村 BL・GL・TLブログ 二次BL小説へ
にほんブログ村